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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第17章 商い革命
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商国での会談20

話が丸く収まったと思ったのも束の間、そんなガラティアの顔を、何故かエイリがジッと見つめていた。


さすがに黙って見られることに我慢できず、とりあえずガラティアは理由を聞いてみた。


「なっ、何ですか?

私の顔に何か付いていますか?」


「いえ、そうでは、ないのですが・・・」


エイリはそう言いながら、ガラティアの顔をジッと見つめたままだ。


意図が全くわからず焦ったガラティアは、思わず少し強い口調でエイリを問いただしてしまった。


「じゃっ、じゃぁ、何なんですか!

何かあるならハッキリ言ってください!」


しかしエイリに気にした様子はなく、ようやく理由らしきものを口にしはじめた。


それも何故か笑いながらだ。


「すみません・・・ふふふっ・・・

何といいますか・・・ふふふっ・・・

先程のガラティアさんが・・・ふふふっ・・・

とても可笑しくて・・・ふふふっ・・・」


突然のことに、ガラティアは警戒しながらも少し冷静になって理由を尋ねる。


「いっ、いったい私の何が可笑しかったのですか?」


すると、エイリの口から思わぬ答えが返ってきた。


「いえ・・・ふふふっ・・・

寿命があるかわからないほど・・・ふふふっ・・・

長命な天使族のガラティアさんが・・・ふふふっ・・・

寿命が短くなった、などと仰るので・・・ふふふっ・・・

それがあまりにも・・・ふふふっ・・・

可笑しくて・・・ふふふっ・・・」


どうやらさっきのガラティアの答えの一部が、意外にもエイリのツボにはまったようだ。


「はい?・・・えっ?そこですか!」


「だっ、だって・・・ふふふっ・・・

おかしいでは・・・ふふふっ・・・

ありませんか・・・ふふふっ・・・

天使が寿命が短くなった、ぷっ・・・ふふふっ・・・」


これにはガラティアも毒気を抜かれてしまった。


「えーっとぉ・・・私は全く意味がわからないんですけど、皆さんはわかりますか?」


ガラティアは他の皆に助けを求めてみたが、誰一人として同意する者はいなかった。


そんな中、シルフィナだけが感心していた。


「すごいですね、ガラティアさん。

エイリにあんな大笑いをさせるなんて、マコト様以外で初めてですよ。」


「そっ、そうなんですか・・・でもそれってすごいことなんですか?」


「ええ、とてもすごいことです。」


「そっ、そうですか・・・」


「ですがこのままではマコト様をお待たせしてしまいますね。

エイリ、そろそろ模擬戦をはじめたいので、いい加減戻ってきなさい。」


シルフィナが注意すると、エイリは笑うのを止めて謝罪した。


「ふふふっ・・・そうね、御免なさい。」


「別に構わないわ。

では皆さん、これ以上時間をかけるわけにはいきませんので、すぐに本題の模擬戦における作戦の話し合いに入りましょう。

私としましては、各個人で自由に動き、必要であればその都度各々で連携する、といういつも通りの戦法でいいかと思いますがいかがですか?」


このシルフィナの意見に、誰も異を唱える者はいなかった。


「・・・どうやら反対意見は無いようですね。

ではそのようにお願いします。

ガラティアさんはどうされますか?」


「私は皆さんとの連携はまだ難しいと思いますから、同じく自由にやらせてもらおうと思います。」


「わかりました。

では今決めた通りの戦法で、皆さんの健闘を祈ります。

エイリ、準備はいいかしら?」


「私の方はいつでも大丈夫よ。

既にこの場所全体に多重保護結界を展開しているから、外からの干渉も、内からの干渉も全て無効化されるわ。

だから好きなだけ暴れてきなさい。」


「いつも悪いわね。」


「気にしなくていいわ。

それにマコト様からお願いされたことだもの、私に断るという選択肢はないわ。」


「そうだったわね。」


「ああ、それと、ガラティアさんへの妨害判定も忘れずに確認しないといけなかったわね。」


「ええ、いろいろ頼んで悪いけどお願いね。」


「任せて。」


エナンとの話を終えると、シルフィナは模擬戦に参加する皆へ最終確認を行った。


「では皆さん、準備はいいですか?」


