精霊のダンジョン~6~
「撤退だ・・・・」
シェルウィンはそうぽつりとつぶやいた。
恵はその判断が間違ってるとは思わずそれが普通の判断だと思った。
なぜならば扉の向こう側にいる魔族は三人おり、しかもその三人とも恵を除く勇者たちのステータスを軽く超えており今の勇者達では到底かなうわけがない敵であるのだ。
だがしかし、そのことはシェルウィンは知らない。
「総員!!この場から撤退せよ!!」
「なぜですか隊長!!」
撤退の理由を知らない騎士は当然その撤退の理由を知らないため納得できないという顔をしていた。
「先ほどこの先の情報が入った!!この扉の先に魔族がいることが分かった!!
勇者たちもまだ覚醒はしておられない!!そんなものたちを今魔族と戦わせるっわけにはいかない!!
だから今すぐに総員は撤退せよ!!」
「「「「「「はっ!!(は、はい!!)」」」」」」
魔族のことを聞いた後の騎士たちの行動は早かった。
騎士たちは命令を聞き終わると一斉に動き出し勇者たちを先頭に歩かせ騎士たちは後ろから魔族が来ないかを警戒しながら来た道を戻り始めた。
・・・・・・・・・・・・シェルウィンと恵を残して・・・・
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「さて恵様、先ほどの情報をどうやって得たか非常に気になるのですが差支えなければ教えてもらってもよろしいですか??」
「そういうスキルと思ってくれればいいですよ~」
「・・・・はぁ、やはり答えてくれませんか・・まぁいいです。それよりも先にここから撤退をしま・・・・しょ・・う・・?
あ、あの恵様?なぜそちらの扉に向かっているのですか??そこには魔族がいるんですよね??」
「そうだね、三人くらいの魔族が勇者たちが早く入ってこないかとそわそわして待っていますね。」
「さ、三人!?」
「そうです三人です。
と、いうわけで・・中に入りましょうか?」
「入りませんよ!!!入るわけないじゃないですか!!何がというわけでですか!!!意味わかりませんよ!!」
「扉の奥に入りませんか??」
そういって恵は魔族のいる扉を指さした。
「はぁ~もういいです!!この隊を預かった隊長としての命令です!!勇者恵よ!!直ちに撤退しなさい!!」
そう言い放ったシェルウィンのい顔はこれで何も言い返せまい・・・みたいな顔だった。
「へ~そうかい・・・じゃじゃ~ンこれなーんだ」
そういって恵はストレージから一枚の紙を出してシェルウィンに投げ渡した。
それを受け取ったシェルウィンはその紙に書いてある文を読み始め読めば読むほどにかをから血の気がどんどんなくなっていった。
「こここここ、これは王の署名・・・しかも本物・・・てことは・・・・」
シェルウィンは恵と紙を何度か交互に見てから・・・・
「・・・申し訳ありませんでした・・・最高位司令官長殿・・・」
「いやかしこまった言葉使いはムズ痒いでやめてもらっていいかな??」
「はい・・わかりました。」
「さぁ、そういうことでもう一度聞こうか、シェルウィンさん、扉の奥に行きましょ??」
「あなたからの命令に私の拒否権はありません・・・・はぁ・・・」
「それじゃあいってみよー!!」
その後、恵とシェルウィンは扉を開けて魔族のいる部屋へと入っていった・・・・