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面倒な人たちに囲まれて。  作者: 枯木榑葉
第三章 ~絶対にシスコンだと思われる男性に囲まれて。~
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中編

私は、今の現状を夢だと思うことにしました。

だって、時間が戻るとか現実で起こる訳ないでしょう?

だから、きっと、夢なんですよ。

今までのも、……今も。全部。

そして、朝起きたら今まで通り過ごすんです。

だって、夢なんですから。

夢は覚えておくことが出来ないでしょう? いつかはきっと、忘れるんです。

この、悲しいという感情も……。

きっと、忘れてしまうんです。

だから、今は夢を楽しむんです。

夢が覚めない限り私はどうすることも出来ませんし。

たとえ、これが覚めない夢だとしても……。



「もう大丈夫?」

「はい、ありがとうございました」




いつもは、迷惑をかけるばかりのB先輩に励まさせるなんて、驚愕です。

言っときますけど、私だけが驚いている訳ではありませんよ。

兄は「あいつがあんなこと言うなんてな。明日は、雪でも降るのか?」と言っています。

まぁ、今は夏ですからあり得ませんが。もし、起こってしまったら未曾有の超常現象として後世に語り継がれていくことになるでしょう。

それほど、あり得ない現象だったのですよ、B先輩が人を励ますことは。



「よし、じゃあ、妹ちゃんも元気になったことだし――」

「――え? きゃぁぁあああっっっ!?」



ちょっとぉぉぉおおおおお!?

何するんですか!?

えええええええええっっ!?


さっきまでのいい雰囲気(?)をぶちこわし、B先輩は私をお姫様だっこで抱え上げてきました。

ちなみに、ニヒルな笑顔付きです。悪戯成功!というような笑顔を貼付けておられます。

いえ、あれは貼付けているというよりも今の心境が顔に出てきてしまっているように見えます。

きっと、心の中では簡単に騙された私をあざ笑っているのでしょう。


ここまでいって、皆さん分かりましたでしょうか?

そう、B先輩のあり得ない現象は、この状況を作り上げるための前座だったのです。

つまり、演技ですよ! 演技ぃぃいいい!! 人が、本気で悩んでいたのに騙しやがったんですよ、この人はぁぁ!!

本当にそうなのかは分かりませんが、あの顔からして間違いありません。

確実にバカにしてますよ。あああ! ムカつくぅぅぅぅ!!



「さて、じゃあ、お姫様? 元気になったのなら、元気づけた俺にご褒美ちょうだい?」

「ご褒美デスか!? そうですね、手作りクッキーなんてドウでしょうっ!?」

「うん。それもお願いしようかな」



うん、それもって何だ!? それ”も”って! もしかして、私いらないこと言いました!?

本当は一個だったところを二つに増やしてしまったのですか、このバカは!

このバカって私のことですけどね!



「でも、それも、魅力的なんだけど、俺は君の貞そ――」

「ストォォオオオオォォォッッップッッ!!!!」

「どうしたのかな、妹ちゃん。人の話は最後まで聞かなくちゃダメでしょう?」

「どうしたも、こうしたもないですよ!! いいですか、B先輩!! 絶対にその単語は、言わせませんよ! そもそも、私がそんなもの渡す訳がないじゃないですか!!」

「うーん、まぁ、そんな反応も予想してたんだけどね。だからこの体制なんだし」



……この体制?

…………、っ!!

ノォォォォォオオオオオオオオオッッッ!!

私、いまお姫様だっこされていたのでした!

B先輩が離してくださらない限り私、逃げられないじゃないですか!



「状況は理解できたかな? それじゃあ、夢の楽園へレッツゴー!」



私にとっては、楽園ではなく地獄なんですけど!

助けてぇぇ!


――て、なにっ!? アレはっ!!


Aさんが、自分の世界から復帰なされました!

こちらをジーと見ています!

Aさんが、おもむろに口を開きました。



「おい、いや―――」

「お兄ちゃん助けてっ!!」



つい、言葉を重ねてしまいました。

いや、だって。

前回と同じになったら嫌ですもん。

だから、今はC君とさえ目を合わせていませんよ。


それに、私。考えたんです。

今まではことごとく負けてきましたが(あれ? 私は一体何と闘っているのでしょう?)私は勝利する方法を思いついたのです!

そう、私が思いついた必勝法は――


不戦勝です!!


兄に助けを求めればいいのですよ!

だって、兄妹ですから! 勝利以前に戦いすら起きません。

兄妹でのにゃんにゃんは御法度ですからね!

一番安全なんです。ああっ! どうして、最初からこうしなかったんでしょう!

そうしていれば、私がっ! あああああっ!! 思い出すのも恥ずかしい!



「ああ、やっと呼んだか。後数秒遅かったら呼ばれてないのに、助けるところだった」



だったら助けろよォォォオオオオ!! 思い立ったら即行動! これ鉄則でしょう!?

何ですか、後数秒でって! 助ける気力があるならさっさと助けてください!

呼ばれてくるヒーロー気取りですか!?

ヒーローは後からくるとか言うやつですか!?

そんなもの、誰も貴方に期待してないんですよ! ですから、助けようと思ったらすぐに助けてください!


……。


…………。


…なんて、思ってないですよ?

助けてもらう分際でそんな厚かましいことを、心優しいわたくしが思っているわけないじゃないですかー。

ええ、そうです。

全く、まぁーたく、思ってイマセンヨ?

アハハハハ。



ほどなくして、B先輩は私を下ろしました。

決して、重いからと言う理由ではありません。

ええ、違うんです! 私は重くない! 平均体重だ!!


只今B先輩と兄が口論中です。

どちらが勝つんでしょうね。

兄は喧嘩は強いですが、口の方は

口で言い負かせないから暴力に走るんですからね。まあ、残念な程、ダメなんです。

比べてB先輩は口が達者な方です。

あぁ、兄に、勝率があるでしょうか。

はい、ないですね。ええ、絶対。空からカップラーメンが降ってくるのと同じくらいあり得ませんね。

負け確定。



「君のシスコンも大概にしないと嫌われるよ? あ、そうか、もう嫌われているから心配しなくていいんだったね。ごめんね? 気付かなくて」

「んだと? 嫌われてねぇよ。アレはツンデレつーんだ。素直になれてないだけだ」

「ポジティブだね。あぁ、そうか。前向きに考えていないと、現実に押しつぶされてしまうものね。だって、兄妹なんだから。どんなに愛していても、シスコンという言葉で片付けられてしまう」

「あ? 言っとくけど俺とこいつは兄妹なんかじゃねぇよ。血ぃ繋がってねぇからな」





…………。


……は?


…今何と?







急ですが、キャラクターの人気投票を行います。

キャラクターの誰が好きかを、感想、メッセージ、活動報告のコメント、Web拍手などからお知らせ下さい。

「B先輩」「A」「大樹」など、一言だけ送ってくださっても構いません。

お気軽にご参加ください。

よろしくお願いします!

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