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黄昏のヴァイキャリアス  作者: イツロウ
 3 二重の鎖
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 07 -橋上の優男-


 07 -橋上の優男-


 瀬戸内海には合計で4つの橋が架かっている。

 一つ目は大阪と徳島を結ぶ大鳴門橋

 二つ目は岡山と香川を結ぶ瀬戸大橋

 三つ目は広島と愛媛を結ぶしまなみ海道

 そして四つ目が大分と愛媛を結ぶ四国九州連絡橋……通称三六サブロク橋だ。

 聞いた話では“四”国と“九”州を“架ける”橋なので4×9で36ということになったらしい。

 橋自体の長さも35.86kmと約36kmなのでまさにピッタリな名称だ。

 因みに、この4本の中で工事にVFが使われたのは4本目だけだ。

 当時としては画期的で、工期もだいぶ短縮化できたらしい。

 ……それはそれとして、三つ目のしまなみ海道、小島同士を結ぶ巨大な橋の上で入江香織は重いため息を吐いていた。

「溜緒工房を破壊って……不可能ですよそんなの」

 広島にほど近い橋上の休憩スペースにて、イリエは溜緒工房があるであろう方角を眺めていた。

 日は照っているが風が強く、暑さはあまり感じられない。散歩するには絶好の天気だが、そんな気分にはなれなかった。

「ジェイクさん、どうするつもりなんでしょうか……」

 手ぶらで来たのでVFはおろか武器も何もない。

 入国審査の関係で爆発物なんて持ち込めないし、現地調達なんて夢のまた夢。

 そもそも、ちょっとでも怪しい動きをしようものならセブンの監視網に引っかかってしまう。

 中に入ってさえしまえば何とかなりそうだが、研究機関とあって守りは堅いだろうし、内部に協力者がいない限り無理だ。

 何か方法はないだろうか。

 どんなに頭を捻っても無理そうだった。

 この作戦が成功するかどうかは、別ルートで入国予定のジェイクさん次第だ。

 そのジェイクさんともろくに通信もできないので、直接コンタクトがあるまで何もすることがない。

 溜緒工房の近くをウロウロしながら一人でのんびり調査する意外やることがない。

 とりあえず目視で建物の位置関係や確認できうる防衛設備のチェックは終わったし、そこらへんの食堂に入って海鮮料理でも食べよう。

「はあ……」

 若い女が独りで食堂で食事をするなんて、恥ずかしいというか情けないというか……

(やっぱりホテルに戻りましょうか……)

