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ダンジョンで魔物料理店を開いたけど客が来ないので、ダンジョン配信者になって宣伝しようと思う。  作者: 猫額とまり
第4章 未知の世界からのお客様

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第77話 合格です


 結論としては。

 祇園寺ダンジョンのダンジョンコアは、一旦俺が預かることになった。

 後日、あいつ(・・・)の元に持っていって調べてもらうつもりだが……向こうは当分、こっちに戻ってくるつもりはないらしい。

 どうやらこちらから出向かなければならないようだ。正直、地上に出るのは気が進まないが……仕方がない。


 そして捕まえた魔王種の処遇だが。

 幼女二人組、アルとレヴィについては、解放する事にした。

 元々あの二人を捕まえたのは、深層の状況を聞き出すためだった。

 シラユキちゃんを始め、立て続けに起きている転移事件。それを意図的に引き(・・・・・・)起こしている奴(・・・・・・・)がいるのではないかと、俺は疑っていた。

 それができるとすれば、深層、あるいはその奥に潜む存在だろうという目星も。


 ……結果としては、俺の予想は外れていた。

 深層ではマモンが暴れ回っていたようだが、それも転移事件が起きた後の話だ。マモンもこの件については関与していない。

 仮に意図的に事故を起こした犯人がいるとしても、このダンジョンの中にはいないのだろう。そうなれば、もはや幼女二人組に用はない。


 え? マモン?

 あはは、喧嘩売ってきた魔王種をタダで帰すわけないじゃん★


 ちなみにマモンによる襲撃事件は、祇園寺ダンジョンのコアを使ってダンジョンの設定(・・)を弄ったのが原因だった。

 訳あって、この渋谷ダンジョンにはダンジョンコアが存在しない。管理人不在の状態だ。そこを空き巣みたく狙われて、代わりのコアを……祇園寺のコアを突っ込まれて乗っ取られた、という所だろう。


 ところで、魔王種といえば。

 どうもホムラちゃんが、魔王種に肩入れをしているように見えるのだ。

 幼女二人組の処遇を決める時も、ホムラちゃんは庇うような言動をしたりもした。

 ……初めて魔王種を見た時は、警戒心バリバリだったんだけどな。

 何か心境の変化でもあったのだろうか?

 ともあれ、魔王種二人が解放となったのは、ホムラちゃんの尽力と、マモン確保に多少の協力があった故である。

 元の住処である深層に送り返して、結界も貼り直したし。もう会う事はないだろう……

 ないよな?


 そしてもう一つ。

 ホムラちゃんの様子が、どうにもおかしい。


「トオルさん! 最近何か困った事とかありませんか?」

「私はいつでもトオルさんの味方ですよ!」

「何かあったらいつでも言ってくださいね!」


 こんな感じのセリフを、ことあるごとに言ってくるのだ。

 一体何があったというのか。


「……店長。明日の仕込み終わったよ」

「お。シラユキちゃんありがとう」


 あと、シラユキちゃんだが。

 今の所は落ち着いている。むしろ、前より自然な表情が出るようになった気がする。

 今まではどこか自分の感情を押し込めているような雰囲気があったから、素直に感情を表に出すようになったのは良い変化だと思う。

 ただ。


「――――」

「? どしたのシラユキちゃん」

「いえ、何でもないわ」


 最近、やけにシラユキちゃんの視線を感じる頻度が増えたような……

 本人も無意識なのかもしれないが、気づいたら俺の事を目で追ってるって印象だ。

 特に害もないので、俺からは何も指摘していないが……やっぱり言った方がいいんだろうか。

 ううむ、人間関係とはよく分からないものである。


 あと気になる事といえば、どうして俺の時間停止食糧庫に入ってこれたのか、という点だが……

 これについては、またの機会にしよう。ダンジョンコアが絡んでいるのなら、あいにく俺は専門外だ。これも含めてあいつに聞いてみるしかない。


「……あ」

「? どうしたの店長」


 シラユキちゃんが鼻歌を歌いながら皿洗いをしているのを見ていると、ふと大事なことを思い出した。


「シラユキちゃん。合格です」

「えっ?」

「採用試験。ほら、マモンの襲撃のせいで有耶無耶になってたから」


 試験の途中だったことをすっかり忘れていた。

 シラユキちゃんはウチの店で働くための技術を、すでに十分身につけていた。


「……店長。薄々勘づいていたんだけれど」

「はい」

「採用試験って、全然意味なかったよね? 実際の所、店長がただ試験っぽい事をしてみたかっただけじゃないの?」




 ……。

 …………。


「いいじゃん別に! だって後輩ができるとか初めてだったんだぞ! ちょっと店長っぽい威厳とか出して採用試験とかしてみたかったの!!」

「うわぁ、開き直った……」


 そんな一幕があったりはしたが。

 改めて、シラユキちゃんがウチの店で働く事になった。


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