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ダンジョンで魔物料理店を開いたけど客が来ないので、ダンジョン配信者になって宣伝しようと思う。  作者: 猫額とまり
第4章 未知の世界からのお客様

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第64話 俺が俺の店の俺の配信に俺と俺とのコラボ出演した俺です


「へ〜、結構しっかりした作りじゃん。ダンジョンで飲食店やってるって聞いた時はビックリ仰天したけど、意外と儲かってんの?」

「うるせーさっさと帰れや」


 こいつ、帰還を拒否したばかりか店内を物色し始めやがった……

 配信中に何やってくれてるんだ。


:今別の世界から来たって言ってた?

:んん? でも店長も別の世界線から来たんだよな……なら普通では?

:いやでも、微妙に顔つきが違うような……? 後から来た方がなんか陽キャっぽい

:どっちにしろ店に来れてる時点で只者ではないことは確か


「店長。コメント欄、絶賛炎上中です」

「……生放送だし、誤魔化し効かないよなあ……うん」


 しゃーない。混乱を収束させるためにも、リスナーに向けて事情を説明するしかない。


「あー、後から来たこのそっくりさんは……別の世界線の俺です。俺が【召喚術】のスキルで呼びました。いわゆるパラレルワールドの俺、みたいな感じ」

「お? やっぱ配信中だったか。どうもこんにちは、パラレルワールドのサカガワトオルです。こっちの店長に呼ばれて遊びに来てまーす」

「いや遊ばせるために呼んだんじゃないけど? お前の用は済んだから早く帰ってくれ。状況が混乱する」


:パラレルワールドの店長……???

:また別の世界線の店長を呼び寄せたって事か

:つまりこの世界線には今、店長が二人存在する?

:同一の世界線に同一人物が存在して大丈夫なのか?

:今サラッと店長のスキル暴露しなかった?

:別の世界の自分を召喚って、もし本当なら召喚術界隈に激震が走るぞ

:それもういつものことやん


「ああ、別に俺が何人同じ世界線に居ようが、基本的(・・・)には問題ないよ。だから俺が召喚したんだけど……さっきからこいつが帰還を拒絶してる。俺と同じく時空間を操る力があるから、自力でこっちの世界に居座れたりするんだよね」

「“制御できないモノを呼ぶな”って格言、習わなかった? どの世界線でも召喚術士が最初に習う事だと思うんだけどなー?」


:召喚術士……?

:いや確かに、【召喚術】のスキル持ちは最初に教わることではあるが

:帰還を拒否する召喚体www

:一度呼んだら帰ってくれないとかウザすぎる

:でもそれって店長の人格に問題があるからでは?

:世界線が変わっても店長は店長ってことか……


「え、なんで俺の人格が否定される流れになってるの」

「我ながら草生える。やはり人格に問題があるのではないでしょうか??」

「お前マジでぶっ飛ばすぞ」

「おっとダメです! カメラ映ってますよ! いいんですか暴力沙汰起こして!」


 コ、コイツ……配信中だからって調子乗りやがって……

 なまじ考えている事が大体わかるから余計に鬱陶しい!


「じゃあ何すりゃ帰るんだよ。お前に頼んだおつかいは終わった。後はひっ捕えた例のブツを置いてさっさと自分の世界線に帰れ」

「いやー確かに頼まれたおつかいはこなしたけど? でもおつかいには対価が必要だと思うんだよね。俺お賃金もらってないよ?」

「召喚体の分際で偉そうな……金が欲しいのか?」

「いやいや、別世界線の貨幣なんて、持ち帰っても使えないでしょ。もうちょっと即物的な物がいいよね」


 自身の元居た世界に帰ろうとしないもう一人の俺。

 悪意があるわけじゃないだろう。単純にこのまま帰るだけじゃ面白くない、って顔だ。考えていることもよく分かる。


 ……力づくで元の世界線に返すという手段もあるが。

 俺自身より弱い個体を呼んだとはいえ、俺は俺。その実力は俺もよく知っている。

 向こうが本気で抵抗したら、かなり面倒だ。

 こっちの世界線を荒らされるのも困るし、自分自身を殺して喜ぶ性癖も持ち合わせていない。

 こう見えても目の前の俺は、比較的友好的な個体だ。できれば穏便にかたをつけたい。


「……何が目的なんだ」

「こっちの俺って、料理店やってるんだろ? ちょっと面白そうだなって思ってたんだよねー。俺にもなんか美味しいの食わせてよ」


 ……ははぁ。成程?

 さてはお前、こっちの俺が料理人になってるのを面白がってるな?

 いいぞ。その喧嘩買った。


「上等だよ。並行世界の俺とはいえ、客は客だ。死ぬほど美味いもん食わせてやる……食ったら帰れよ?」

「そうこなくっちゃ。やっぱ身内同士仲良くやらないとね?」


「トオルさんがトオルさんに料理を……? 私、何が何だかよくわからなくなってきました」

「大丈夫よホムラちゃん(・・・)。私もよくわかってないから」


 自分自身が客だからといって、妥協するつもりは毛頭ない。

 むしろ逆。俺自身が相手なら、これまで泣く泣く店に出せなかった、本気の料理(・・・・・)を出してやれる。

 死ぬほど美味い料理を出してやるよ。文字通りな。

 そして俺は店の売名のためなら、何でも利用する。例え俺自身であっても。


「と言う訳で、ちょっとトラブルがありましたが配信継続します。立て続けに料理配信になりますが、もうちょっとお付き合いください」

「……。自分の配信者っぽい喋り方見てると結構キモいな」

「テメェ本気で蹴飛ばすぞ」


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