 今日の昼食のことを考えていると、不意に声を掛けられた。

「何かお困りのようだね」

 それは若い男の声だった。

 イリエは視線を海から橋の上に戻し、否定的に応じる。

「お構いなく。ちょっと景色を眺めているだけですから」

「そうかい? すごく悩んでいるように見えたんだけれど」

「しつこいですよ?」

 ここでイリエは初めて男の顔を見る。

 声の主はこちらの予想通り若い男だった……が、予想していたよりも随分格好良かった。

 髪は無造作な感じがするが、バランスが取れていて襟足あたりはハネていた。そんな髪の下には爽やかな笑顔があり、計り知れない抱擁力に満ちあふれていた。

 一言で言ってしまえば清純派イケメンである。

 男は慌てるでもなく「急に悪かったね」と応じ、爽やかな笑顔で言葉を続ける。

「もしものことがあってはいけないと思ってね、思わず声を掛けてしまったんだ。気を悪くしたなら謝るよ」

 男は謝りながら欄干に手を置き、さり気なく視線を下方に向ける。

 下には海がある。が、転落防止用のネットが見えた。この網を見てイリエは何となく男の言わんとしていることが理解できた。

「確かに悩んでいますけれど……飛び降りたりなんかしませんよ」

「本当かい?」

「私、こんな天気のいい昼間から飛び降りしそうな幸薄い女に見えます?」

「……」

 男は何も答えず、相変わらずの笑顔でこちらを見ていた。

 心なしか笑顔に憐れみの念が感じられる……。

 不快だ。

 現地の人間と不要な接触は避けるべきだし、取り敢えずここから離れよう。

 イリエは別れも告げずに男に背を向ける。しかし、その動きを予見していたかのように男が慌てて先回りしてきた。

 進路を塞いだ男はしつこく語りかけてくる。

「あー、そうだ。実は今人と待ち合わせをしているんだ。だから、少しの間話し相手になってくれないかな」

 ここまでしつこいと苛立ちを覚える。

 イリエはキツめのセリフで拒絶の意を伝えることにした。

「ナンパならお断りですので」

「まさか違うよ。と言うか、僕はこう見えて所帯持ちだよ」

「余計に質が悪いじゃないですか……」

 理由はともあれ、この人はどうしても私と話がしたいらしい。

 変に騒ぎを起こすのもまずいし、満足するまで付き合ってあげよう。

 イリエは欄干に体重を預け、会話の態勢に入る。

「間違っても変なことはしないでくださいよ。私こう見えてVFランナーですから」

 ランナーと言っておけば相手も少しは大人しくなるだろう。と思っていたが、彼にとっては逆効果だったようだ。

 男は嬉しげに質問してくる。

「へえ、因みに所属はどこだい?」

 ……何だか軽いノリだ。嘘だと思われているのだろうか。

 イリエはポケットからパスケースを取り出す。

「スラセラート学園です。ほら、ライセンスカード、本物ですよ」

 そして警察手帳のごとくVFライセンスを見せつけた。

 世界広しといえど、セブンから直接貸与されるこのライセンスカードを持っているランナーはそう多くない。

 男はカードに顔を近づけ、笑顔のまま続ける。

「スラセラート……もしかして、シンギとも知り合いだったりするのかい?」

 シンギ教官のことを知っているとなると、この人もVFの関係者か何かだろうか。

 この辺りはVF関連の企業が集積しているし、不思議ではない。

 反応を窺いつつ、イリエは質問に答える。

「まあ、一応。面識もありますし戦ったこともあります」

 学園内では勿論のこと、ダイヤモンドヘッド事件の時に戦って勝ったこともある。

「へえ、それはいいね。彼、うまく教官やれてるかい?」

「もちろんですよ。……と言うか、もしかしてそっちも知り合いですか?」

「まあね……」

 優男はこちらの質問を軽く流し、思いついたように手のひらを叩いた。

「あ……そうだ、今から溜緒の新兵装のテストがあるんだけれど、一緒にどうかな?」

「溜緒の……新兵装?」

 いきなり過ぎる提案に面食らっている間も、彼は話を進める。

「そう、新兵装。……実は僕、その兵装のテスターなんだけれど、君も一緒にやらないかい? サンプルは多いに越したことはないし」

 やはり彼はVFの関係者だったみたいだ。しかも、テスターということはそこそこ優秀なVFランナーに違いない。

 イリエは丁寧な口調で応じる。

「いいんですか?」

「スラセラート学園に所属しているランナーなら大歓迎だよ。もし、君が良ければの話だけれど……」

 男の話を聞きながら、イリエは珍しく神に感謝していた。

(まさか、こんなに簡単に溜緒工房へのコネを作れるなんて……)

