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第2話-ソリが合わねェ編-

『生徒会執行部室』ついに来た。ホントは来たくなかったけど。




俺は今、生徒会執行部役員の活動場所である生徒会室の目の前にいる。

俺が奇しくも5-2の生徒会役員に選ばれてしまったのだ。生徒会役員は各クラス一名ずつ選出し、5、6年生を対象とする。つまり5、6年のクラスの数だけ生徒会役員が存在するのだ。各学年3クラスずつあるから、俺の他にも後5人生徒会役員がいるわけなんやケド・・・。




「こんなお堅い生徒会なんぞ好んでやるヤツとソリが合うわきゃねェよなァ。」

そうして部室の扉の前で右往左往していると――――




ドンッ!!




「うぉッ!?」

「きゃっ!」

いきなり人にぶつかった。

「すすすすす、すみスミ、スミマセン!!あの、わたっ私。」

どーでもイィけど、いくら何でもどもり過ぎだろ。

「あ、いや。俺もよく前見てなかったし。」

「本当に、スミマセンでした。」

そう言って何度も頭を下げた後、彼女はようやく頭を上げた。

黒の三つ編みに眼鏡。古き良き時代の女版学級委員ってヤツだ。

(てかトロそ〜↓↓)




「あの、生徒会の方ですか?」

「えっ、あぁまァ。これからなる予定の方ですケド。」

自分が生徒会執行部に就くのはもう揺るぎない事実なのだが、未だ納得出来ない自分がソレを受け入れようとしない。結果『予定』などとわけの分からない言い方をするハメに。



「あのっ私、5年1組より生徒会に選出された飯野宵子いいのよいこと言います。よろしくお願いします!」



(よいこかよ!親はどんな脳ミソしてやがんだァ。俺ならそんな名前つけられた日にゃあ自殺モンだぜ。)彼女には悪いが、お世辞にもイィ名前とは思えなかった。俺ならゴメンだ。




そうこう考えていると不意に生徒会室の扉が開いた―――




「アレ、誰アンタ達。」

いきなりヒドい言われようだ。

「あー、俺た・・・」

「あのあのッ私達生徒会に入りに来たんですッッ!」

(うるせー↓↓)

横からスゴい大声でよい子チャンが叫んだ。

「あぁ、アンタ達が。何してんの?早く入りなさいよ。」

「あぁハイ。」

ついに俺が生徒会室に足を踏み込む時が来たッ――――

「―――以上が本件についての草案です。あら、アナタ達は?」

生徒会室に入ると先輩だろうか、三人の人が中にいた。その内の一人が俺達に気付きこちらに振り返る。

「あ、ドーモ。」

ペコと頭を下げる俺を一瞥する瞬間、その人の目つきに苛立ちの色が浮かんだのを俺は見逃さなかった。

「君達は新しい生徒会役員かい?」

部屋の中央に設けられた長机(おそらく会議用だろうか)の上座にドカッとふんぞり返っている男が言った。おそらくこの人が俺らの学校の生徒会長だろうか。

「まぁ適当に座りなよ。里沙。そろそろ始めようか。」「はい、会長。それでは皆、席について。」

俺達は各自空いてる席に座る。

「それじゃあ今から今季初の生徒会執行部会議を始めるよ。まずは新規メンバーへの自己紹介から始めようか。」

そう言うと会長は立ち上がって続けた。

「俺が今期の生徒会長に就任した、6-2菅野裕也すがのゆうやだ。よろしく頼むよ。」

パチパチと周りから拍手が起こる。俺も何となくつられて拍手をした。

「私は副会長の6年1組、坂本里沙さかもとりさよ。宜しく。」

パチパチ。

「6-3、青嶋史恵あおしまふみえです。宜しくね。」

以上3人が6年生。この人達が生徒会の幹部という事になる。

「それじゃ次はキミ達5年生の自己紹介をしてもらおうか。」

俺達は互いに視線を送り、誰が最初に言うか伺い合った。

「ハイッ!わた、私は、5年1組飯野宵子と言いますッ!よろしく!おね、お願いします!!」

(プッ、まァたどもってるよコイツ。)

「ハハ、こちらこそよろしくね。飯野。そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。リラックス☆リラックス☆」「はっハイ!!」

(オイオイ・・・)

「じゃあ次の人。」

「ハーイ。アタシは5-3、藤原奈美です。よろしくお願いします。」「藤原、君は元気がいいね。よろしく。」

そして俺の番。

「あー、5-2から来ました。橘葵ス。よろしくドーゾ。」

ペコッと頭を下げる俺。

うん、よろしくと会長は言った。

「これから一年間、長いようで短い一年になると思う。その間、俺はこの学校を少しでも良くしていきたいと思っている。皆の力を貸してくれ、宜しく頼む。」

最後に会長が一年間の抱負を語った。

こうして俺は正式に生徒会執行部員になったのだ。

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