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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第16章 幻と夢の狭間
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エルフとダークエルフの出産1

マコトたちが試練へと出発してから、既に2日が過ぎた。


いまだに戻ってくるどころか、連絡すらない状況だ。


だが心配する者は1人もおらず、マコトがいない寂しさを除けば、全員いつもと変わらない生活を送っていた。


当然皆もこの日はいつも通りだ。


早朝訓練を行い、温泉に入ってから朝食を食べる。


午前中を自由に過ごしてから昼食を食べる。


午後の訓練を行い、温泉に入ってから夕食を食べる。


そして寝るまで自由に過ごし、その後就寝する。


そのままいつも通りの1日が終わった。



しかし日付が変わった直後、事態は急変し、いつもとは違う状況になった。


ダークエルフ族の中から2人、陣痛がはじまったことを訴えてきたのだ。


2人はすぐに、シルフィナたちによって神魔樹の地下に準備されたベッドへと運ばれた。


それを皮切りに、ダークエルフ族から1人、また1人と陣痛がはじまり、次々とベッドが埋まっていった。


いつもなら早朝訓練がはじまる時間になった頃には、ミーナ、ネーナ、アリアを除く妊婦全員に陣痛がはじまっていた。


さすがに人数が多いため、この日は訓練を休みにして、全員で出産に向けての手伝いをすることになった。


そんな中、最初に陣痛がはじまった2人が、分娩台へと運ばれた。


どうやら出産が近いようだ。


エルフやダークエルフの陣痛から出産までの時間は、平均で8時間ほどだ。


ただ分娩台に移動してからは速く、平均で15分ほどで赤ちゃんが生まれてくる。


2人の陣痛がはじまって、既に7時間以上が過ぎているので、平均的な時間だろう。


2人の妊婦にはそれぞれ、シルフィナとシーノ、トウカとサーシャが付き、雑用としてノワールとエリスが待機していた。


妊婦たちがいきみはじめると、徐々に赤ちゃんの頭が見えてきた。


そしてとうとう、最初の赤ちゃんが生まれた。


元気に大きな声で泣きはじめた赤ちゃんだったが、シルフィナとシーノは慣れた手つきで赤ちゃんを取り上げ、すぐに優しく身体を洗っていた。


そんな奇麗になった赤ちゃんを、ノワールが清潔な布で包んでから抱っこした。


生まれてすぐの赤ちゃんを抱っこしながら、ノワールは新たな命の誕生に感動しているようだ。


それも束の間、いきんでいたもう1人の方も、徐々に赤ちゃんの頭が見えてきて、そのまま何事もなく無事に生まれた。


こちらの赤ちゃんも元気に大きな声で泣きはじめたが、トウカとサーシャは慣れた手つきで赤ちゃんを取り上げていた。


すぐに優しく身体を洗い、奇麗になったところで、今度はエリスが清潔な布で赤ちゃんを包んで受け取り抱っこした。


普段は表情に感情を表現するのが苦手なエリスだったが、今回は誰の目からも新たな命の誕生に感動しているのがわかる。


それからノワールとエリスは、無事に母親となった2人に赤ちゃんを見せていた。


2人とも余裕がありそうだったので、シルフィナたちに身体を支えられながら、一度だけ赤ちゃんを抱っこさせてた。


そしてノワールとエリスが赤ちゃんを再び受け取り、2人のベッドの隣に備え付けられていた赤ちゃん用のベッドへと移動させた。


そこからは嵐のような時間が過ぎた。


次々と赤ちゃんが生まれたが、運良く5人以上が重なることなく、出産は順調だ。


そして最初の出産から12時間が経過した。


既にミーナ、ネーナ、アリアを除く全員が、母子ともに無事なまま出産を終えていた。


残る3人も既に陣痛がはじまっているが、まだ出産までには時間がかかりそうだ。


そこから更に1時間ほどが過ぎ、とうとうネーナが分娩台に運ばれた。


初めての出産のためか、不安そうな顔をしている。


しかしサラが近くで声をかけ続けていると、次第に不安も収まっていた。


そして完全に落ち着きを取り戻したところで、ようやく赤ちゃんの頭が出てきた。


そこからは順調に進み、そのまま無事に赤ちゃんが生まれてきた。


元気に大きな声で泣きはじめた赤ちゃんを、ケイとフィーアは慣れた手つきで取り上げ、すぐに優しく身体を洗った。


そして奇麗になった赤ちゃんを、サラが清潔な布で包んでから抱っこしたのだが、そこで不思議なことが起こった。


それまで大きな声で泣いていた赤ちゃんが急に泣き止み、とても安心したような穏やかな表情になったのだ。


その姿は母娘にも姉妹にも見えると、その場にいる全員が思っていた。


だが誰もそのことを口にはせず、ただ黙って2人の姿を温かい目で見守っていた。


サラは抱っこした赤ちゃんを、ネーナからも見える位置へと連れて行った。


「ネーナ母様、無事生まれましたよ。

元気な女の子です。」


ネーナは上がっていた息を整えてから、ゆっくりとサラの方を向いた。


「・・・ええ、よく見えるわ。

確実にこの娘はお姉ちゃん子になりそうね。」


「はいっ!」


「ただ、もう泣き止んじゃうなんて、母親としてはちょっと複雑な気分ね。」


「でもネーナ母様のことだって大好きなはずです。」


「ふふふっ、そうね。

さぁ、いらっしゃい、私の赤ちゃん。」


ネーナはケイとフィーアに支えられながら何とか身体を起こすと、サラから赤ちゃんを受け取った。


すると赤ちゃんは、サラから離れて一瞬不安そうな表情をしたように見えたが、すぐに安心したような穏やかな表情に戻っていた。


そんな2人の姿を見て、サラは自分の考えが正しかったことを主張した。


「ほらっ、私の言った通りじゃないですか!

やっぱり赤ちゃんも、ネーナ母様に抱っこしてもらって嬉しいんですよ!」


「ふふふっ・・・ええ、そうね。

サラの言う通りだったわ。

さすがはお姉ちゃんね。

サラ、これからこの娘と仲良くしてあげてね。」


「はいっ、私の大切な可愛い妹なんですから当然です!」


「ええ、お願いね、サラお姉ちゃん。

じゃぁ私は少し疲れちゃったから、後はサラお姉ちゃんに任せるわね。」


「はいっ、任せてください!」


サラは再びネーナから赤ちゃんを受け取ると、そのまま赤ちゃん用のベッドへと運び、それ以降は近くを離れなくなってしまった。


そんなサラの姿を見て、皆はやれやれといった表情をしながら、絶対に妹には甘い姉になりそうだな、とか思いつつも、姉妹の邪魔をせずに見守るだけにしていた。


一旦落ち着いたのも束の間、すぐに次の人物が分娩台へと運ばれてきた。


それはアリアだった。


担当にはノルンとイシスが付き、雑用にはシャーリィとユイリィが待機していた。


既に何人もの赤ちゃんが生まれているので、雑用の2人も手慣れてきている。


そのため表情からは余裕が感じ取れる。


どうやら今回も何も問題無いと思っているのだろう。


だがここで初めて、危惧していた事態の1つが、とうとう起こってしまったのだった。

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