 運がいいにも程がある……いや、運という言葉では表現しきれない。

 ――これは天が私に恵んでくれたチャンスだ。

 逃すわけにはいかない。これを足掛かりにして必ず溜緒工房を破壊してみせよう。

 イリエは即座に了承した。

「分かりました。これも何かの縁ですし……協力します」

「ありがとう。いやあ、こんな偶然もあるものなんだね、ハハ」

 お礼を言いたいのはこちらの方だ。

 今後の見通しが明るくなり安堵していると、作業服に身を包んだ男が現れた。

 男は走り寄ってくると、息も絶え絶えに男に声を掛ける。

「ちょっとソウマさん、勝手に先に行かないでくださいよ……橋の手前に車を待たせてます。早く戻ってきてくださいね」

「ごめんごめん。あ、彼女も同乗させてもらいたいんだけど、いいかな?」

「彼女……?」

 作業服の男はこちらに目を向ける。

 その目には呆れの色が濃く反映されていた。

「またナンパしてたんですか……そういうのはプライベートだけにしてくださいよ」

 やはり彼は常習犯らしい。

「誤解だよ。彼女はスラセラート所属のVFランナーで……」

 イリエは彼の必死の言い訳を耳にしつつ、先程作業服の男が言っていたセリフを思い返していた。

 作業服の男は彼のことを“ソウマ”と呼んでいた。

 ランナーでソウマと名乗っている者には心あたりがある。

 イリエは彼の名前を確かめるべく本人に問いかける。

「あの、もしかして……柏木(かしわぎ)綜真(そうま)……さん?」

「あれ、自己紹介がまだだったね」

 彼はこちらに体を向け、おもむろにお辞儀をする。

「僕は柏木綜真……代替戦争で日本代表を務めさせてもらってるランナーだよ」

「知ってますよ!!」

 日本代表のVFランナー……無敗のランナーの異名を持つ、正真正銘の強者だ。

 代替戦争が始まる前からVFB公式トーナメント戦などで活躍していて、今に至るまで一度も負けたことがない。

 ランナーで彼の名前を知らない者はいない。

 私も名前は知っていたが、顔を見るのは初めてだ。

「そういうのは後でいいですから早く車に乗ってください。もうテスト開始まで時間がないんです」

 作業服の男はソウマに強めに告げ、来た道を戻っていく。

「じゃあ、僕らも急ごうか」

「はい……」

 とんでもない人に声を掛けられてしまった。

 相手がただの凡ランナーなら、脅すなり何なりして工房の破壊工作も容易に行えるだろうが、相手があのソウマとなると下手には動けない。

 イリエはソウマとの遭遇に後悔しつつも、伝説的ランナーを目の前にして少し興奮していた。



 車に揺られること十数分

 イリエはしまなみ海道の中継地点である島内、その海岸沿いに降り立っていた。

 海岸には溜緒工房所有の広大な実験施設があり、作業服やスーツ姿の人で賑わっていた。

 実験施設は何かの跡地を再利用しているようで、古い建物や錆びたドラム缶がちらほら見られた。

「もう準備出来てるみたいだね」

 車から降りたソウマは伸びをし、視線を空に向ける。

 今の今まで視界に入らなかったが、上方にVFが浮かんでいた。

「あれは……ファスナ・フォースじゃないですか」

 リラックスした状態でふわふわ浮かんでいるのは、セブンが遠隔操作しているAGF搭載の監視者ウォッチャー、ファスナ・フォースだった。

 今まで何機も破壊してきたが、いつ見てもあの曲線的なフォルムは見慣れない。

 ファスナ・フォースはいつもと違い、重苦しそうな装甲を全身に纏っていた。また、背中にも大きなバックパックを背負っていた。

 どこからどう見ても強化パーツ、もしくは新兵装だ。私達URに対抗するために頑張っているようだ。

 ……今回、工房を破壊する目的はあの新兵装に関係していると見て間違いないだろう。

 わかりやすいグレードアップ兵装を眺めつつ、イリエはソウマに質問する。

「テストって、ファスナ・フォースの拡張兵装をテストするんですか?」

「その通りだよ。兵装の実用性を確かめるためにあれを使って戦うってわけさ」

 ソウマは続けて実験施設に目を向ける。ドック跡の拓けた場所に見慣れないVFが膝をついて待機していた。

 全身を包帯で巻かれているような、禍々しい外見を持つそのVFを見て、イリエは思わず呟く。

「ケイライン……」

「そこまで覚えてくれているなんて、嬉しいなあ」

「ソウマさんの専用兵装を知らないわけがないじゃないですか……」

 ケイラインはソウマが対戦時に用いるアウターユニットの名称だ。

 元々はVFの機体名だったらしいが、代替戦争のルールに合わせてアウターユニット化されたと聞いている。

 ケイラインは前世代のFAMフレーム……人工筋肉フレームによって構成されており、その名の通り筋肉のごとくフレームを覆い尽くしている。

 通常取り付けるような出力補助装置よりも嵩張るが、その分馬力は馬鹿のように高く、重量もそこまで重くないので高機動型にピッタリの兵装である。

 体積の関係でそこまで詰め込めないが、ケイラインは装甲を全て排除し、余すところ無くこの人工筋肉ユニットを取り付けている。

 ソウマにしか扱えないアウターユニット、それこそがケイラインなのだ。

(こんな紙みたいな装甲なのに、よく無敗でいられますよね……)

