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黄昏のヴァイキャリアス  作者: イツロウ
プロローグ
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 00 -プロローグ-

 このページを開いて下さり、誠にありがとうございます。

 ヴァイキャリアスシリーズは、人型の戦闘機械『VF(ヴァイキャリアスフレーム)』が登場するシリーズです。

 VFを基軸に、VFを用いた競技大会やVFを利用した戦争に翻弄されるパイロットやエンジニアの模様が描かれます。

 黄昏のヴァイキャリアスは、前作の焉蒼のヴァイキャリアスから約10年後の世界となっています。

 今作では主に学園に焦点を当て、女性主人公が周囲の人物に影響されながら成長する様子が描かれます。

 最後までお付き合いいただけると幸いです。

 よろしくお願いいたします。

 プロローグ


 ――人は必ず死ぬ


 その言葉の意味を理解したのは、父の葬式の最中だった。

 幼かった私は全く疑問に思わなかった。

 何故遺体が棺の中に入っていないのか

 何故参列者が異常に少ないのか

 何故こんなに大勢の記者が押し寄せてきているのか

 葬式はこのようなものなのかと、ただただぼんやりと考えていたように思う。

 季節は梅雨

 お坊さんのお経の声は雨音と混ざり合い、不思議と心地良かった。

 正座していた脚がとても痺れた

 お母さんは泣いていた。

 泣いているのはお母さんだけだった。

 容赦なくカメラのフラッシュを受け、頬を伝う涙がキラキラと光って綺麗だった

 覚えているのはこれくらいなものだ

 

 私も必ず死ぬ

 そう思わされたのは母の死体を見た時だった。

 父の死から一年と経たず、母は自殺した。

 今でも鮮明に思い出せる。

 寝室、天上から伸びる縄は首にしっかりと巻かれ、ギシギシと音を立てて揺れていた。

 不気味な振り子……

 ダブルベッドの上には多くの写真が散乱していた。

 父と母のツーショット写真。

 思い出に浸りながら自殺したのか

 思い出に耐えられず自殺したのか

 真意は結局わからなかった。


 私は孤児になった。


 不思議と悲しくはなかった。

 孤独に対する耐性が強かったからだと思う。

 その日から私は一人で生きてきた。

 これからも一人孤独に生きていくのだろう

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