幸せの時間
とある小ぶりの古き館にはこんな伝承がある……
その館には殺人者が住み着いて、館に踏み入れた少女は何処かへ消えてしまう。消えた少女はどこへ行ったのか……死んでいるのか…はたまた生きているのか……
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私達姉妹は昔から森の奥には行っては行けないと昔から強く言い聞かされていた。その森は多くの人から光のない森と呼ばれていた。
一度行こうとしたが、母親にすごく叱られてか私達は一度も近づくことをしなくなった。それから、私達が高校生なり、都会に出ると言うと、母親は泣きながら喜んだ。その真相は……私達にはわからなかった。
◆
「これで引越し完了っと」
と私は言った。
「疲れたねぇ〜」
と彼女が言う。
彼女は私の双子の妹の美咲。私達は今まで一度も喧嘩をしたことが無いほど仲が良かった。そんな二人だから一緒に暮らすことにした。それに高校まで同じだから少し困ってはいた。
「取り敢えず、無事に終わって良かったね」
と私は言った。
そうそう、言い忘れていたけれど私は美咲の姉の穂乃美。
別に可愛い訳では無いけど皆からはヤキモチを妬かれる。なんでなのかは美咲に聞くと必ず「お姉ちゃんは可愛いからだよ」と言われる。
「うん!!後は少しずつ片付けるだけだね」
と美咲は答えた。
「そうだね」
と私は返した。
「お姉ちゃーん」
と言って私に思いっきり抱きつく美咲。
「ちょっ!美咲いきなり過ぎりる〜」
と私は笑顔で答えた。
いつも私達はこんな事をしたりしているからもう慣れたものだ。妹の美咲は私とは少し違って、元気っ子であるが私はどちらかと言うと、落ち着いた感じであった。
って自分で言うことじゃないか。
でもこんな普通の日常が続くと私達は思い続けている。
あれ?なんでだろ……なんか変な事事考えじゃったんだろ。そんな事を考えた私は私が怖くなった。
「お姉ちゃん?」
と私の様子を伺った美咲。
「あっん?どうしたの?」
と私は返した。今思ったことは隠しておこう。
「どうかしたの?一瞬青ざめた顔になったよ」
と美咲が私に問いかけた。
「うんうん、大丈夫」
と私はいつも見たいに笑顔で返した。
でも本当にわからない……なんでだろ…あんな事考えた事もなかったのに、急に何かに怖くなった。
それと共に森の事を……光のない森に行った昔の友達の事を何故か思い出した。彼女……その森から帰ってくる事がなく今も連絡も何も無い。死んでいるのか、はたまた生きているのかもわからないままだった。
でも唯一分かっているのは彼女ガキ館へ踏み込んだ事だけだった。それを知っているのは私以外は誰もいない。
……あの古風の小ぶりの館の写真は何を表すのか。私はわからなかった。
「美咲、先にお風呂入ってきてもいい?」
と私は聞いた。
「うん、良いよ〜」
と返ってきたので私はお風呂で今思った事を全て洗い流す事にした。
私は体を洗い流し、湯船に浸かった。
そのまま私は眠気に襲われた。しばらく寝てしまっていた。
ふと目が覚めると二十分も入っていた。私は急いで上がり美咲に謝罪した
「大丈夫だよ。私も行ってくるね」
と言って美咲は笑顔で言った
「うん、ゆっくり入ると良いよ」
と私は返した。
きっと妹じゃなきゃ許してくれないだろうと思った。
正直この今が一番幸せだ。
これから先に起こることが何よりも2人を恐怖のドン底に落とす。
背筋の凍る真実にご期待を……