 新兵装を装備しているファスナ・フォースそっちのけでケイラインを眺めていると、高飛車な声が周囲に響いた。

「全く、どこで女を引っ掛けてきたのかしらこの憎たらしい二枚目は」

 スーツの集団を引き連れて現れたのは、レディーススーツを着たポニーテールの女性だった。

 目は獲物を狙う狼の如く鋭く、表情や佇まいからは優しさの欠片も感じられない。

 口元には八重歯が光っており、下手に逆らうと噛み殺されてしまいそうな印象を受けた。

 有無を言わせない迫力と冷酷さを前に、イリエは力関係を理解せざるを得なかった。

 イリエは咄嗟に車の陰に隠れ、女性の視界から消える。

 だが、数秒もすると彼女は回りこんできだ。

 イリエは隠れ場所を求めて移動し、結局ソウマの背後に落ち着いた。

 背中に隠れたイリエを無視し、彼女はソウマと話を続ける。

「部外者を連れ込むなんて、頭おかしいんじゃない?」 

「まあまあ落ち着いてアイリ社長。彼女、こう見えてスラセラート所属のプロランナーだよ。シンギとも知り合いみたいだし、問題ないんじゃないかな」

「問題ないわけないでしょう? 寝言は寝て言って頂戴」

 アイリと呼ばれた彼女は、携帯端末を取り出し、特に操作もしないで端末に語りかける。

「……今の話は本当かしら、セブン?」

 何をしているのだろうか、と思った次の瞬間、携帯端末から変なノイズ音が発せられ、続いて明瞭な合成音声が聞こえてきた。

「はい本当です。彼女はスラセラート学園所属のVFランナーです。学園ランキングの順位は5位、学園では数学を教えています」

「へえ、あのスラセラートで5位となると相当な使い手ね」

 どうやらセブンに私の個人情報を照会したみたいだ。セブンにアクセスできるとなると、結構地位の高い人なのかもしれない。

「……邪魔よ」

 アイリはソウマの正面に立ち、手で追い払う。

 ソウマは抵抗することなく横にスライドし、アイリは改めてイリエと対面した。

 若干怯えているイリエに対し、アイリはゆっくりとした口調で問いかける。

「貴女、名前は?」

「入江香織です」

 イリエはアイリに視線を向ける。

 アイリは舐め回すようにイリエの体を観察した後、自然な動作で髪に手を触れた。

「綺麗な赤髪ね。染めているのかしら」

「は、はい」

 緊張のせいか、イリエは固まったまま饒舌に語りだす。

「私、元々の性格が暗いので、髪の色くらい明るくしたほうがいいかなと思いまして。明るい色だと勇気も出ますし……」

「貴女が暗い? 私にはそう思えないわ」

 アイリは髪から手を離し、何か考えるように自分の顎に手を添える。

「赤……そういえばURのVFも真っ赤だったわね」

「……はい?」

「あの乱入者共も勇気を出すために赤くカラーリングしているのかしら、貴女はどう思う?」

「私に聞かれても……」

「そうよね。馬鹿な質問をしたわ。忘れて頂戴」

「はあ……」

 URという単語が出た時はドキリとしたが、初対面の人に私の正体がバレるわけがない。

 少し驚きが表情に出てしまったかもしれないが、問題ないだろう。

「……真面目な質問をしてもいいかしら」

 急にアイリの声が冷たくなる。

 疑いの目をこちらに向け、アイリは告げた。

「貴女、どうしてこんな所にいたの?」

「それは……」

 イリエは言葉に詰まってしまうも、苦し紛れに答える。

「観光……ですけど」

