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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第17章 商い革命
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商国での会談16

そんな周りの雰囲気を察したのか、ガラティアは再び地面に足を付けた。


その瞬間、背中の羽と頭の輪も消えてしまった。


それに合わせて皆も戦闘態勢を解いた。


「まぁぶっちゃけますと、こちらの方がいろいろと私の望む条件に合っていたので、組織から離反しちゃったわけです。」


「なるほど、それが理由の1つだということは理解しました。

しかし、それだけではありませんよね?」


「ええ、他にも理由はありますよ。

でも今は教えられません。」


「それはガラティアさんの個人的な理由からですか?」


「いいえ、違いますよ。

マコト様に口止めされているからです。」


「わかりました、ならば今は聞きません。」


イーリスの答えを聞いて、ガラティアは意外そうな表情になった。


「あれ?ずいぶんあっさりと引き下がりますね。」


「正直なところ興味はあります。

ですがマコト様がそう仰るということは、今の私たちには分不相応だということです。

ただこれだけは教えてください。」


「何ですか?」


「ガラティアさん、最終的に貴女は私たちの味方になるのですか?それとも敵になるのですか?」


このイーリスの質問に、ガラティアは驚きと感心が混ざったような顔で答えた。


「これはまた、核心に非常に近い質問ですね。

そうですねぇ・・・私は貴女たちと自分から敵対するつもりは全くありませんよ。

しかし貴女たちが敵対するというのでしたら、当然私も抵抗します。」


「つまり、中立の立場である、ということですか?」


「そうです。

本来天使というのはそういうものですからね。

まぁ今は雇われの身ですから、雇用主の指示には従いますよ。」


「組織に属している天使族の言葉とは思えませんね。」


「うーん・・・まぁこれは言ってもいいでしょう。

私たち天使族は、別に組織の一員というわけではありませんよ。」


「どういうことですか?」


「組織には組織の、天使には天使の思惑が、それぞれ別にあります。

むしろ私たち天使は、組織がやり過ぎないように監視する立場なんですよ。

今回私があの場にいたのも、組織が世界に影響を与え過ぎないように管理するためでもあったのですからね。

そうでなかったら、とっくの昔に世界は組織が支配して、悲惨な実験場と化してますよ。」


「では天使族は組織の抑止力だと?」


「それも1つの役割、ということです。」


「他にもあるのですか?」


「詳しくはまだ言えませんが、基本的に序列5位までの特級天使には、自由裁量が認められてるんです。

つまり独自での判断で、目的を遂行するために自分たちが最善と思う行動ができる、というわけです。

だから中には組織に協力している天使もいれば、邪魔をしている天使もいるんじゃないですかね。」


「最後は曖昧な答えですけど、そこは秘密ということですか?」


「別に秘密にしているわけではありませんよ。

私も私以外の序列5位以内の天使が何をしているのか知らないだけです。」


「天使間で情報共有されていないということですか?」


「目的は知ってますけど、詳しい過程は知らないってことです。

あっ、目的はまだ答えられないですよ。」


「そういうことなら仕方ありませんね。

しかしそうなると疑問が1つあります。

ガラティアさんは自由裁量が認められているのに、何故上司の方の指示で動いていたのですか?」


「もちろんちゃんとした理由がありますよ。

それは、私が独自に考えて動くと何にもしないからです!」


「つまり、サボってしまう、ということですね。」


「あははははっ、私って昔からダラダラと惰眠を貪るのが大好きなものでして、指示がなければ何もしないんですよ。

そのため私だけ上司からの指示があるんです。

まぁ細かい部分は私の判断で動きますけどね。」


「そうですか・・・今はそれで納得しておきます。」


「そうしてください。

あっ、先程の質問の答えですが、1つだけ補足しておきますね。

マコト様と私は、今は互いの目的が一致しているから協力関係にあります。

でも今後はどうなるかわかりません。

そのまま味方になるかもしれないし、敵になるかもしれませんよ。

そこはマコト様が目的を果たせるかどうかにかかっています。」


「だったら問題ありません。

ガラティアさんは間違いなく味方になります。

これは確定された未来です。」


「私も個人的には、できることならそうあってほしいと思いますよ。」


「そうですか・・・しかしまだ信じられません。」


「何がです?」


「天使族が組織の一員ではなく、抑止力だということがです。

先程私たちが戦った天使は、まさに組織の体制を体現するかのような存在でしたし、完全に協力していましたから。」


これを聞いたガラティアは、途端に不機嫌な顔になった。


「あんなのと一緒にされるのは、正直気分が悪いですね。

とても不愉快です。」


「どういうことですか?

