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ダンジョンで魔物料理店を開いたけど客が来ないので、ダンジョン配信者になって宣伝しようと思う。  作者: 猫額とまり
第3章 海外から最強探索者がやって来るようです

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第45話 国際交流してみた(失敗)


「Nice to meet you. My name is Alberto! I wanted to see you and came here!! Oh, a genuine article is greater than after all I see it with a picture. Please shake hands. And please sign!!」

「へ、へロー? アイワントゥージャパニーズ? アイアムわかんない」

「Oops. Though I brought signature paper with much effort, it has become the stone by a fight of a little while ago. There is no way. Please write it to the arm which became my stone. I value it without washing it throughout the life. I will be proud of it in the next world」

「だれかたすけて」


 こいつあのアルベルトだよな?

 めっちゃ早口でなんか喋ってるけど何言ってるのか全然わからん。巻き戻ししてもわからん。

 俺は日本語しかわかんないぞ。


「……あー、多分アルベルト氏は、感謝の言葉を伝えてるんだと思い、ます」

「!」


 おお、ここで思わぬ救いの手が。

 クライミカ、お前こいつの言葉がわかるのか。


「丁度いいや。ちょっとこの興奮患者抑えてて? 回復薬くらいはサービスしてやるから」

「What is the attack of a little while ago? I received first shock throughout a life on seeing it. By my expectation, is that not your skill? I want to know you more. I do not have the time. Please tell me more you before I die!! And please sign.」

「…………ありがとうございます。彼も少し驚いているんだと思います。色々な事が一度に起きたので、混乱してるんでしょう多分。寝かせておきますね」


 なぜか視線を泳がせながら、アルベルトを地面に寝かすクライさん。

 半身を石化されてなお、早口で何か喋っているアルベルト。他にも石化含め重軽傷者がいるので、ここは最上級回復薬……エリクサーの使い所だろう。


「自力で飲めなさそうなのもいるな……なら、俺が回復薬を直接体内に転移させるから、じっとしてろよ?」


 ……流石に最上位と呼ばれるだけはある。

 俺が薬を流し込むと、石化も含め、一行は全員が無傷の状態に戻ったようだ。

 もちろん、クライミカも含めて。


「よし。大体元に戻ったみたいだな。これにて一件落着」

「……。あの、サカガワさん」

「ん?」


 おずおずと、そう切り出してきたのはクライさんだ。

 なんか顔色が悪い。まるで猛獣でも見ているような、怯えた視線を俺に向けている。


「今回の件、誠に申し訳ありませんでした……。既にご存知かと思いますが、サカガワさんのドローンをハッキングして、こちらの危機を伝えたのはウチ……いえ、私です」

「……」

「私が独断で行った行為です。ですからどうか、責は私に。他の面々や、ホムラちゃんの事は、責めないであげて下さい……!」


 震える声を絞り出して、クライさんはなんと土下座までしてしまう。


「いや、別にどうもしないけど」

「……ぇ」

「必死だったんでしょ。どんな術を使ってでも生き延びるために、仲間のために命を張って。俺もその気持ちはわかる。だから個人的な好悪はともかく、別にその事を責めたりはしない」

「ウチを、殺さないんですか……?」

「ホムラちゃんもいるこの場面で、わざわざ回復してから殺すとか普通にやべー奴じゃん。もしかして俺、そんな残虐な人物に見えてる……?」

「あっ、違、そういう訳では!」


 あたふたと慌てるクライさんを横目に、俺は側のホムラちゃんがやけに静かな事に気づく。

 見ればまるで真っ白に燃え尽きたように、静かに眠ってーーあれ、これ息してなくね?


「脈がない……死んでる……」

「えっ!?? ホムラちゃん!? ホムラちゃんしっかりして!??」


 まあこの場で一番の重症だったからね。

 エリクサーを飲ませる前に死んでしまったようだ。どこか満足げな表情なのが気になるけど。

 とりあえず時間巻き戻すか。まだ五分経ってないから(・・・・・・・・・)イケるでしょ。


「お、蘇った。ギリギリセーフ」

「え、は? え??」

「とりあえずもう一回エリクサー飲ませて……これで大丈夫でしょ。後はホムラちゃんが起きるまで安静にね」


 クライさんが目を白黒させているが、ともかく死人ゼロで終わって良かった。

 目の前で人が死ぬのはやっぱ気分が良くないからな。


 さて。


「そちらの一行さん。この後もまだ探索は続ける? カイザーコカトリスも居なくなったし、再出現(リポップ)するまでは時間もあるよ?」

「…………いや、やめておこう」


 返事をしたのは、ようやく日本語を話すようになったアルベルトだ。


「流石に、僕たちも身の程というものを思い知った……今の僕たちの実力では、下層を攻略することはできない。僕たちの負けだ。残念だが……本当に本当に残念だが、大人しく撤退するよ」


 ……流石に、世界一の探索者という訳か。ここで判断ミスは犯さなかったらしい。

 仮にこのまま探索を続行してたら、高確率で全滅していただろう。


 とはいえ、だ。


「よし。それじゃあウチ来い」

「What?」

「ここまで来ておいて帰るのもアレだろ。ウチの店で美味いもん食ってけ。そこのクライさんの奢りだよ」

「えっ」


 これくらいの意趣返しは良いでしょ。迷惑を掛けたつもりがあるなら、その分売り上げに貢献してくれ。

 ……あと、なにげに自力で下層まで来た探索者も初めてだからな。

 このまま帰してしまうのもちょっと、もったいないと思ってたんだよね。


 さて……楽しい楽しいお食事タイムだ。

 頑張った探索者一行と、店で待っているシラユキちゃんに、とびきりの御馳走を振る舞おうじゃないか。



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