「はいっ!(×皆)」


「それでは、はじめますよ。」


シルフィナがそう言ったと同時に、ガラティア以外の全員がその場から静かに姿を消した。


「へっ?・・・わっ、私もっ!」


すぐにガラティアも模擬戦が既にはじまっていることに気付き、まずは正面からマコトへと突っ込んでみることにしたのだった。


そして模擬戦の結果はどうなったのかというと、マコトの圧勝で終わった。


ガラティアは自分の間合いにマコトが入る前に、何が起こったのかわからず、何度も何度も転がされてしまっていた。


そんなことを何度か繰り返し、最後は何をされたのかわからないが、突然意識を失ってしまったのだ。


結局最初から最後までマコトが何をしたのかわからないまま、ガラティアは倒されてしまった。


他の皆は何とか自分の間合いにマコトを捉えることができたものの、攻撃を当てるどころか触れることさえできず、ガラティアと同様に何もできずに倒されてしまった。


唯一シルフィナだけはマコトに触れることができていたが、攻撃として当てることはできず、せいぜい防御させるのがやっとだ。


それでも真剣なシルフィナとは対照的に、マコトにはどこか楽しむ余裕があるようにも見えた。


その結果、終始大人と子供以上の差を見せつけられることになった。


最後はシルフィナの全力の攻撃をマコトが正面から受け止め、その際にできた大きな隙をつかれて倒されてしまった。


ちなみにガラティアへの妨害判定が1つも無かったのは言うまでもない。


全員そんなことをする余裕など全く無かったというのが正直な所だろう。


こうして模擬戦が終わり、マコトは最初にガラティアの回復を行いながら、感想を聞いてみた。


「どうだガラティア、少しは認めてもらえたか?」


「いっ・・・」


「いっ?」


「いったい何なんですか、マコト様のそのでたらめな強さは!

しかも力を全く使ってないのに、まだまだ全然本気じゃないですよね!

それでこの強さって、シルフィナさんは化物でしたが、マコト様はそれ以上の規格外、この世の理から外れた存在としか思えません!」


「いくら何でも過大評価しすぎだ。」


「いいえ、これでも過小評価しているくらいです!

シルフィナさんは底が見えない強さを感じましたが、マコト様には何も感じません!

これはあきらかに異常です!」


「まぁ普段から自分の存在を希薄にしながら隠蔽しているからな。

何も感じないのはその所為だろう。」


「いやいや、普通そこまでの力を持っている個人が、ここまで完璧に力を隠すことなんて絶対にできませんよ!」


「だが現にガラティアは、俺の力を何も感じないんだろう?」


「それは、そうですが・・・」


「だったら俺についてはそういうものだと思っていてくれ。」


ガラティアは何か言いたそうな顔をしていたが、そこで諦めたようだ。


「・・・はぁ、わかりました。

マコト様については、深く考えたら駄目な気がしてきました。

割り切って今のままの状態が当たり前なのだと受け入れますよ。」


「そうしてくれ。

さて、そろそろ動けるようになったと思うが、どうだ?」


ガラティアは自分の身体におかしい所が無いかいろいろ動かしてみたが、完全に模擬戦がはじまる前に戻っていることを確認した。


「・・・大丈夫そうですね。

ところで私はいったいどうやって倒されたのでしょう。

何をされたのか全くわからなかったのですが?」


「それは自分で考えてくれ。

何をされたか考えるのも訓練の内だからな。

ちなみにガラティア以外は、全員自力で答えに辿りついているぞ。

だからこそ間合いに入ることができていたんだ。」


「なるほど。

ですが今の私の実力では、マコト様との模擬戦を何度繰り返しても、答えには辿りつけないでしょう。

まずはもっと力を磨かないといけませんね。」


「そうだな。

それについては俺も協力しよう。

しかしまずは力の強化よりも、様々な基礎技術を身に付ける方が先だ。

ハッキリ言ってガラティアは、その辺りが未熟過ぎるからな。」


「まぁこれまでは生まれ持った力だけで事足りてましたからね。」


「だが逆に言えば、それだけ伸びしろがあるということだ。

基礎技術を鍛えることによって、身体の使い方や力の制御が向上するだけでも、今より格段に強くなることができるはずだ。」


「それは楽しみですね。

改めて、これからよろしくお願いします、マコト様。」


「ああ、こちらこそよろしく頼む。

さて、他の皆も回復してやらないとな。

シルフィナ以外はガラティアにも任せて構わないか?

