あっさりとした試合
ルーデン王女に連れられ王城の闘技場に連れてこられた。
王城の闘技場は軍の訓練もするためかなり大きく作ってあり人が1000人入っても余裕があるくらいに広かった。
その中央に木剣を持った恵とルーデン王女がいた。
恵はだるそうに木剣を肩に乗せた状態で立っていて、対するルーデン王女は腰を落とし冗談で構えた姿勢で対峙していた。王女の雰囲気はかなり優しい感じで見ているだけでは剣を取り鍛錬をする姿は一切想像はできなかった。しかし、審判役の騎士が「そろそろ始めますがよろしいですか?」と声をかけると雰囲気をがらりと変えたそれはもう視線だけで人が殺せそうなくらいに・・・
「・・・王様?あれって絶対王女がしていい顔ではないよね?」
「・・・・」
あっ、あきらめていらっしゃるんですね・・・・
「それでは・・・・はじめ!!」
その声と同時にルーデン王女は恵に向かって駆けだした。対する恵は微動だにしなかった。
ルーデンはかなり速いスピード(ステータスの低い人達にはすでに見えない速さ)でそしてある程度近づくと上段から木剣を振り下ろした・・・
その木剣に魔力がまとってるのは俺の見間違いだろうか・・?普通の人がそれに当たったらミンチになるぞ・・?
それを半身になって木剣をかわした。すると地面に当たった木剣は地面をえぐった・・・と思った時には木剣は下から上へと切り上げられた。
「それはさせないよ」
恵は木剣を足で踏みつけ切り上げを防いだ。
「すごい!!みんな一撃で終わりになってしまってたけどあなたは違うのね!!」
「そう・・・」
恵はそうつぶやき少し動いてから『転移』をしてどこかに消えた・・・
周りのみんなは最初は高速移動して見終えないだけだろうと思っていたがどれだけ待っても恵は現れず・・・
「「「「「「逃げた!?」」」」」」
という解釈になったが・・・・
王女は自分の持っていた木剣を見ていた無残にも柄の部分と刀身で真っ二つになった木剣を・・・・
見えなかった・・・そう王女がつぶやいた声は誰も聞き取れなかった。
この日から王女の鍛錬がより一層すごさを増したのを恵は知らない・・・・
「あっ、いいこと考えた・・・シルシーの稽古王女との模擬戦でいいか・・・女王は魔法使わないという条件付きで。」
恵がそう考えた翌日、王女を学園に呼び(稽古と言ったら食いついてきた)シルシーを呼び二人で戦わせたすると思ったよりシルシーが持ちこたえていることに驚いた王女は定期的に学園に通いシルシーとの模擬戦をするようになった。
それにより二人は親友と呼べるような仲になったり、戦う技術などを教えあったりとしたことで短期間でものすごいパワーアップしたらしい。