第27話 『マボロシキノコの和風パスタ』
「んでは実食タイムです。でも俺あんまり食レポとか上手じゃないから、期待しないでね」
ニンニクとマボロシキノコの芳醇な香りが店内に漂う。
しかし悲しいかな、今それを気にするお客さんは誰も居ないのだ。なので遠慮なく喰らう。
「頂きます。…………、ッ!!」
:うわ
:無言ですげー勢いで啜り出した
:言葉なくても分かる、めっちゃ美味いやつじゃん
:顔w
:俺がラーメン食べてる時みたいだ
:お前はラーメン食う時いつもあんな凄い表情してるのか?
「うっま……」
あっという間に皿の半分程を平らげてしまった俺は、口元を拭いながら思わず呟いた。
自分で作っておいてアレだが、めちゃくちゃ美味いのだ。
「麺がね、オリーブオイルのお陰でズルズル行けるのよ。もう啜るっていうか吸ってる感じ……で、それを阻害しない程度に、キノコが一緒に口内に入ってくる。これがマツタケみたいに噛み応えがあるから、飽きが来ない。自画自賛だけどめっちゃ美味い」
:見てるだけでわかったよ。めちゃくちゃ美味いって
:麺啜ってる時の顔で分かるよね
:あ〜ほんとに食べたいなぁ俺もそのパスタ
:パスタが油で滑るあの感触が気持ちいいんだよね
「特にキノコが美味い。自然の味がする。少しピリリとした刺激もあるけど、ニンニクのお陰で上手にまとまってる。これがキノコ単独だったらノイズになってただろうね。あぁ、もうちょっとキノコの量増やしとけば良かった……」
:キノコって俺苦手なんだけど、店長さんがそこまで言うなら食べてみたいな
:もし俺が抽選当たったらこれ頼むわ
:こいつ顔やばくね?
:店長さん映っちゃだめな顔してるよ
:やっぱりキノコキメてないか……?
もはやコメント欄も視界に入らない。
冷めてしまう前に、俺は残りのパスタとキノコを余さず食すのだった。
「ふぅ……ご馳走様でした。これだけ旨けりゃ、またマボロシキノコの別料理も考えたいな」
:あぁもう食べ終わってしまった
:美味しい料理は気付けばすぐ無くなるもんだよ。麺類は特に
:みてるこっちもお腹いっぱいです
:結構いい食レポだったと思うよ
:今日の昼ごはんはパスタにするか……
「もしお店に来る機会があったら、この料理も注文できます。あ、でもマボロシキノコはあんまり在庫ないから、早い者勝ちではあるけど」
:やっぱそうなるか
:ダンジョン食材はやっぱ供給が安定しないんだな……
:でも食べてみたいな。キノコの安全性が少し気になるがw
:本当に幻覚作用とかないんだよな??? 店長ラリってた気がするけど
:この人ミノタウロスの時もあんな顔だったし、何でもいいんじゃないですかね
:それはそれで嫌だなぁ……




