表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンで魔物料理店を開いたけど客が来ないので、ダンジョン配信者になって宣伝しようと思う。  作者: 猫額とまり
第2章 お客さんをご招待してみた

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/145

第26話  一人飯を作ってみた


 キッチンに移動(テレポート)した俺は食材食器を手早く亜空間から取り寄せる。


「マボロシキノコは少し歯ごたえのある食感で、キノコにしてはハッキリした味と、その独特な香りが特徴です。特に香りの方が曲者でね、鼻にツンとくる香りをどうやって誤魔化すか、なかなか考えさせられた」




:急に場面が

:え、転移した?

:急に場面変わったら編集した動画にしか思えんwww

:どんな匂いするの?


「匂い? んー、雨の日の土の匂いと樹木の匂い。そこにわさび突っ込んだ感じ? 食材としてはともかく、結構癖になるよ」


:わさびww

:金ピカでゴテゴテしてるのに和風っぽい匂いなのかな

:キノコの臭いは好き嫌いわかれるからなあ

:店長ほんとに大丈夫? 匂い吸ってラリってない??


 最初は生で食べてみたが、お客さんに出せる基準点は流石に満たしていなかった。

 そこで色々レシピを考えた結果、上手い具合に匂いを誤魔化す料理を思いついたのだ。


「目には目を、歯には歯を。匂いには匂いを。つまり俺は別の食材と組み合わせる事で、この刺激臭を中和できないかと考えた」


 ……あれ? あの食材どこに仕舞ったっけ?

 そういや最近食材庫の整理してないな。今度やっとくか。


「……お、あったあった。これが今回使う食材。なんの料理か分かるかな?」


 亜空間から取り出した食材をカメラの前に並べる。

 ニンニク、醤油、バター。


:これニンニク? やけにデカいけど

:ダンジョン産の素材かな、にしてもなんの料理か分からん

:残りは醤油とバターだよね。醤油使うってことは和食かな

:ニンニク醤油のバターなんとか


「お、いい線いってるコメントが幾つか。じゃあコレでどう?」


 追加でもう一つ食材を取り出す。

 細長い小麦色の食材だ。これは見覚えのあるリスナーも多いと思う。


:なんだっけあれ

:麺か!

:茹でる前のパスタだね

:ああ、醤油とニンニクとパスタ!




「正解〜。と言うわけで本日の料理は『マボロシキノコの和風パスタ』になります」


 試行錯誤の結果、マボロシキノコは熱を加えると、キノコの風味が強くなり刺激臭が若干和らぐことが分かった。

 そこにニンニク醤油を加える事で、気にならないレベルまで匂いを落としつつ、双方の味を引き立てる事に成功したのだ。


「誰かがコメントで指摘してたけど、わさびみたいな刺激臭を嗅いだ時、俺は和風料理に合うキノコなのかもって考えたんだ。それを実現させてくれたのはニンニクと醤油だった。ニンニク醤油は炒め物なんかにも使われるけど、今回はパスタにしてみました」


:パスタかぁ、麺の細さから見てスパゲティかな?

:手軽に作れて美味いんだよね

:うおー! 旨そう

:俺もパスタ食いたくなってきたな……


 リスナーも盛り上がってきた所で、手早く調理に移っていく。


「まずは麺。塩を入れたお湯にパスタの乾麺を投入します。一人分だし塩は小さじ二杯分で」


 麺が茹で上がるまでの間、マボロシキノコの調理も並行して行う。


「麺を茹でてる間にキノコを処理します。食べやすい大きさにカット」


:!?

:一瞬でキノコがバラバラになった

:一瞬手がブレたかと思ったらもうキノコが切られてた。コマ送りみたい

:時間を操作したとか……?


「わざわざキノコのカットに時間操作は使わんよ。普通に切っただけ」


 なるべく早く、しかし食材が摩擦で傷まない程度に。この塩梅が意外と難しいのだ。


:普通に切ったらそんな現象起きねーよwww

:残像でる速度でキノコをカットする男

:身体能力が俺らと違いすぎる

:なんでキノコ切るだけでいちいち面白いんだ

:後でスローモーションで見よ


「次にニンニクの皮を剥いて、オリーブオイルと弱火で熱します。本来は風味を抑強くしすぎないために、ニンニクを潰したりするんですが、マボロシキノコの刺激臭を抑えるためにも今回はしません」


 数分程熱した後、ニンニクを取り出して代わりにベーコンとマボロシキノコを。

 じっくり炒めていると、ニンニクとマボロシキノコの香ばしい匂いがキッチンに漂う。そしてパスタの茹で具合が丁度良い頃合いだ。


「お、炒めてる間にパスタが茹で上がりましたね。麺はちょっと硬めにしてます。この後フライパンで熱するのでね。ちなみに俺は硬めの麺が好きです」


:単純に好みの範疇ってことか

:まあ硬さを調節できるのは麺類の利点よな

:キノコが金色でギラギラしてるからすげー目立つな

:今更だけどこれ食べて大丈夫なんだよな……? 幻覚作用とか毒とかないよな?


「実食したからへーきへーき」


:ごめんちょっと信用できない

:そりゃあんたみたいな超人は何食っても平気だろうよ……w

:探索者って身体が強化されて毒とかに耐性できるらしいね


 俺のリスナーやっぱり当たり強くない??

 全然信用してもらえてないし。これは最初からではあるけれども。


「コホン。えー、麺をフライパンに入れてニンニク等と混ぜ合わせます。この時バターと醤油も投入。あとは麺の茹で湯も入れましょう」


 しっかり具材が混ざったら皿に移し替えて、刻みネギと海苔をちらして完成だ。


「ほい完成。『マボロシキノコの和風パスタ』一人前〜」


:うおおおおお

:映像越しに匂いが漂ってきそう

:ええいVR技術班はまだか! もう画面越しに見るだけは我慢ならんぞ!

:金色のキノコが油でテカってギラギラしてる




 それじゃあ実食といきましょうかね。腹減った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