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無双するご主人様のハーレム事情  作者: 不利位打夢
第17章 商い革命
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商国での会談13

場所は変わり、残る敵は中級天使を残すのみとなっていた。


今戦っているのは3番目のマリスで、既にランとティリアは自分の順番を終えて見学している。


しかし自ら希望して大天使と戦ったというのに、2人の表情からは不満がにじみ出ていた。


ちなみにこれまでの戦いの内容は、ランが終始大天使を圧倒して、最後は右腕を切断して消滅させた。


ティリアも終始大天使を圧倒して、最後は左腕を切断して消滅させた。


そしてマリスも、交代してから終始大天使を圧倒しており、何もさせずに一方的な展開だ。


そんな中、今の状況に少し余裕が出てきたのか、ククリがランへと話しかけてきた。


「ラン、貴女たちは戦いが終わる少し前からずっと不機嫌だけど、何がそんなに気に入らないの?」


「・・・不快にさせてしまったのでしたらすみません。」


ランは何故か申し訳なさそうに謝罪するだけで、理由までは教えてくれなかった。


そこでククリの方から一歩踏み込んでみた。


「そんなことは無いのだけど、戦う前と比べて、あまりにも差があったから少し気になったの。

差し支えなければ理由を教えてもらえない?」


特にそこまで隠す気は無かったらしく、ランはすぐに理由を教えてくれた。


「そうですか。

実は・・・あまりの不甲斐なさに、少々頭にきてしまったのです。」


このランの答えに、ククリは驚きの声を上げた。


「えっ?不甲斐ない?

最初から最後まで、ランたちが圧倒的な力で優位に戦ってたと思ったけど、実は違うの?」


ククリの目には、ランもティリアも、そして今戦っているマリスも、大天使をものともせずに戦っているように見える。


むしろ倒さないように手加減しているとさえ感じたほどだ。


そのためランが先程の戦いで、何か決定的なミスをしてしまったかのように言ったことが信じられなかったのだ。


しかしランの言葉の意味は、ククリの解釈とは真逆のものだった。


「そうではありません。

あの中級天使が、あまりにも期待外れの強さ、つまり弱かったので、完全に消化不良なのです!」


「へっ?・・・弱い?・・・あの大天使が?」


確かに3人との戦いだけを見れば、大天使が一方的にやられているだけなので、そう思う者がほとんどだろう。


だがこの評価は3人が強すぎるだけで、ククリから見れば大天使は遥か格上だ。


今の自分の力ではどう足掻いても勝てない相手を、こうも簡単に弱いと言い切れるランの強さが、実際に目にした後でもいまだに信じられないからこそ出た疑問である。


そんなククリの考えには一切気付かず、ランは話を続ける。


「だってそうではありませんか!

何の技も使わず身体能力のみで、ただ突っ込んできては力任せに攻撃してくるだけなのですよ!

あんなのは敵と言いません!

ただの動く的です!」


「いやいやいや、その身体能力が異常なまでに突出しているじゃない!

普通はあのスピードに反応できないし、攻撃時のパワーに防御しても弾かれてしまうはずよ!

それをランたちは、簡単に避けて後ろを取ったり、軽く攻撃を防いだり、逆に当たり前のようにカウンターを合わせたり、どう見てもそっちの方が異常よ!」


一般的にはククリの方が正常なのだろう。


しかしランは、更に斜め上を行っていた。


「何を言っているのですか、ククリ!

普通は避けたと思ったら攻撃が当たってたり、後ろを取ったと思ったら逆に後ろを取られるものです!

そして攻撃を防ぐなどという愚行を犯せば、防御ごと吹き飛ばされるか、防御の上からダメージを受けてしまうのですよ!

カウンターなどは、相打ち覚悟でも必ず自分に返ってくる悪手です!

攻撃においても、当たったかと思ったら逆に自分がダメージを受けてしまうことがほとんどではありませんか!」


このズレたランの答えに、ククリは理解が追い付かなかった。


「ちょっ、ちょっと待って、ラン・・・私は貴女が何を言っているのか全くわからないわ。

どう考えてもそんなの普通ではありえないわよ。」


「そうなのですか?

