1/3
プロローグ ─二度目の入学式─
初めまして。
ワサビが入っていた餅を食べさせられ、悶絶しました、和茶味餅です。
季節は春。
ぽかぽかとした陽気に包まれ、街などでは桜が咲き誇っているだろう。
でも、今俺が向かおうとしている場所への道には、春を感じさせるようなものは一つも無い。
視界に入るのは、空の青、アスファルトの黒、雲とガードレールの白、それくらいだ。
今日、初めて着た、新しい制服に身を包み、一人その道を進んでゆく。
「っと、着いたな。」
まだちらほらとしか人を見かけないが、目的地に辿り着いた。
そこは、他のものとはまた違ったオーラを放つ校舎が建っていて、校門には、
『軍事教育施設 竜虎学園』
と、なんとも物騒な名前が書いてあった。
そう、俺は今から──
──2日連続となる入学式に出ることになった。