同じ天使族ですよね?

それとも性別が違うと考え方も違うのですか?」


「根本的に間違っています!

そもそも正当な天使族に男はいません!

あいつらは天使を自称していますが、全く別の種族です!」


「ではアレはいったい何なのですか?」


「それは・・・詳しくは答えられません。

ですが私たちはアレを、偽使族(ぎしぞく)、と呼んでいます。

偽使族(ぎしぞく)は私たちを参考に作られていますが、その根源は全く真逆の存在です。」


「真逆の存在、ですか・・・」


この話を聞いたイーリスが考えこむと、ガラティアが少し慌てながらこの話を終わらせた。


「とっ、とにかく、違うったら違うんです!

だからこの話は終わりです!

いいですね!」


「わっ、わかりました。」


「わかればいいのですよ。

さて、私が今答えられるのはこんなところですね。

後はマコト様の許可が下りないことには、何も話せませんよ。」


「今はそれで問題ありません。

お話しいただいてありがとうございました。」


イーリスが同意したのでガラティアはマコトとの話に移った。


「どういたしましてです。

さてと、これで話は終わりですよね、マコト様?

それでは早くお風呂で汗と埃を落とさせてください。

それにこのボロボロの服も着替えたいです。」


「まぁそういう約束だからな。」


「さすがはマコト様です!

元上司とは違い、話がわかりますね!

では早く案内してください!」


「わかった、わかった。」


そう言いながら、マコトはその場でゲートを開いた。


「ちなみに風呂というか、この先にあるのは温泉だが、別に構わないな?」


温泉と聞いて、何故かガラティアの身体が固まった。


「えっ?温泉?」


「もしかして温泉は嫌だったか?

だったら・・・」


「・・・温泉とは、あの温泉ですか?」


「どの温泉のことを言っているのか知らないが、温泉は温泉だ。

一応天然温泉で、源泉かけ流しだが・・・」


マコトから温泉の詳細を聞いて、ガラティアが途端に目を輝かせた。


「天然温泉!源泉かけ流し!

まさに、温泉の中の温泉ではありませんか!

泉質は!効能は!」


「様々な場所の源泉から引いているから、希望があれば変えることも可能だ。

今回は弱炭酸泉に、回復、解毒、老化防止、美肌、緩和、この5つの効能になっている。」


「素晴らしい!

早速行きましょう!