「ふうん、そう」

 疑いを濃くしたのか、アイリは鋭い目つきでイリエを睨む。

 イリエは毅然としつつも、心の中では危険信号が鳴りっぱなしだった。

(この人、やばい……)

 セブンを使って詳しく調べたとしても、私がURのメンバーだということは絶対に分からない。

 だというのに、この人は本能というか、直感だけで私を疑っている。

 こういう手合は厄介だ。

「最高の観光ができるよ。良かったね」

 笑顔で会話に混じってきたのはソウマだった。

 彼は私の正体についてあまり興味はないらしい。ありがたい限りだ。

 ソウマはそのまま間に割って入り、アイリに問いかける。

「ところで結賀ちゃんは? 帰ってきてるんだよね?」

 期待感たっぷりのソウマに対し、アイリは苦い表情で応じる。

「……少しトラブルがあったのよ。詳しくは後で話すわ」

「トラブル? 気になるなあ……」

「だから、後で話すって言っているでしょう……」

 ソウマの追求から逃れるように、アイリはこちらに話しかけてきた。

「……そうだ、貴女スラセラートの教官なのよね。橘結賀は知っているかしら?」

 橘結賀……アルフレッドが受け持っている訓練生の名前だ。

 顔も声もVFの戦術についても全て知っている。

 ……どうしてこの人達は彼女のことを知っているのだろうか。

 気になりつつもイリエは答える。

「はい、彼女なら私のクラスで教えていますけど」

「本当かい? 結賀ちゃん、まじめに授業を受けてるかな?」

「それは……」

 イリエはソウマから目を逸らす。

 橘結賀の授業態度はお世辞にもいいとは言えない。成績も悪いし褒めるところが見当たらない。

 正直に告げようかどうか悩んでいると、あちらから断りの言葉が届いた。

「もういいよ。その顔だけで大体のことは分かったから……」

 ソウマはふうとため息を付き、ケイラインに向かって歩き出す。

「そろそろ時間だから先に行くよ」

 アイリは腕時計を確認し、ソウマに声を掛ける。

「まだ20分もあるじゃない」

「僕のケイラインは始動に時間が掛かるんだよ」

 ソウマはそう応え、駆け足で去っていった。

 女二人になると、アイリは視線をソウマに向けたままイリエの名を呼ぶ。

「貴女……イリエと言ったかしら」

「……はい」

「テストへの参加は認められないけれど、見学くらいならいいわよ」

「それはどうも、ありがとうございます……」

 アイリは軽く手を振り、そのままソウマの後を追った。

 ようやく重圧から開放され、イリエは一人胸を撫で下ろす。

(生きた心地がしませんでした……)

 アイリという女には危険を感じたが、何とか溜緒工房と関係を作ることに成功した。

 あの橘結賀とも知り合いのようだし、彼女をネタに積極的に絡んでいけば溜緒工房についての情報も色々と得られるだろう。

 ……しかし、セブンが民間企業と手を組んで新兵装を開発しているとは思ってもいなかった。こんな情報をどこから拾ってくるのだろうか。主という人物は末恐ろしい人だ。

 とにかく、ファスナ・フォースの新兵装は私達にとっては脅威だ。

 ジェイクさんと合流するまでに情報収集に励むことにしよう。

(よし、頑張りますか……)

 イリエは独りで意気込み、二人の後を追った。


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