私は普段訓練で起こっていることを、そのまま説明しているだけですよ。」


「訓練でって・・・ラン、貴女普段からいったい何を相手に訓練しているの?」


「何をって、失礼ですよ、ククリ。

ちゃんと私たちと同じ人ですよ。」


「本当に?」


「本当ですよ。

ただ・・・」


「ただ?」


「・・・全く力の底が見えない方たちであることは否定しません。

そんな方たちと、ほぼ毎日模擬戦を行っているだけです。

ちなみに何人かの方は、私たち全員を同時に相手しても、軽く圧倒できるだけの力をお持ちです。」


「それって本当に人なの?

どう考えても、この世ならざるもの、化物としか思えないのだけど?」


「まぁそれは否定しません。

むしろ私たちの最終目標は、その化物になりたいのですから。」


「それはつまり、ランの愛する男性も、その領域にいる、ということね?」


「正確には違います。

あの方は更にその遥か上にいます。

ですが今の私たちの力では、まだあの方の背中すら全く見えていません。

やっと足跡を辿っている程度です。

いつか私たちは、あの方の背中に追いつき、その隣に並び立てるよう、日々努力を続けているのですよ。」


「なるほど、今のランたちの強さは、その強い想いからなのね・・・愛の力は偉大だわ。」


「まぁそれも否定しませんが、それだけではありません。

効率的な訓練、美味しくて栄養満点の食事、快適な生活、全てにおいて最適な環境が揃っていてこそです。

ですからククリ、貴女が彼女と再び再会できる日も、そう遠くはないはずです。」


「そうなれるように、最大限の努力をするつもりよ。

でもその前に、今は目の前の問題を片付けるのが先ね。

確かにランたちが圧倒してはいたけど、本当にあの大天使とやらを倒すことができるの?」


ククリがそう言って、マリスと大天使の戦いへ視線を戻すと、ちょうど戦いに区切りが訪れていた。


マリスが大天使の両足を蹴りで切断したところだったからだ。


更にマリスは大天使の腹を蹴って遠くへ吹き飛ばして距離を取り、残った両足を純度を高めた魔力で消滅させた。


そしてそのまま、先に戦った2人と同様に、不機嫌そうに戻ってきた。


そんなマリスをイーリスが出迎えた。


「お疲れ様、マリス。」


「それは皮肉か、イーリス?

あの程度の相手に、私が疲れるわけないだろう。」


「別にそんなつもりは無いわ。

でもこれは一応訓練なのよ。

今回は実戦で訓練通りの力が出せるか、そのために中級天使の四肢の切断と消滅が課題だったでしょ。

そしてマリスは与えられた課題をクリアしたのだから、そんな不機嫌な顔しないで、もっと喜びなさい。

ただ実戦にしては、安全マージンが大きくとられていたことは否定しないけど。」


「私だってそれはわかっている。

あいつが私たちを心配して、確実に勝てるようになってから実戦に参加させたということくらいな。

だが中級天使と聞いて期待していたのに、正直ガッカリだ。

これでは下級天使の方も期待できないだろうな。

もしかしてゴーレムの方がましだったのではないか?」


「それだけマリスや(わたくし)たちが強くなったということよ。

少し前の(わたくし)たちでは考えられない、とても贅沢な悩みね。」


「まったくだ。

上級や最上級の天使なら、きっとこんなことを考える余裕などないのだろうな・・・

ところでイーリス、後は任せて本当に大丈夫なんだな?」


「ええ、問題無いわ。」


「だが天使には神力が全く効かないのだろう?

