17 -激昂-
17 -激昂-
総当り戦が始まってから30分後
葉瑠は『YOU LOSE』の文字を見ながら絶望感に打ちひしがれていた。
この文字を見るのもこれで7回目だ。
「……まさか、こんな……」
結局、7人相手に1勝もできなかった。
四六時中携帯端末を弄っていた若干痩せ型の男子……『クローデル』くんには開始直後に接近され至近距離からショットガンを食らって一撃KO
筋トレしていた長身の男子……『ドナイト』くんにはあっという間に接近されてナイフで切り刻まれてKO
不安げにウロウロしていた背の低い男子……『アハト』くんには何度か攻撃できたのだが、全てかわされてしまい最終的に地面に投げ飛ばされて頭部を破壊されてKO
結賀やリヴィオくんとの対戦結果は言わずもがな。
アルフレッド教官との対戦にいたっては、何をどうされたか全く把握できないまま負けてしまった。
ここまでやられると悔しいを通り越して笑えてくる。
筐体の中で呆けていると、カバーの向こう側から声が聞こえてきた。
「すまないな葉瑠君。私は手加減できない性格なのでな」
「アルフレッド教官……」
葉瑠は慌ててHMDを脱ぎ、カバーの開閉スイッチを押す。
筐体のすぐ横にマスク姿のアルフレッド教官が立っていた。
アルフレッド教官は当たり前のようにこちらに手を差し伸べる。
筐体から降りる手伝いをしてくれるみたいだ。
葉瑠はおずおずと手を伸ばし、恐る恐るアルフレッド教官の手を取る。
「足元に気をつけるんだぞ」
「あ、はい」
葉瑠はしっかりその手を握り、一息で筐体から飛び降りる。
地面に足をついた瞬間、強烈な痛みが腿と脹脛に生じた。
(筋肉痛……忘れてました……)
切り傷や打撲傷には慣れっこだが、やはりこの類の痛みには慣れない。
がに股でプルプル震えていると、アルフレッド教官に心配されてしまった。
「葉瑠君、まだ脚の痛みがとれないのか?」
「筋肉痛が1時間やそこらで回復するわけないですよ……」
「痛いのだな? ならばもう一度医務室に行くべきだな」
「……」
何故か嬉しげなアルフレッドを見て、葉瑠はその理由をいち早く悟る。
(リリメリアさんに会いたいだけですよね……)
こんな変態に好かれるリリメリアさんも大変だ。
彼女のためにも何とか話題を変えようと考えていると、アルフレッド教官の背後からアビゲイルさんが現れた。
アビゲイルさんは長い黒髪を手櫛で整えながら教官に声をかける。
「アルフレッド教官、とても強かったです。噂通りの反応速度でした」
「アビゲイル君か。君もなかなか強いな。あのダブルブレードの剣舞を見られるなら、何度でも手合わせしたいほどだ」
アルフレッド教官はアビゲイルさんに手を差し出す。対戦を讃え合っての握手だろうか。
しかしアビゲイルさんは長い黒髪に手を突っ込んだまま握手に応じなかった。
「……そうか」
アルフレッド教官は早々に握手を諦め、手を下ろす。
同じタイミングでアビゲイルさんは髪梳きを終え、右手人差し指で自らの眉間あたりをトントンと叩く。
指先を眉間においたまま、アビゲイルさんは問いかける。
「……教官の速さの秘密はそのマスクにあったのですね」
「……?」
いきなりの問いかけに葉瑠は首を傾げる。
(マスクが速さの秘密……?)