というか、お先に行ってます!」


それだけ言い残し、ガラティアはゲートの中へと駆け込んで行ってしまった。


その後に続いてゲートに入ると、そこはいつもの温泉の脱衣所だった。


ガラティアの姿は脱衣所に無く、脱いだ服だけが奇麗に畳まれて置かれていた。


皆も服を脱いで温泉へと向かうと、そこには既に身体を洗い終え、一糸纏わぬ姿で温泉に浸かっているガラティアがいた。


皆もまずは身体を洗って汗と埃を流してから、温泉へと入った。


「はぁ~・・・私、もう一生ここで暮らしたいですぅ・・・」


ガラティアがだらけていると、そこへマコトが近づいて声をかけてきた。


「気に入ったようで何よりだ。」


お互いに裸同士なのだが、マコトはともかく、ガラティアも気にした様子は無かった。


「もう最高ですよぉ・・・はふぅ~・・・」


「ちなみに明日は弱アルカリ性のなめらかな泉質で、回復、殺菌、美肌、保湿、活性化、この5つの効能になっている。」


「明日も楽しみですぅ・・・ふぁ~・・・」


「更にあっちには、サウナもあるぞ。」


「いいですねぇ・・・ほへぇ~・・・」


「それとこれは事前予約制だが、風呂上がりのマッサージも行っている。

ただ先に言っておくが、マッサージをするのは俺だ。」


「それもいいですねぇ・・・まさに至れり尽くせりじゃないですかぁ・・・ふぃ~・・・あっ、私も予約お願いしますぅ・・・」


「後で事前予約者全員のくじ引きによる抽選があるから、参加して当ててくれ。」


「わかりましたぁ・・・はへぇ~・・・」


そこへイーリスも近づいてきて、ガラティアに質問してきた。


「ところでガラティアさん、先程聞くのを忘れていたのですが、どうして服がボロボロだったのですか?」


「ああ、あれですかぁ・・・雇用前に採用試験があったからですよぉ・・・ふひぃ~・・・」


「採用試験?

それはマコト様やメイドの皆さんと模擬戦を行った、ということですか?」


「そうですよぉ・・・大変だったんですからねぇ・・・ふはぁ~・・・」


ガラティアは温泉でだらけながら、そのときのことを思い出していた。




それはバカ王子の指示で謁見の間を出た後のことである。


ガラティアは迷わず長距離魔導砲へと向かった。


そのまま中に入り、発射装置がある部屋に待機している砲撃担当者たちへ発射の指示を伝えようとしたのだが、様子がおかしいことに気付く。


何故か砲撃担当者が1人もいないのだ。


しばらく長距離魔導砲の中や周囲を探してみたが、どこにも見当たらなかった。


この異常事態に、ガラティアは長距離魔導砲の発射装置の前で冷静に状況を確認していた。


「どういうことでしょうか?

確か事前の話では5名の砲撃手が待機していて、いつでも発射可能だったはずです。

しかし少し前までいた気配はするのに、移動した痕跡が全くありません。」


そんな独り言を言っていると、一瞬で周囲の気配が変わった。


「なっ、何ですか!」


慌てて長距離魔導砲から出ると、そこは先程までとは違い、何も無い広大な空間だった。


「ここは、いったい・・・」


ガラティアが警戒しながら周囲を見回していると、突然背後から声をかけられた。


「失礼ですが、貴女には異空間へ強制移動していただきました。」


そう言って現れたのは、先程謁見の間に乱入してきたメイドと、各国の代表者に付き従っていたメイドたちだった。


すぐにガラティアは口調を戻した。


「なっ、何ですか、貴女たちは。」


これに対して、代表してシルフィナが応対した。


「メイドです。」


「めっ、メイド、ですか?」


「ええ、メイドです。」


「わっ、私をどうするつもりですか。」


「こちらから何かをするつもりはありません。

ただ貴女の今後の行動は制限させていただきます。」


「どっ、どうして私が・・・」


「それは貴女が一番よくわかっているのではありませんか?」


「なっ、何のことですか?」


「そろそろそのとぼけた演技を止めたらどうです。」


「べっ、別に演技なんかしてません。」


「そうですか・・・そちらがそのつもりでしたら、こちらにも考えがあります。

ねえ、天使族序列第4位、特級天使のガラティアさん。」


この言葉で、ガラティアの口調が本来のものに変わった。


「・・・貴女に自己紹介をした覚えはないんですけど、何で私のことを知ってるんですか?」


「さあ、何ででしょうかね。」


「ふーん、とぼけるんですね・・・まあいいですけど。

それで、私に何の用ですか?」


「単刀直入に言いますが、ガラティアさんを引き抜きに来ました。」


「引き抜き、ですか?」


「そうです。」


「それはつまり、組織を裏切って貴女たちの仲間になれ、ということですか?」


ガラティアが警戒しながら答えると、シルフィナが突然笑い出した。


「ふふふっ、裏切る、ですか・・・面白いことを言いますね。」


そんなシルフィナに、ガラティアが少し不愉快な表情で文句を口にする。


「何が可笑しいのですか?」


すぐにシルフィナは笑うのを止め謝罪した。


「これは失礼しました。

いえ、組織の一員でもないガラティアさんが組織を裏切ると言ったので、つい。

ですが心にもないこととはいえガラティアさんがそう仰るのでしたら、そういうことにしておきましょう。」


シルフィナの言葉に、ガラティアは更に警戒を強めながら、探るように質問してきた。


「・・・貴女、どこまで知っているのですか?」


シルフィナは少し考えるそぶりを見せてから、ガラティアに今一番効果があると思われる答えを返した。


「そうですね・・・貴女たちが置かれている状況、その全てを知っている、と言ったら?

