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スライム職人のマッドパペット  作者: ルイエフラ
9/15

Aランクパーティ誕生と魔族の少女

ーーーリューカ視点ーーー



俺はシュラムアを見てもらう為、教会にきていた。


教会では、無償で治療などをしてもらえるのだ。


「シュラムアさんは、魔力枯渇のようです。目が覚めたら、魔力回復薬を飲ませてあげると、楽になるでしょう」

「ありがとうございます」

「はい。お気をつけて...」


ーガチャ




宿をとるため、町を歩いていると、ギルド職員に声をかけられた。


「すいません。リューカさんとシュラムアさんでよろしいでしょうか?」

「はい。そうですが...」

「ギルドマスターがお呼びでございます」

「あ、ああ、分かりました...」

「どうぞこちらへ」


「...ん?」


漸くシュラムアが目を覚ましたようだ。


「シュラムア、気がついたか」

「う、うん。...ここは?」

「フェアルに戻って来たんだ」

「私、気を失っていたんだね」

「ああ。今からギルドに行くけど、シュラムアも行くかい?」

「うん」


「どうぞ、リューカさん、シュラムアさん」


「はい」




〇〇〇




俺達は、ギルマスの部屋に案内された。


「ようこそ、ギルドへ。改めて、俺がギルドマスターの、ゲイデルだ」

「「どうも」」

「テンペストペンリルの件については、とても感謝している」

「「テンペストペンリル?」」

「し、知らなかったのか?」

「ああ、確かに言っていたかも知れませんね」

「とにかく、Eランクパーティであるにも関わらず、君達は、Aランクのテンペストペンリルを倒したんだ。そこで、そのまま君達をEランクにしておくのは勿体ないということで、君達をAランクに昇格させることになった」

「「Aランク!?」」

「ああ、その通りだ。Aランクの方が、こちらにしても、何かと都合が良いのでな」

「「はぁ...」」

「では、これからも頑張りたまえ、Aランクパーティ『ボルボロス』よ」

「「......」」


ーガチャ


「強引に話しが進められた気がするね」

「確認もせずにいきなり...」


「「はぁ...」」


一気に疲れる俺達だった。




〇〇〇




ーーーゲイデル視点ーーー



新たにAランクパーティが誕生した。

そして、『鷹の目』も、もうすぐAランク昇格試験だ。

これでフェアルは、Aランクパーティを二つも抱え込む事になる。

俺の発言力も増すことだろう。

さらにたくさんの人が来るようになり、冒険者も増えていく事だろう。

そして才能を持つ冒険者がAランクへと成長し、さらに人が増え...。


「ぐひぃひぃひぃひぃ」

「どうしたんです、ギルマス?」

「いや、何でもない。...職員達よ、今夜は俺のおごりだぁぁああ!」


「「「イエェェェイ!」」」


ハッハッハッ!


これからが楽しみだぜ!




そんな矢先の事だった。



「あ、Aランクの件、ありがとうございました。俺達、他の町に行きたいと思います。残りのテンペストペンリルの素材はそちらでどうぞ」

「それではゲイデルさん...」


「「さようなら」」


「え...」


え、何で?

『ボルボロス』行っちゃった...。


Aランク、増殖計画が...。

俺の夢がぁぁぁぁぁああ!




〇〇〇




ーーーシュラムア視点ーーー



私達は夜空の下、ワイバーン(スライム製)に乗って町を探していた。


しかし、急に突風が吹いてきた。


ーヒュゥゥゥゥゥゥゥゥン!


「うわぁ!」

「何!?」


そのまま、風の勢いに逆らえず、どこかへ吹き飛ばされてしまった。




〇〇〇




目覚めるのは森の中。


「う、うう」


「リューカ?」


リューカがいない。


「リューカ!?」




「シュラムア!」


リューカの声がした。


「シュラムア」

「リューカ」


どうやら近くにいたようだ。


薄暗い森の中で、遠くに明かりが見えた。


「リューカ、あれ」

「だ、誰かいるのかもしれない」

「行ってみよう」


私達は明かりの見える方に進んで行った。




〇〇〇




「たき火?」


だいぶ明かりに近づいてきた。

その明かりは、どうやらたき火のようだった。


たき火のすぐ側まで行くと何かがいた。


「女の子?」


水色の髪の美少女がいた。


だがその頭には、人間には付いていない物があった。


「つ、角? まさか、魔族!?」

「魔族?」


その少女には、牛のような角が生えていた。


「...う、う...ん?」


少女が目を開く。


「だ、誰ですか?」


少し怯えているようだ。


「そこまで悪い子じゃないみたいだよ」

「で、でも」

「君、こんな所で何してるの?」

「ひっ! ご、ごめんなさい! ど、どうかお許し下さい!」

「べ、別に悪いことはしないから」

「や、やめて下さい」

「安心して、私達は何もしないよ?」

「......本当ですか?」

「私、シュラムア。こっちはリューカ。あなたの名前は何て言うの?」

「あ、えと...シ、シーラです..」

「シシーラちゃんって言うの?」

「いや、ごめんなさい。シーラです」

「シーラちゃんね...」

「は、はい。...あの、魔族とかって怖くないんですか?」

「別に大丈夫だけど」

「そうなんですか」


魔族なのを気にしているようだ。

人間とは仲良く無いのだろうか...。


「シーラちゃんは、こんな所でどうしたの?」

「わ、私、逃げて来たんです...」

「逃げて来た? 何から?」

「......」

「あ、話したくないなら、無理には聞かないよ」

「あ、ありがとうございます」


「(俺だけ仲間外れ...)」リューカは心の中でそう思った。


「シーラちゃん、もし、これから何も予定が無いなら、私達と一緒に来ない?」

「え? い、良いんですか?」

「うん。大歓迎だよ」

「あ、ありがとうございます。宜しくお願いします!」

「宜しくシーラちゃん」

「よ、宜しくシーラさん」


漸くリューカが口を開いた。



どこかへ飛ばされてきた私達は、新しい仲間と共に、冒険を始めるのだった。




謎の場所に来ました。行き方はちょっと強引かな...

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