魔族との対面
ギィィィィ~と不気味な音を出しながら大きな扉は開き二人が完全にボス部屋に入ると今度は誰が推すわけ度もなく自動的にギィィィ~という音を出して扉が閉まった。
「へぇ~なかってこんな感じになっているのか~」
と、扉が閉まって早々能天気な声が響き渡った。
しかし、その声に反応するかのように違う声が能天気な声の主・・・・恵の前から放たれた。
「あれ~まさかの二人だけ~?」
と最初に小柄な少年、しかも少年の腰には二本のタガーがあった。
「ケンニル様が言っていた情報と違うな・・・確か30人はここに来ると聞いていたのだが・・・」
次にかなり年を取って腰に見るからにいい剣を携える老人・・しかしその老人からは衰えというものが一切感じられなかった。
「しかもあれって一人は騎士じゃないのかな??ってことはもしかして勇者ってあのヒョロヒョロのやつ一人だけ??」
そして最後のやつは・・・・黒い影・・・ゴーストのような奴だった。
「・・・おい、貴様。勇者はお前ひとりなのか?」
老人は恵向かって質問を投げかけた
「ん?そんなわけないだろ?」
「ならばそいつらは今どこにいるのだ?」
「あいつらならもう国に帰ったけど?」
「なんだと!?」
恵が素直に答えると老人と横にいる二人もかなり驚いた顔をしていた。
ん?帰ったのがそんなにおかしいことか??
そう思い三人の方に集中していると小さな声で話声が聞こえた。
「まさかケンニル様の予知が外れるとは・・・・」
「それはさすがに予想していなかったかな~・・・・・」
「こんなこと初めてだね!!!」
とそんな話が聞いこえてきた。
「お~いそこの三人??どうすんの??俺たちはもう帰っていいか??」
「ん?何を言っている?殺すに決まっているだろう?そこの女もついでにな!!」
ゴーストはハハハと笑いながらさも当然のように言い放った。
ついでに言えばシェルウィンは三人を見てから足がガクガクと震えて完全に放心状態であった。
「お~い、シェルウィンさ~ん。聞こえてますか~?」
恵がシェルウィンの前で手を振ってやるとハッとしてすぐに放心状態から戻ってきた。
「シェルウィンさん大丈夫??というよりもはいこの剣をもって?」
「えっ?あっはい・・・???この剣は私のじゃない・・・・?」
「そしたら『契約』って言いながらこの剣に自分の魔力を込めてね、それが終わったら真ん中の老人の魔族の相手よろしくね!!
後のことは剣が全て教えてくれる!!」
「ちょ、それってどういうことですか!!」
「早くしないと魔族にやられちゃうよ~!!」
恵はそれだけ言うと少年の魔族の前に一瞬で移動しその勢いのまま前蹴りを放ち少年を奥に吹き飛ばした。
そしてその前蹴りを決めた足を軸に空中で反転し軽く足に魔力をまといつつそのまま後ろ回し蹴りをゴーストみたいなやつに当て少年同様奥に吹き飛ばした。
そんな約三秒もかからない早業にすぐ横にいた老人の魔族は自分でも見切れなった早さに驚いたような顔をしていたが、すぐに我に返り腰に携えていた剣を素早く抜刀しかなり速いスピードで恵に切りかかったが恵はそれを軽々よけて奥に飛ばした魔族を追った。
そしてそのあとに恵から遠く離れた後ろから『契約』というシェルウィンの声が聞こえた。