例えば、探しものの無二、のこととか。」


その狙いは的中し、ガラティアは一瞬動揺を見せる。


「っ!?・・・そう・・・貴女、いったい何者です?」


しかしすぐに平静を取り戻し、正面からシルフィナの正体を問い詰めてきた。


「おや、私の言葉を信じるのですか?」


「それは組織にも知る者がいない、唯一知っているのは私たち特級天使だけです。

ただのメイドが知っているわけがありません。

となれば、その正体が大いに気になるのは当然ですよ。」


「そういえばそうでしたね。

では自己紹介させていただきます。

私の名は、シルフィナ、と申します。

以後よろしくお願いします。」


シルフィナの名前を聞いてガラティアは少し考えると、ある人物の顔が思い浮かんだ。


「シルフィナ?・・・どこかで聞いたような・・・はっ!」


「思い出しましたか?」


「ええ・・・確か、序列第3位の特級天使が地上で使っているコードネームが、シルフィナ、だったはずです。

まさか貴女は、あの方と何かつながりがあるのですか?」


「正解です。

ちなみに私の母です。」


あっさり答えるシルフィナだったが、この答えを聞いたガラティアは顔をしかめている。


「あの方の娘?・・・それにしては全然似てませんね。

そもそもあの方が娘を産むとは思えないのですが・・・本当、ですか?」


どうやらガラティアは疑っているようだ。


しかしシルフィナは肯定を続ける。


「本当ですよ。

間違いなく母は私を出産しました。

それは間違いのない事実です。」


「そうですか・・・では貴女も天使なのですね。」


とりあえずシルフィナの言い分を受け入れたガラティアが、同族であると考えるのは自然の流れだろう。


だがシルフィナは、これを否定した。


「いいえ、私は天使ではありません。」


新たな疑問が生まれ、再びガラティアがシルフィナに怪訝そうな目を向けた。


「ん?・・・ですがあの方の娘なのですよね?」


「そうです。」


「となるとおかしい話ですね。

私たち天使が産めるのは女性の天使だけです。

それは相手の男性の種族が何であろうと絶対に変わらない、この世の理です。

そもそも天使が妊娠する確率は、今の世では非常に低いはずです。

貴女、本当にあの方の娘なのですか?」


ガラティアは正面からシルフィナの目を見据えた。


「信じようが信じまいがガラティアさんの自由です。

しかし私が母の娘であることは揺るぎない事実です。」


それを真っすぐ見つめ返してくる迷いのないシルフィナの目を見て、ガラティアが視線を外した。


「・・・いいでしょう。

今はそれで納得しておきます。

話を戻しますが、つまり貴女が私を勧誘するのは、あの方の指示、ということですね?」


娘であれば、当然その母親からの指示だと考えるのが当然だろう。


だがシルフィナはガラティアの言葉をまたも否定する。


「いいえ、違います。

今回母は一切関係ありません。」


「では誰の指示なのですか。

まさか組織の指示、などと言うつもりはありませんよね?」


「もちろんです。

私たちは組織と敵対しているのですから、それは絶対にありません。

つまり、どこにも属さない第3勢力、そう考えてください。」


ガラティアは思いもよらない新たな勢力の登場に、とりあえず話を聞きながら情報収集することにした。


「第3勢力ですか・・・それで、引き抜いて私に何をさせるつもりなのですか?」


「私たちが貴女に求めるのは3つです。

1つ目は情報提供。

2つ目は訓練相手。

3つ目は私たちの目的への協力です。」


シルフィナからの要求に、ガラティアは1つ1つ確認していく。


「1つ目は当然の要求ですね。

これはどのような情報をどこまで提供すればいいのですか?」


「内容はガラティアさんにお任せします。

ただ必要であればこちらからも質問させていただきます。

その際に答えたくないことであれば答える必要はありませんが、知っていることであれば教えていただけると助かります。

もちろん強制するつもりはありませんので、ご安心ください。」