意味がわからない。アルフレッド教官も黙ったまま反応していない。
それでもアビゲイルさんは喋り続ける。
「そのマスク……脳波操作(BWC)システムのトランスミッターですよね。イメージするだけでシステム側が勝手に思考を解釈し、VFを操作してくれる優れ物……習得にかなりの時間と訓練を必要とするはずですが、あの様子ですとマスターしているようです」
(へー……アルフレッド教官が……)
葉瑠もこの脳波操作システムの存在は知っていた。が、その送信装置を直に見るのは初めてだ。
と言うか、マスクがただの飾りではなかったことが驚きだ。
アルフレッド教官はマスクを押さえ、首を左右に振る。
「いいやマスターなどしていないぞ。通常操作と組み合わせているだけで、BWCシステムは補助程度にしか活用していない」
「そうだったのですか。教官ならすぐにでもマスターできそうなものですが」
「いいやそれは難しい。こう見えて私は凡人以下の才能しか持ち合わせていないのでな」
上から目線のアビゲイルさんはともかく、アルフレッド教官が自分を凡人と言うのはちょっと問題だ。
2位のアルフレッド教官が凡人以下なら、3位の宏人さんはそのさらに下という事になってしまう。それだけは許せない。
「凡人以下って……そんなに謙遜しなくても」
「謙遜ではない。これは紛うことなき事実なのだよ葉瑠君」
ちょっとした冗談かと思ったが、本人は大真面目みたいだ。
やはりというか何というか、上位ランナーには上位ランナーなりの悩みがあるのだろう。
アビゲイルさんの言葉はそれで終わらない。
「それに加えてアルフレッド教官は視野拡張の……」
「アビゲイル君、それ以上は止めてもらおうか」
教官からストップが掛かった。
アビゲイルさんはこちらをチラリと見、無表情のまま続ける。
「別に構わないと思います。教官の涙ぐましい努力を知れば、我々訓練生も訓練に身が入ると思うのですが」
葉瑠はアビゲイルから悪意のような物を感じた。
(もしかして、アルフレッド教官の弱みを握ってる……?)
葉瑠は隣にいるアルフレッドを見上げる。
マスクのせいで表情は読み取れない。しかし、どのような精神状態にあるのか、何となく感じ取れた。
私もアビゲイルさんには『更木』という弱みを握られている。
どうにかしてアルフレッド教官を助けてあげられないだろうか……
とりあえず間に割って入ろう。そうすればアビゲイルさんの注意は私に向けられるはずだ。
決意した瞬間、意外な助け舟がやってきた。
「くっそー……本番じゃ負けねーからな」
頭を掻きながら歩み寄ってきたのは結賀だった。
結賀はアビゲイルさんの正面に立ち、顔面を指さす。
「鎖じゃどう頑張っても重力盾に弾かれるからな。本番は鈍器で闘ってやるから楽しみにしてろよ」
どうやら今回の総当り戦では負けてしまったみたいだ。
結賀の武器は鎖だったので負けても仕方がない。ランキング戦では近接格闘で臨むみたいだし、結賀が勝つはずだ。
アビゲイルさんも何か言い返すかと思いきや、興味なさげに視線を逸らした。
「……その話はもういいです」
「は?」
「貴女の実力はわかりました。私の脅威には成り得ませんので、もう対戦する必要はありません」
もの凄い挑発だ。こう言われて怒りを覚えない人間はいないだろう。喧嘩っ早い結賀なら尚更である。
結賀はわざとらしく言い返す。
「何だ、オレと闘うのが怖くなったのか? 不戦敗でもいいんだな?」
「ええ構いません。ランキングなんてお飾りに過ぎませんので」
アビゲイルさんは冷たく告げ、話は終わりと言わんばかりにその場から去っていく。
何やら様子がおかしい……
結賀はアビゲイルさんを追い、正面に回りこむ。
「おい、マジで戦わないのか!?」