もしかして魔力を借りて戦うつもりなのか?」


「いいえ、魔力は使わないわ。

今の(わたくし)では、魔力の純度を70%以上にすることはできないもの。

精々出来て50%といったところね。

それにそれでは自分の力ではないのだから、訓練にならないわ。」


「魔力を持っていないに、そこまで純度を上げられるだけでも十分すごいと思うがな。

ではどうするつもりだ?」


「もちろん考えはあるわ。

それに(わたくし)だけは、皆とは違う課題を与えられているの。」


「違う課題?」


「天使に神力が無力だということは、最初からわかっていたことよ。

だから今回私(わたくし)だけは、1つだけ制限を除いてもらえたの。」


「どういうことだ?」


「それは見てのお楽しみよ。」


それ以上はいくら聞いても今は答えてくれないと思い、マリスは早々に話を変えた。


「まぁイーリスがそこまで自信満々に言うのだから、心配する必要は無いのだろうな。

だが油断だけはするなよ。

これまで私たち3人で相当追い詰めたから、いつ卑怯な手を使ってくるかわからないからな。」


「まさかマリスに助言されるなんて、貴女も成長したわね。」


「ふざけるな、これは実戦だぞ。」


「別にふざけていないわ、本当に感心しているのよ。」


「ならいいが・・・」


普段イーリスが言わないようなことを口にしたので、マリスは若干の不安を抱いる。


そんなマリスに何か言われる前に、イーリスはその場を離れて戦闘を開始することにした。


「じゃぁそろそろ行ってくるわ。

よそ見せずに、しっかりとその目で見てなさい。

今の(わたくし)の本当の力をね。」


「ああ、見させてもらうぞ。」


そのままイーリスは、大天使が吹き飛ばされ方向へと歩いて行った。


それと同時に、大天使が怒りの形相で飛んで戻ってきた。


更にいつの間にか切断されたはずの両腕と両足が再生している。


大天使はイーリスから少し離れた場所で止まると、少しだけ冷静さを取り戻して警告を発した。


「今すぐそこを退くのですのん。

お前の相手は後回しですのん。

ポクチンは先にそっちの3人を叩きのめすんですのん。」


当然イーリスが退くことは無かった。


「残念だけど時間切れよ。

今から(わたくし)が、お前の相手よ。」


それを聞いて大天使の表情が僅かに引きつったが、まだ警告するだけに止めた。


「もう一度だけ言うですのん。

・・・ハイエルフごときが出しゃばるな、と言っているのですのん。

理解したなら、おとなしく待ってろですのん。」


最終警告と言わんばかりの大天使の表情だったが、イーリスの答えは変わらず、更なる挑発をしてきた。


「たかが中級天使ごときが、ずいぶんと大きな口を叩くのね。

でもそのハイエルフに、今からお前は手も足も出せずに消滅させられるのよ。

どうしてもあっちの3人と戦いたかったら、まずは(わたくし)を倒してからにしなさい。

それとも中級天使様は、ハイエルフごときに恐れをなして逃げるのかしら?」


この言葉で、大天使の標的がイーリスへ変わった。


「そんなに言うなら・・・ポクチンの真の恐ろしさを思い知らせてやるんですのん!」


すると大天使の身体が突然倍ほどに肥大し、白かった肌の色が灰色へと変色した。


だがその姿を見てもイーリスは表情一つ変えず、返事の代わりに両手に銃を構えた。


『御託はいいからかかってこい』と言わんばかりの姿に、大天使は再び怒りの形相でイーリスへと突っ込んだ。


そんな大天使へ向けて、まずは挨拶代わりに1発、イーリスは神力を込めた弾丸を放った。


しかし大天使は避けず、正面から被弾した。


当然神力が全く効かない大天使の勢いは止まらず、そのまま突っ込んできたのだが、イーリスは表情一つ変えずにその突進を躱した。


そしてすれ違いざまにもう1発、今度は神王力を込めた弾丸を放ち、大天使の背中に命中した。


それも効果は無く、大天使は平然とイーリスの方へ振り返った。


更にそこへ全力で神神力を込めた弾丸を放ったが、大天使は全く意に介さない。


先程までの3人とは違って、イーリスの攻撃が全く効果がないことを見せつけると、大天使に余裕が出てきた。


「無駄無駄無駄ですのん!

ポクチンの身体には、どれだけ強化しようと、神力は一切通じないですのん!