確か天使は神法による回復ができたはずだ。」


「よくご存じで。

ですが私は、そこまで回復が得意ではありませんよ。」


「問題無い。

シルフィナ以外は、たいした怪我をしていないからな。」


「そういうことでしたらお任せください。」


「頼むぞ。」


それからマコトはシルフィナを、ガラティアは残りの皆を回復させた。


そして全員が動けるようになると、マコトはシルフィナとエイリを伴ってどこかへと行ってしまった。


その間残された皆は、ガラティアとの親睦を深めたり、これからメイドとして働くために必要な心構えや仕事の内容などを説明していた。


しばらくしてマコトとシルフィナだけが戻って来ると、そのまま皆を連れて陰の一族の拠点へと戻ったのだった。




そんな大変なことがあったなぁ、などと思い出しながら、ガラティアは温泉を心ゆくまで堪能したのだ。


ちなみに温泉に入っているとき、エステルがマコトの告白を受け入れてハーレムに加わるという、おめでたい一場面もあった。


温泉から上がると、メイドとしての仕事が多少あったものの、ガラティアは美味しい夕食に舌鼓を打ち、更には約束通り休憩時間も貰えた。


そして食後の休憩時間になると、マコトは新たにハーレムへ加わったエナンとエステルを自分の寝室に連れて行ってしまった。


いろいろなことがあったものの、初日から新たな職場に満足したガラティアは、これからの快適なメイドライフに期待して胸を膨らませていた。


そのまま明日を楽しみにしながら布団に入ると、穏やかな寝息を立てて夢の世界へと旅立ったのだった。




そんな激動の1日が終わって日が変わった頃、皆が寝静まっている中、陰の一族の拠点を物音一つ立てずに影が1つ動いていた。


その影は、各国の代表たちが自室と陰の一族の拠点を行き来する際に使用する、ゲートの出入り口がまとめて設置されている建物の裏までやってきた。


そこは他の場所からは死角になっており、直接その場所まで行かないと誰かがいるとはわからない場所であった。


影の正体、それは1人の女性だった。


女性は目的の場所まで無事に来ることができ、まずは一息ついていた。


「・・・ふぅ・・・どうやら誰にも見つからずにここまで来れたようですね。

一応周囲の気配も確認しておきましょうか・・・私の探知に引っかかる人も物も周囲には無いようですね。

しかし油断はできません。

ここには私の探知を簡単に潜り抜けてくる人たちがいますからね。

最悪の事態を想定して正当な理由も考えてありますが、今回が最初で最後のチャンスでしょう。」


そんな独り言を言いながら周囲を警戒しているのは、昨日メイドとして雇われたばかりのガラティアだった。


早々に眠ったものの、ここでの生活があまりにも快適だったおかげで、少しの睡眠でも疲れが取れたようだ。


それほど今のガラティアは、体調が久しぶりに絶好調であった。


そんなガラティアが直接目視でも周囲に誰もいないことを確認してから、背中に4対8枚の翼と頭の上に光り輝く輪を出した。


何故翼と光り輝く輪を出したのかというと、ある人物へと念話を送るためである。


天使族は互いの光り輝く輪を使って、外部から干渉を受けない、秘匿通話が可能な念話を行うことができるのだ。


更に翼を広げることによって念話の出力を上げ、ある程度の妨害を破ることもできる。


ただ、今いる場所が異空間であったため、自分と相手との正確な距離や障害となるものがどれくらいあるのかわからないので、失敗しないように最初から最大出力での念話を行ったのだ。


「もしもーし、聞こえますかーっ?

・・・あれっ?もしかして駄目ですか?

もしもーし・・・もしもーし・・・うーん、やっぱり駄目ですかね?