「戦うだけ時間の無駄だと言っているんです。同学年がこのレベルとなると、次は2年生を狙ったほうがいいのかもしれませんね」
アビゲイルさんは視線を合わそうとしない。無表情のまま真っ直ぐ前を見ていた。
まさしく、結賀など眼中にないようだ。
「テメエ、ふざけ……」
「――ふざけないで!!」
気付くと私は叫んでいた。
葉瑠は自分が出した声に驚く。が、それ以上に周囲にいた人達は驚いていた。
華奢で大人しそうな眼鏡っ娘がいきなり叫んだのだから驚くのも無理もない。
アビゲイルはゆっくり振り返る。冷徹な無表情は完全に葉瑠に向けられていた。
葉瑠は本能の赴くまま叫び続ける。
「結賀を馬鹿にして……絶対許さない!!」
許さない。
アビゲイルさんに対して鬱憤が溜まっていたこともあるが、それ以上に結賀が蔑ろにされたことが許せなかった。
実力的にはアビゲイルさんの方が一枚上手なのだろう。
だが、戦いを一方的に放棄し、あまつさえ結賀を小馬鹿にし、不遜な態度をとり続ける彼女に我慢ならなかったのだ。
「……許さない?」
アビゲイルは微笑する。
「私はあなたに許されたいとは思っていません。どうぞお好きなだけ嫌ってください」
……駄目だ。アビゲイルさんは全く私を相手にしていない。
これでは話にならない。
「……逃げるつもりですか?」
「逃げも隠れもしません。私は単に強い相手を負かしたいだけですので」
煽ったつもりが、冷静に返されてしまった。
挑発も全く意味を成さない。でも、何とかしてアビゲイルに一矢報いたい。
その気持ちは葉瑠にとんでもない提案をさせた。
「――明日、私とランキング戦で勝負です」
「はあ!?」
葉瑠の提案に素っ頓狂な声を上げたのは結賀だった。
「いきなり何言ってんだ葉瑠、お前の実力じゃ……」
「結賀は黙ってて」
「……」
葉瑠は結賀を一言で黙らせ、アビゲイルを睨む。
アビゲイルは溜息混じりに首を左右に振る。
「……今の貴女と戦っても意味がありません。戯言はそのくらいにしてくれませんか」
葉瑠は意を決し、勝負に条件をつけることにした。
「私は本気です。……もし私が負けたらアビゲイルさんの“要求”を受け入れますよ。これでどうですか? 闘う気になりましたか?」
要求とは、私がランナーをやめることだ。
今の今までまともに取り合わなかったアビゲイルさんだったが、この一言でようやく私の目を見てくれた。
アビゲイルさんは逡巡した後、短く応える。
「……いいでしょう」
「おいおいおい勝手に話進めんなよ、こんなの無効だ無効、なあアルフレッド教官?」
結賀はアルフレッド教官に助けを求める。
しかし、アルフレッド教官は私の提案に賛成のようだった。
「そうだな……私が立会人になろう」
「立会人って……こんなの勝負にならないだろ」
「唯の試合だ。自信を無くすことはあっても、怪我をするわけではない。それに葉瑠君が負けると決めつけるのは彼女に対して失礼だろう」
「……」
結賀はこちらを見る。とても不安げな表情を浮かべていた。こんなにしおらしい結賀を見るのは初めてだ。
この時ちょうど試合時間の5分に達したようで、他の筐体のカバーが開き、中から訓練生たちが……男子4人が出てきた。
男子たちは只ならぬ空気を感じ取ったようで、リヴィオくんが代表となってアルフレッド教官に恐る恐る問いかける。
「何かあったんですか?」
「葉瑠君とアビゲイル君が明日ランキング戦で対決することになった」
簡潔過ぎる答えに、リヴィオくんはワンテンポ遅れてリアクションする。
「……ええ!?」
「そこまで驚くこともないだろうに」
アルフレッド教官は手をぱんと叩き、全員の注目を集める。
