表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンで魔物料理店を開いたけど客が来ないので、ダンジョン配信者になって宣伝しようと思う。  作者: 猫額とまり
第1章 開店! 止まり木亭

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/145

第18話 下層でお店を開いた理由


「下層で店やってる理由かぁ、色々あるんだけどねー」


:あーそれ俺も気になってた

:ずっと気になって実は集中して配信見れてなかった

:料理の腕はあるみたいだし、普通に地上で売り出せば問題ないと思うんだけど


 ……まあ特に隠すことでもないし、話しても大丈夫か。




「この『止まり木亭』、元々は俺の店じゃないんだよね」


「……え、そうなんですか?」


「うん。今はもう居ないけれど、別の人……店長(・・)がこの場所で、ダンジョン料理の店を営んでたんだ」


 とっくに見慣れた店内を見回す。

 俺の料理人としての人生がスタートした場所だ。当時の人々は誰もいなくなったが、思い出はまだ俺の中に残り続けている。


「当時の店長曰く、わざわざダンジョンに店を構えたのは、“探索者達にとってのオアシスを作りたい”っていう信念があったみたい。いわばダンジョン内での休憩所、止まり木を作りたかったんだろうね。……で、俺はそこで働く店員だった」


:店員……?

:あー話が見えてきたかも

:元々トオルが建てた店じゃないのか

:この人間が店員やってる姿がちょっと想像できない



「で、色々あって当時の店長が、店を辞める事になってね。それで店員だった俺がこの店を継ぎたいって言ったんだ。そしたら『この店はお前に預けるから、その間自分で店をやってみせろ』って話になってね。それで当時の信念そのままに、店を預かる事になった」


「……トオルさんはこの店の二代目店長、ということですか?」


「そうなるね。まあ店の名前も当時とは違うし、味も多少変わってるだろうから、二代目店長なのか全く別の店と見るべきか、ちょっと微妙なところではあるけど」



 ……俺にとっては大事な思い出の眠る場所でもあるからな。あのまま店が消滅するのを黙って見てはいられなかった。

 これは流石にちょっと恥ずかしいから、表には出せんけれども。



:あぁ、前の店長からお店を引き継いだんだね。元々この場所に店はあったんだ

:……うん、探索者の立場としては、確かにゆっくり(くつろ)げる店があれば助かるっちゃ助かるけども。だからってこんな危険地帯に店構えるか……?

:地上じゃなくて、ダンジョンの中でないと意味がなかったのか

:でもオアシスを作りたいって目的なら、別に繁盛しなくても問題ないのでは?

:というかもっと地上に近い場所に店を構えればいいのでは?


「ん? なんで上層とかに引っ越さないのかって? そりゃまぁ……一応、この店を預かってる(・・・・・)立場だし。勝手に引っ越して場所を変えるのは気が引けたのと、他に良い立地が見つからなかった事と……俺にとっては(・・・・・・)なるべく深い場所(・・・・・・・・)の方が(・・・)都合が良かったから(・・・・・・・・・)


「深い場所の方が、都合が良い……?」


「ごめん、そこは俺の個人的な都合が絡む部分だから、詳しくは話せないんだ。ただ浅い層に店を構える方が客が増えるってことは、分かってたつもり。色々バランスを考えて、結局一番良い場所が下層7階だったって事」


:一応立地については考えてはいたんだ……

:初めて主さんのプライベートな部分が垣間見えた気がする

:その諸事情はすごく気になるところだけど、本人が隠したがってるしあんま詮索するべきではないか

:その結果が下層7階なのはちょっとアレだけど。まず客が来れる場所じゃないから



「そこがちょっとわかんないんだよね……前の店長の時は、この場所でもそこそこ繁盛してたんだけどなぁ。店長が居なくなったとはいえ、ここまで客足が減るもんなのか?」


 店の名前は変わったとはいえ、流石に閑古鳥(かんこどり)が鳴く様ではあの人に顔向けできない。あと俺も寂しい。

 それでなんとかお客さんを確保しようと考えた結果が、配信者としての活動だ。


「い、以前は繁盛していたんですか? そのお客さんって人間の方ですか??」


「普通の探索者の人達だったよ? 下層のボス、シャドウマスターに挑む前の景気付けだ、って言って来てくれるお客さんが多かったよ」


「……んんっ???」


 あれ、ホムラちゃんが怪訝な顔をしている。なんだろう。


:なんかズレてるな

:話が噛み合ってない

:それだけ人が来てるなら噂くらいは出回りそうだけど

:お前まだなんか言ってないことあるんとちゃうか?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