何故ならポクチンたち天使の身体に触れた瞬間、神力は無害化されてしまうのですのん!

だからハイエルフの抵抗は、ポクチンたち天使には、一切何の効果も無いですのん!

馬鹿なハイエルフに優しいポクチンが現実を教えてやるですのん!」


すると、それを聞いたイーリスが、再度大天使へと銃口を向けた。


「無害化される、ということは、神力が効かないわけではないようね。

だったらこれならどうかしら。」


イーリスは銃に力を込めると、1発の弾丸を放った。


当然大天使はこれまでの経験から、イーリスの攻撃には効果が全く無いと判断し、避けずにその場から動かなかった。


「無駄ですのん・・・」


弾丸は余裕の表情を浮かべていた顔の横を通り過ぎてしまったのだが、その瞬間、大天使の表情が苦痛に歪んだ。


「・・・うびょ?・・・ぐぎゃーーーーーっ!」


何故なら大天使の左耳が、イーリスの放った弾丸によって打ち抜かれ、根元から消滅してしまったからだ。


「どうかしら、これまで無害だと思っていた神力で傷つけられた気分は?」


すぐに苦悶と困惑の表情を浮かべた大天使が、それをやったイーリスを睨みつけてきた。


「お前ぇ・・・いったいポクチンに何をしたんだのん!」


イーリスは呆れながらも、同じ答えを繰り返した。


「はぁ・・・これだから馬鹿の相手は疲れるわ。

今言ったでしょ、神力だって。」


しかし大天使は頑なに認めようとしない。


「そんなことあるはずがないんだのん!

ポクチンに神力は効かないはずなんだのん!」


大天使は神力に対する完全な防御に絶対の自信を持っているようだ。


そんな大天使の神力に対する防御の穴を、イーリスが暴いてみせた。


「自分で言っておいてもう忘れたのかしら。

お前はさっき、自分に神力が効かないのは身体に触れた瞬間に無害化されるから、そう言ってたじゃない。

だったら答えは簡単よ。

無害化されない神力で攻撃を当てればいいだけ。

その証拠に、お前の左耳は消滅したわ。」


「嘘をつくんじゃないんだのん!

そんな神力は存在するわけが無いんだのん!」


「そんなの当り前じゃない。」


「白状したんだのん!

だったら何をやったのか、正直に言うんだのん!」


「そんなの簡単よ。

普通に存在していないなら、そうなるように変えればいいだけよ。」


このイーリスの説明を、大天使は全く信じなかった。


「・・・はぁ?変えた?・・・そんなことできるわけが無いんだのん!

ポクチンを騙そうとしたって、そうはいかないんだのん!