「さて、これで総当り戦は終了だ。宣告した通り、この結果を参考に1年生のランキングを作成させていただく」
アルフレッド教官はシミュレーターの側面にある端末を操作する。
すると筐体のカバーが閉じ、その動きに連動して他の筐体も待機状態に移行していく。
微かな駆動音が響く中、アルフレッド教官は言葉を続ける。
「今後は基礎を中心にトレーニングを行っていく。明日からは全員ランナースーツを着用してくるように、よろしいな」
セリフが終わると同時に筐体から発せられていた淡い光が消え、トレーニングルーム内は静寂に包まれた。
「……それでは解散」
アルフレッド教官は短く告げ、足早にその場から去っていく。
(あ……)
まだランキング戦について聞きたいことが山ほどある。
葉瑠はアルフレッドを追いかけるべく出口へ向かう。しかし、走り出そうとしたその瞬間に腕を掴まれてしまった。
こちらの手首をしっかり握っていたのはアビゲイルさんだった。
アビゲイルさんは音もなく近寄ると体を密着させ、こちらの耳元で囁く。
「――約束しましたよ、“更木”葉瑠」
「……!!」
葉瑠は腕を大きく振り、アビゲイルを振り払う。
アビゲイルは不敵な笑みを浮かべつつ、トレーニングルームから出て行った。
(得体が知れませんね……)
アビゲイルがいなくなり、葉瑠は改めて自分がしでかした事の重大さに気づく。
あのアビゲイルさんと戦って勝てるわけがない。
冷静に考えれば……いや、普通に考えてもそんな事は分かりきっているのに、どうして私はあんなことを言ってしまったのだろうか。
あれだけ堂々と言った手前、撤回なんてできない。
アルフレッド教官も乗り気だし、もし仮に断ったらアビゲイルさんに私が更木の娘だとバラされてしまう。
どっちにしても私のランナーとしての人生は終わってしまったということだ。
まだ入学して二日目なのに、お先真っ暗だ。
呆然としたまま先のことを考えていると、肩を叩かれた。
「葉瑠……話がある」
振り返ると、そこには深刻な表情の結賀が立っていた。
「とりあえず部屋に戻るぞ」
「うん……」
まずは落ち着いて、これからどうすればいいか考えよう。
葉瑠は結賀に言われるがまま、女子寮に戻ることにした。
夜、太陽が完全に水平線の下へ潜った頃
葉瑠は結賀に半ば連れられるようにして女子寮の自室に戻っていた。
(結賀……)
トレーニングルームを出てから結賀はずっと無言を貫いている。
こんなに無口な結賀を見るのは初めてだし、少し不気味だ。
二人部屋に入ると室内の明かりが自動で点灯し、殺風景な部屋が目の前に広がった。かと思うと、結賀はこちらの腕を掴み上げ、強引に投げ飛ばした。
結賀の力に抗えるわけもなく、葉瑠はそのままベッドの上に転がった。
「何考えてんだお前は!!」
開口一番に結賀は怒鳴り、間髪入れずにベッドに飛び乗る。
そして、あっという間にマウントポジションを取られてしまった。
「……!!」
葉瑠は反射的に身を竦め、腕で顔面をガードする。
結賀は葉瑠のガードを強引に解き、両手首を掴んでシーツの上に押さえつけた。
遮るものは何もない。
結賀は顔をぐっと近づけ、静かに言う。
「……葉瑠、自分が何をしたのか分かってんのか?」
「……え?」
葉瑠はきつく閉じていた瞼を開け、結賀を見る。
結賀はやるせない表情でこちらを見ていた。
ブラウンのショートヘアは乱れ、焦茶色の瞳は潤んでいる。快活で勝ち気な彼女はどこに行ったのやら、今の結賀は歳相応の少女に見えた。
この表情で葉瑠は全てを悟る。
(心配……されてるんですね)
結賀は怒っているんじゃない。ただひたすら私の立場を憂いてくれているのだ。
「結賀、私は大丈夫だから……」
「大丈夫なわけあるかよ!!」
結賀はすぐさま言い返し、視線を落とす。
