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ダンジョンで魔物料理店を開いたけど客が来ないので、ダンジョン配信者になって宣伝しようと思う。  作者: 猫額とまり
第5章 店長、地上にお出かけする

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第89話 東へ西へ


(三人称視点)


『――どうだ、彼の様子は』

「今の所は何も。ホムラちゃんとシラユキさん、二人とお着替えデートしてますよ」


 トオル達がアパレルショップで服を探している様子を、それを画面越しに眺める影が一人。

 クライミカ。彼女は己がスキルを利用して、監視カメラをハッキングしトオル達の様子を伺っていたのだ。


『彼は文字通りふとした瞬間(・・・・・・)に居なくなる。決して目を離すんじゃないぞ』

「わかってますよー」


 その言葉を最後にクライの上司……シドウとの通信が途切れる。

 恐らく会議を抜け出してきていたのだろう。緊急の会議はまだまだ長引きそうだ。


(……はあ。久しぶりの休日だと思ったら叩き起こされて、いきなり監視だとか。人使いの荒い上司だこと)


 内心そんな愚痴を溢しながら、クライは大人しく命令を遂行する。

 彼女の役割は地上におけるトオル達の動向の把握だ。そして万が一、敵対勢力がトオルに接触を図った際のボディーガード役も兼ねている。

 実際にはボディーガードなど、必要ないだろうが。


(まあ、警戒はしてたって名目は必要だからね。こーゆー裏方の仕事はウチが適任っちゃ、適任だけれども)


 眠気覚ましのコーヒーを飲みながら、クライは引き続き監視カメラの映像を見る。

 画面の中で、ホムラが幸せそうな表情でトオルに何かを話しかけている。


「……。ホムラちゃんも、今の所は仲良くやれてそうだね。良かった良かった」


 クライの表情が緩む。

 可愛い後輩の姿を見られるのなら、こんな仕事も悪くはないだろう……そんな事を考えていた矢先であった。


「……ん?」


 トオルが突然、スマホを取り出したのだ。

 どうやらメールか何かを確認しているらしい。ホムラとシラユキに何かを話しているが、監視カメラでは音声までは拾えない。


(……このタイミングで彼に連絡? 一体誰が――)




 次の瞬間、三人組が画面から消失した。


 明らかに転移(テレポート)を使った移動であった。


「うぇっ、ちょっと本気!?」


 慌ててクライはトオルの現在位置を確認する。

 トオル本人の場所は分からずとも、所持しているスマホの位置は確認できる。

 ホムラとトオル、恐らく一緒に行動しているであろう二人のスマホの位置情報を、ハッキングにより探知。


 そしてクライは、シドウに再度連絡を取った。


『なんだ。今は会議中だぞ。緊急時以外は連絡するなと――』

「緊急事態です。監視対象がアメリカに転移(テレポート)しました」

『不法入国じゃねーか!! 大変な時に何考えてるんだあいつら!??』



(一人称視点)


「うちの支援者(パトロン)から連絡来てさ、ホムラちゃんにも会いたがってるみたいなんだけど、今って大丈夫?」

「は、はい。私は大丈夫ですけれど……?」


 よし。ホムラちゃんも同行決定。

 二人の肩に軽く触れスキルを発動。

 次の瞬間には、俺たちはアメリカ合衆国カリフォルニア州の上空に召喚されていた。


「うお眩し。そういや時差あるんだっけ。今こっちは朝かー」

「  へ?  え? えっ?」

「トオルさん……私たち、どこに転移するか聞かされてないんだけど。もしかしなくてもここ、日本じゃないわよね?」

「アメリカのカリフォルニア州だよ。もっと詳しく言うと、『Dチューブ』の本社のすぐ近く」

「へっ? Dチューブって、あの? 私もトオルさんも普段から使ってるあの動画配信サイトですか?」

「……そもそもこれ、不法入国じゃないの? ホムラちゃんも巻き添えにしてるし」

「だいじょーぶ。許可は出てる(・・・・・・)。今回に限っては、俺たちがお咎めを受けることはないよ」


 上空で話していても仕方がないので、俺はDチューブ本社、どデカいビルの中に転移する。

 周囲に人の気配はない。人払いをしているのだろう。


「ビ、ビルの中……? これ本当に大丈夫なんですか!? 入っていい場所なんですか!?」

「シラユキちゃん、あの扉の文字『社長室』で合ってる?」

「……合ってる、けど。え? ここに入るの?」

「そうだよ。ここであいつ(・・・)と待ち合わせしてるからね」


 部屋も間違っていないようなので、俺はそのまま扉を開ける。




 ……窓が一つもない締め切られた部屋。

 その最奥にある大きなテーブルに、あいつ(・・・)は呑気に座っていた。


 金を溶かして束ねたような髪、アクアマリンの澄んだ瞳。

 金髪碧眼。その圧倒的な美貌。地上に降り立った女神。

 奴を初めて見る者はおおよそそんな印象を抱くだろう。ようするに見てくれだけはめっちゃ美人だ。


「や、待ってたよ」


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