「私が嘘を言うかもしれませんよ?」


「ご自由にどうぞ。

ですが、これだけは事前にお伝えしておきます。

もし精査した結果、偽りの情報だったと判断された場合は、相応の罰則を受けていただくことになりますので、それだけはお忘れなく。」


「罰則ですか・・・まぁそれくらいは当然ですね。

では、次の2つ目はどういうことですか?」


「そのままの意味です。

私たちは弟子の育成も行っていますので、ちょうどガラティアさんくらいの実力者を探していたところなのです。」


「・・・まぁそれくらいなら問題なさそうですね。」


「それともしこのお話を受けていただけるのでしたら、ガラティアさんも今より更に強くなれますよ。

それは保証します。」


「それは少し胡散臭いですが、まぁいいでしょう。

では最後に3つ目ですが、これは詳しい内容を聞かないことには判断できないですね。

一応聞きますが、貴女たちの目的は何ですか?」


「私たちの目的もガラティアさんたちと同じ方向を向いています、とだけ言っておきます。

ただ方法や結果は違うかもしれませんし、私たちの最終的な目的は、その更に先にあります。

今お話しできるのはこれくらいですね。」


「そうですか・・・正直なところ、これだけでは判断材料が少し不足していますね。」


「ではどうされますか?

もし私たちと敵対されるということでしたら、ガラティアさんにはしばらく退場していただくことになりますよ。」


「そう慌てないでください。

判断材料が不足しているのでしたら、これから足せばいいのですよ。」


「何かいい方法があるのですか?」


「ええ、ありますよ。」


そう言ってガラティアが手を開いてシルフィナに向かって突き出すと、そこに白と黒の受け皿が付いた古ぼけた天秤が現れた。


すぐにシルフィナはそれが何なのかわかったようだ。


「なるほど、真偽の天秤、ですか。」


「やはり知っているのですね。

だったらこれから私が、これを使って何をしようとしているのかもわかっていますよね?」


「ええ、私のこれまでの言葉が真実か虚偽か、その真偽の天秤を使って判断する、というわけですね。」


「そうです。

わかっているとは思いますが、もし虚偽があった場合、貴女は神罰を受けることになります。

それでも真偽の天秤の判決を受けますか?」


「問題ありません。

お好きなようにどうぞ。」


「いいでしょう。

では汝シルフィナに問います。

これまでの私に対する貴女の言葉の中に、虚偽が一切無かったと誓いますか?」


ガラティアは天秤を手に持って、シルフィナの目の前に差し出しながらそう問いかけた。


これに対してシルフィナは、迷い無く答える。


「はい、嘘は一切ありません。

全て真実であったと誓います。」


そのシルフィナの答えに、真偽の天秤は、微動だにせず何も反応しなかった。


しばらく待ったものの、それは変わらなかった。


そしてそこまで時間をおいてから、ようやくガラティアが口を開いた。


「・・・どうやら全て真実であったことは間違いないようです。

真偽の天秤の判決に従い、私もこの結果を受け入れます。」


「ありがとうございます。

では、引き抜きの件、受けていただけるということでよろしいですか?」


「・・・いいでしょう。

ただこちらからも譲れない条件がいくつかありますので、それらを全て受け入れてもらえるならになります。

事前に事情を知っている貴女なら問題無いと思いますが、それについては大丈夫ですよね?」


「もちろん問題ありません。

ガラティアさんの提示する条件を全て受け入れる準備がこちらにはあります。」


「それを聞いて安心しました。」


「ではこれにて面接を終わりにします。

細かい条件については、採用が決まってからになります。」


「わかりました、これからよろしくお願い・・・ん?」


油断をしていたガラティアは、最後シルフィナの口から出た思わぬ言葉に途中で気付き、疑問を浮かべた顔で一瞬考えこんで固まってしまったのだった。

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