「……何で……ちょっとバカにされてくらいで、あそこまで怒れるんだよ……一番よえーくせに……勝ち目なんてないのに……」
我ながら馬鹿なことをしたと思う。
明らかに格上のアビゲイルさんに勝負を挑み、負けたらランナーを諦めると約束するなんて、まさに馬鹿の極みである。
しかし、それでも、あの時の私はそう言わざるを得なかった。
いや、言わなければならなかった。
友達のプライドを守るために、あの言葉は必要だったのだ。
「出会ってからまだ3日だぞ? お互いまだ知らないことだらけだし、どうしてあそこまで……」
「そんなの関係ない」
どれだけお互いを理解しているか。どれだけ長く付き合っているか。そんな事は全く関係ない。
結賀は私にとって初めての友達だ。
言動は不良っぽいし喧嘩っ早いけれど、頼りがいがあるし、何より優しい。
まだ会ってから間もないのは事実だが、真剣に付き合うと決めた相手を馬鹿にされて、黙っていられるわけがない。
葉瑠は結賀を真っ直ぐ見る。
「あそこで黙ってたら、私は私を許せなかったと思う。ずっと引け目を感じ続けて、結賀とは深い関係になれないって思った。だから、私の選択は間違ってない」
彼女とは一生付き合って行きたい。
もっと彼女のことを知りたいし、もっと仲良くなりたい。
……結賀もそう思ってくれているだろうか
結賀はこちらの言葉を黙って聞いていた。
「……」
長い沈黙の後、結賀は小さく笑い、呟く。
「……葉瑠、お前って実は凄いバカだろ」
結賀は笑みを浮かべながら顔を上げる。その目には強い意志が宿っていた。
表情からも憂いや不安などの気配が消え去っていて、いつも通りの強気な彼女の顔がそこにはあった。
結賀は馬乗りを止め、こちらの隣に寝転がる。
「はぁー、やっぱすげーな葉瑠。覚悟が違うっつーか……アレだ、漢の中の漢だな」
「なにそれ……」
褒められているのか馬鹿にされているのかよく分からない。
でも、いつもの結賀に戻ったのはよく分かった。
結賀は寝転がったまま伸びをして、顔をこちらに向ける。
とてもスッキリとした表情だった。リラックスしきっていて、何も不安など無いというのがひしひしと伝わってくる。
そんな状態で、結賀はさらりと言ってのける。
「葉瑠、弱音を吐いて悪かったな。……後、すげーお前のこと好きになった」
「あ、うん……」
至近距離でいきなり好きと言われ、葉瑠は狼狽えてしまう。
私は、私の信念に従って行動しただけで、褒められるようなことをしたつもりはない。でも、結果として好意を持ってくれるのなら嬉しい事この上ない。
結賀の告白に、葉瑠も誠意を込めて応じる。
「あの、結賀」
「どうした?」
「……私、明日の試合、絶対に勝つから」
アビゲイルさんに勝って、謝罪させる。
どうやって戦えばいいのかすら分からないが、何としてでもアビゲイルさんに勝つ。
「ああ、そうだな」
結賀は深く頷き、ベッドから飛び起きる。
「じゃあ早速作戦立てねーとな。寝てる暇なんてないぞ」
結賀はそのままデスクに移動し、情報端末を立ち上げる。
葉瑠はのそのそと起き上がり、眼鏡の位置を整えながらベッドから降りる。
「うん。まずは今日の対戦の解析からだね……」
幸いなことに、今日の総当り戦のお陰でアビゲイルさんの対戦データは7つもある。そのうちの一戦……アルフレッド教官との対戦データはかなり参考になるはずだ。
これらを詳細に解析していけばアビゲイルさんの弱点が分かるかもしれないし、私でも勝てる作戦が見つかるかもしれない。
(対戦は明日……今日は徹夜ですね)
葉瑠は気を取り直し、デスクに座る。
……その後、二人は消灯時間を過ぎても情報端末の画面と睨めっこをしていた。