さっさと本当のことを白状するんだのん!」


「別に嘘は言ってないけど、お前がどう思おうと勝手よ。

そもそも(わたくし)が答える必要など無いのだから。

というわけだから、お喋りは終わりよ。

ここからは自分が何をされてるのかわからないまま、ただ消滅していきなさい。」


それだけ言うと、イーリスは口を閉ざしてしまい、両手に構えた銃を連射しはじめた。


大天使は必死に避けようとしたが、弾丸は必ずどこかに当たり、少しずつ身体が削られるように消滅していった。


数分後、大天使の身体は首から上を残して全て消滅していた。


その残っている首から上も、ところどころに弾丸が当たっていて、いくつもの穴が開いている。


最早生きているのが不思議なくらいだ。


ここでようやくイーリスが、再び口を開いた。


「最後に言い残すことはあるかしら?」


「・・・絶対に・・・お前のことは・・・許さない・・・んだのん・・・」


「どうぞご自由に。」


「・・・今の内・・・優越感に・・・浸ってるといい・・・んだのん・・・」


「どうするつもりかしら?」


「・・・お前は・・・ポクチンが・・・最初に・・・母体に・・・してやる・・・んだのん・・・」


「無理ね。

だってお前はここで消滅するのだから。」


「・・・ふっ・・・ふははははっ・・・ポクチンを・・・消滅させることは・・・不可能・・・だのん・・・」


「どうしてそう思うのかしら?」


「・・・例え・・・身体が・・・消滅・・・しても・・・ポクチンたち・・・天使の・・・魂は・・・帰還・・・する・・・んだのん・・・」


「それで?」


「・・・そして・・・いつか・・・新しい・・・身体で・・・お前を・・・必ず・・・捕まえて・・・やる・・・んだのん・・・」


「精々頑張ることね。」


「・・・これから・・・いつ襲われるか・・・わからない・・・恐怖に・・・怯えるが・・・いい・・・んだのん・・・」


「はいはい、ご苦労様。

それで終わり?

だったら最後に言っておくけど、(わたくし)が消滅させるのは身体だけではないわ。

当然お前の魂も含めて消滅させるに決まってるじゃない。

だからお前とはここで一生お別れよ。」


「・・・ばっ・・・馬鹿な・・・そんなこと・・・できるはず・・・ない・・・んだのん・・・」


「お前こそ馬鹿ね。

天使の身体に効かないはずの神力が効いたのよ。

その対象を魂に広げることくらい、今の(わたくし)には造作もないのよ。」


「・・・むっ・・・無理に・・・決まってる・・・んだのん・・・」


「よく思い出してみなさいよ。

そもそも痛覚が無いはずの中級天使が、どうしてそんなに痛がっているのかしら?

最初の3人には四肢を切断されても、一言も悲鳴すら上げなかったお前が。

それにどうして身体が再生しないのか、何も疑問に思わなかったの?」


「・・・まっ・・・まさか・・・全部・・・お前の・・・仕業・・・かのん・・・」


「そうよ。

弾丸を打ち込む度に、疑似的に痛覚だけを感じる神経を構築したわ。

ついでに再生を阻害するようにね。

そうやってお前に痛みというものを覚えさせ、慣れさせたのよ。

そして今まで身体だけを削ってきたのは、お前に本当の死の恐怖を最大限に感じさせるためでもあるのだから。

その証拠に・・・」


イーリスは銃口を大天使に向けて、1発だけ弾丸を発射して頭をかすめた。


すると大天使は、それまでで一番大きな絶叫を発した。


「あぎゃーーーーーーーーーーっ!」


どうやら身体と魂の両方を同時に傷付けられ、これまでとは比較にならない痛みを感じたようだ。


「ほらっ、これで信じたでしょ?」


笑顔でそう言ったイーリスの顔が、このときの大天使には恐怖の象徴と映ったようだ。


「・・・そっ・・・そんな・・・ことが・・・止めろ・・・止めて・・・助けて・・・ほしい・・・んだのん・・・」


徐々に心が折れていき、とうとう命乞いをはじめた。


そんな大天使に、イーリスは無情な死の宣告を告げる。


「いいえ、お前はここで消えるのよ。」


「・・・まだ・・・死にたく・・・ない・・・んだのん・・・」


「そう言った相手を、お前は今まで何人殺してきたのかしら?

今回これまでの付けが回ってきた、完全にお前の自業自得よ。」


「・・・ぽっ・・・ポクチンは・・・いずれ・・・上級や・・・最上級の・・・天使に・・・なる・・・んだのん・・・」


「あっそ。」


「・・・こっ・・・こんな・・・ところで・・・」


「その腐った声はもう聴きたくないわ。」


イーリスが両手の銃の銃口を大天使に向けたそのとき、突然手元が激しい光に包まれた。


すぐに光が収まると、イーリスの両手には、2つの引き金が付いた、長い銃身と大口径に変化した、巨大な1丁の銃が握られていた。


「ありがとう・・・さようなら。」


最後にそれだけ口にし、イーリスは2つの引き金を同時に引く。


「・・・ポク、チン・・・が・・・」


大天使の言葉は最後まで言い終わる前に、イーリスの銃口から放たれた圧倒的な破壊力を持った1発の弾丸によって、跡形も無くその全てを消滅させた。


残ったのは、大天使の首から上があった場所にできた、弾丸による破壊の跡だけだった。

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