でもここで駄目となりますと、どうしたものでしょうか・・・」


ガラティアは別の方法を考えながらも、もしかしたらと淡い期待を抱きながら念話を続けたのだった。




実はこのときガラティアが念話を送っていた相手は、久しぶりの仮眠をとっているところであった。


そのため少し反応が遅れてしまったのだが、すぐに意識を覚醒させると、背中に6対12枚の翼と頭の上に光り輝く輪を出してから返事を返した。


「・・・騒々しいですよ。

この様な真夜中にいったい誰です?」


返事が返ってくると、ガラティアは開口一番に文句を口にした。


『何だ、聞こえてるなら早く返事してくださいよ。

私一人で喋っていて馬鹿みたいじゃないですか・・・まぁそれは置いておいて、どもども、お久しぶりですね、上司。

私ですよ。』


ガラティアが念話を送っていた相手、それは上司である天使族序列第1位の特級天使、ルヴィスであった。


ルヴィスはガラティアの文句を不機嫌そうにしながらも聞き流した。


「その言い方、誰かと思えばガラティアですか・・・珍しいですね、貴女の方から私に連絡をしてくるとは。」


『たまにはそんなこともありますよ。』


「まぁいいでしょう。

それで、何か緊急事態でも発生しましたか?

出来れば手短にお願いします。」


『いえね、実は事後報告になるんですけど、一応上司にだけは連絡を入れておこうかなと思いまして。』


「事後報告、つまり、もう終わったこと、もしくは決まってしまったこと、というわけですか・・・貴女らしいです。

変わり無いようで、ある意味安心しました。」


『さすがは上司。

話が早くて助かります。』


「ですが普段なら厳罰ものです。

それはわかっていますか?」


『もちろんわかってますよ。

でもしょうがないじゃないですか、あまりにも急なことだったんですから。

だから今回は大目に見てください。』


「貴女がそうせざるを得なかったというのですから、仕方なかったのでしょう。

貴女は普段の言動や態度は褒められたものではありませんが、仕事に関してはとても優秀ですから。」


『買いかぶりすぎですよ。

私をおだてても何も出てきませんよ。』


「そんなつもりはありません。

私は事実を言ったまでです。」


『まぁ今回は素直に褒め言葉として受け取っておきますよ。』


「ええ、そうしてください。

では早速本題に入ってください。

事後報告とのことですが、それはどのような内容ですか?」


ガラティアは念話の相手であるルヴィスから見えていないにもかかわらず、その場で姿勢を正すと、一度だけ咳払いをしてから報告をはじめた。


『オッホン・・・えーっ、この度天使族序列第4位の私ガラティアは、ただ今を持ちまして退職させていただきます!

長い間お世話になりました!

