行方不明
先生ですら美咲の居場所を知らなかった。
「美咲ちゃんがいなくなったて本当かい?」
と保健室の先生が言った。
「事実だ。俺以外に人を標本にする奴がいるとわな」
と生物の先生が言った
「美咲……」
と思わず私はつぶやいた。
「大丈夫だよ。先生達が必ず探してみせる」
と保健室の先生が言った
「先生……」
私は思わず抱きついてしまった。
「警察には届けた方がいいよね」
と保健室の先生が言った
「ではお願いします。山内先生」
と生物の先生が言った。
「わかりました。ごめんね穂乃美ちゃん」
と私に言った。
私は直ぐに山内先生から離れた。
「……まぁまだ生存確認もできてない…恐らく何かに拘束されている可能性もある。俺達でも探す。だからお前は下手に動くな」
と生物の先生が言った。
「……でも、妹が……美咲が心配です」
「それは警察と俺らで何とかする。だからお前は変に動くな……お前の妹が消えたんだ、お前だって狙われる可能性もある」
そんなふうに先生に説得されて私はしぶしぶおとなしくしていた。しかしやっぱり私は黙ってられなかった。勝手にこそこそ動くことにしていた。先生と警察の目を掻い潜りながら私は独自で調査していた。そんなはずだった。
「おい、穂乃美お前の妹の美咲のスマホのGPSをたどった結果だが……お前らの出身地の森の奥から見つかったそうだ……」
私の背筋に寒気が走った。
「それは……」
と私は恐る恐る訪ねた。
「スマホだけが見つかった周りには何もなかったらしい……」
よりいっそ怖くなった。
あの森の伝承……
館には殺人者が住み着いて、館に踏み入れた少女は何処かへ消えてしまう。消えた少女はどこへ行ったのか……死んでいるのか…はたまた生きているのか……わからないまま行方不明になる
そんな噂のある森。光のない森。
「そんな……」
と私は呟いた。
「ところでお前はどこまで情報収集した?」
と生物の先生が言った。
「えっ……」
私は驚いた。
「バレバレだ。まぁいいそれより、森の事は昔から何か聞いているか?」
と聞かれたから、私の知っている全てを答えた。
「そうか……なら俺はその館ってやつを見てくる。何かわかったら追って連絡する」
と言い残して連絡先を教えて、急いで先生は出ていった。
それから二日後だった急に先生からの連絡があったのは
【次はお前だ……必ず標本になる。俺はもう……ダメだ…デスクの2番目の引き出しを見ろ。】
意味のわからないものだった。
それを山内先生に見せた。
「黒山先生……」
と少し悲しげに言った。
次回で最後
この結末予想通りかもしれないですが……こんな最後穂乃美の運命はどうなる?
次回
maiden collector