これからは新しい職場で頑張っていきますので、どうか温かい目で見守ってください!』


突然ガラティアから退職の挨拶をされ、さすがのルヴィスも声を怒りで荒げてしまいそうになった。


しかしすぐに言葉を飲み込んで、何とか理性で怒りを抑え込むと、まずはガラティアの話を聞いてみることにした。


「・・・それはまた、急な話、ですね。

まずは、理由を、聞きましょうか?」


そんなルヴィスの心境など一切気にせず、ガラティアは理由を話しはじめた。


『実は、すっごく条件のいい雇用先を見つけたので、そこの採用試験を受けたら受かっちゃったんですよ。

というわけなので、今後そっちの仕事は一切手伝えなくなっちゃいました。

そっちにある私の机の一番上の引出しの中に退職届が入ってますから、昨日付で受理をお願いします。

あっ、私のことを探して連れ戻そうとか考えても無駄ですよ。

普段は絶対に見つからない場所にいるし、たまたま外出中に遭遇しちゃった場合は、逆に返り討ちにしちゃいますから。』


嬉しそうに話すガラティアの声と内容に、ルヴィスの怒りは振り切れる寸前だった。


それでもギリギリのところで表には出さず、最後の確認を行う。


「・・・本気で、言って、いますか?」


『もちろん本気で言ってますよ・・・半分は。』


このガラティアの言葉で、それまで内心怒り狂っていたルヴィスの心が冷静になる。


「半分は、ですか・・・ではもう半分の理由は何です?」


ルヴィスの問いに対して、ガラティアは自分が口にできる範囲で理由を答えた。


『すみませんが、それは言えないんですよ。

言わないんじゃなくて、言えないんです。

ここ重要なんで2回言いましたよ!』


ルヴィスはガラティアの言葉の裏にある真意を正確に読み取って理解した。


「・・・つまり、その新たな雇い主とやらの情報を公開できないように何かしらの制限を受けている、といったところですか?」


『その判断はご自由に、としか私には言えません。』


「しかし貴女ほどの実力者にそのようなことができるとは、にわかには信じられませんね。」


『まぁ雇用条件に機密保持の誓約が入ってたんで、自分から制限を受け入れたんですけどね。』


ガラティアが自分から不利になる条件を受け入れたと聞き、ルヴィスは再び怒りが込み上げてきた。


しかも言えないとか言いつつ、ここぞとばかりに一部の情報を公開するので、ルヴィスを馬鹿にしているようにしか思えない。


だがすぐにルヴィスは、ここまでのガラティアの言動を振り返ってみた。


ガラティアは自分の怒りを煽るようなことを口にするものの、ギリギリ爆発しない程度でおさえ、更に理由を後から説明することで冷静さを取り戻させている。


そんなことが何度か繰り返されたので、意図的にそう仕向けていると気付いたようだ。


これ以上ガラティアに振り回されないように、ルヴィスは一旦全ての怒りを忘れ、最後まで話を聞いてからどうするか考えることにした。


「・・・なるほど、それなら納得できますが、何故そのような馬鹿げたことを貴女が許したのか、理由がわかりません。

ですがそのような些事は、今はどうでもいいことです。

それは貴女個人の問題であり、私がとやかく言う必要は無いことですから。」


『上司ならそう言うと思っていましたよ。』


「しかしこれだけは答えてもらいます。

今後貴女は、天使族に課せられた使命を放棄するつもりですか?」


ルヴィスが真剣な声でそう言うと、ガラティアは苦笑いを浮かべながら答えた。


『・・・それができれば一番よかったんですけどね。

今のところは、使命を果たすために最善の方法を取っている、とだけ言っておきましょう。』


「今のところは、ですか・・・では、私たちの敵になるつもりはない、と?」


『それはわかりませんよ。

状況次第では、使命を果たすために元上司と戦うこともやむを得ず、ですからね。』


「そうですか・・・そのときは仕方ありません。

正々堂々正面から叩き潰してあげます。」


『その言葉忘れないでくださいよ。

じゃぁそういうことですから、退職の受理の方はお願いしますね。』


しかしここでルヴィスが、ガラティアの予想を裏切る答えを返してきた。


「とりあえず今回は無期限の休職扱いとしておきます。」


『えーっ!?とっとと受理して私を退職させてくださいよ!』


「退職届は私が預かっておきます。

それとこの件については、私の胸に秘めておきます。

ですから貴女の立場は今まで通りです。

いいですね?」


『私が、戻る気は無い、と言ってもですか?』


「それでもです。」


ルヴィスの声からは、これ以上は絶対に譲る気は無い、という強い意志が感じられる。


そのためガラティアの方が折れた。


『・・・仕方ありませんねぇ、今回はそれで妥協しますよ。』


「そうしなさい。

では次の報告を楽しみにしています。」


すぐに了承するものだと思っていたのだが、急にガラティアが言葉に詰まり、気まずそうな声に変わった。


『っ!?・・・あー・・・』


「どうしましたか?」


『・・・たぶん次は無理そうです。』


「それほど規制が厳しいということですか・・・仕方ありません。

貴女は貴女の思うように最善を尽くしなさい。」


『ちょっと違うんですが・・・まぁできる範囲で適当にやりますよ。

それでは私はこれで。』


「ええ、できることなら次の報告があることを願っています。」


『できればしますよ・・・あっ、そうだ、1つだけ報告するのを忘れていました。』


「何です?」


『・・・実は私、上司とは違う解釈で、新たな可能性を見つけちゃったかもしれません。』


「それはどういう・・・まさかっ!」


ルヴィスは最初、ガラティアの言葉の意味がわからなかったが、すぐにある可能性に気付いた。


『ではでは。』


そんなルヴィスの言葉を待たずに、ガラティアは別れの言葉を口にする。


「待ちなさい、ガラティア!

今のはいったいどういう意味ですか!

答えなさい、ガラティア!」


ルヴィスはガラティアの言葉の意味を問いただそうと呼び止めたのだが、既に念話は切れてしまっていた。


その後、何度もルヴィスから念話をつなげようとしたのだが、ガラティアが応答することはなかった。


「ガラティア、貴女はいったい何を見つけたというのですか・・・」


ガラティアの残した最後の言葉は、大きな謎を残してルヴィスを悩ませるのだった。

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