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貴族学園を追放された落ちこぼれは覚醒し、革命を起こす―因果律無効の魔眼でダメージを無効化―  作者: ネイン
反撃の狼煙編

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第五九話(第一編最終話) 修行の果てに③

 修行を始めて一週間が経った。


 基本的に修行の始まりは組手から始まる。


 今日もまた修行をしていて、


「ぐあっ!」


 バンリーベルが俺の懐に潜って腹部に掌底打ちを食らわせてきたので、壁際まで吹っ飛ばされる。吹っ飛ばされながらも俺は空中で一回転しながら壁を蹴り、元の場所まで戻る。俺はバンリーベルに向かって手刀を振るうが、


「―――っ!」


 バンリーベルは上へと飛んでいた。


「闘気ってのは飛ぶこともできるのか」


 俺は顔を見上げて、上空に佇むバンリーベルを見つめる。


「空を飛ぶのはお主にはまだ難しかったかの……ん!」


 バンリーベルは目を見開く。俺が両腕を床に叩きつけ、反動で上へと無理やり飛んだからだ。バンリーベルへ追いついた俺は彼女と共に下に落ちながら肉弾戦を繰り広げる。


 そして、床に到着すると同時に拳と拳をぶつけ合うが、


「チッ」


 俺はまた後方へと吹っ飛ばされてしまう。


 次いで俺は後方に三回バク転することで吹っ飛ばされたことによる勢いを殺す。


「ふぅ……無茶しおるわい」


 バンリーベルを肩で息をしていた。


「はぁ……よし!」


 俺は両手を膝につき、一呼吸したあと、すぐに構える。


「体力が人間離れしておる」


「まあ体力には自信があるからな」


「我もだ」


「じゃあ今日も長らく付き合ってもらうぜ」


「構わぬ」


 このヴァンパイアは俺の力への渇望を満たしてくれる。相手がどう思っているか分からないが……少なくとも退屈していないことが言葉の端々から感じられた。


 ――――八時間後。


「「はっ!」」


 俺達は気合と共に剣を振るって青白いオーラ――剣煌気(けんこうき)による衝撃波をぶつけ合っていた。


「くっあっ!」


 衝撃波を数回ぶつけあった後、俺はバンリーベルの衝撃波に押し負けて床に転がる。


「はぁはぁ……ヘヘッ」


 息を乱しながら俺はニヤケ面で立ち上がる。


「老体に堪えるの……」


 バンリーベルは肩を落として疲労した様子を見せていた。


「お主はタガが外れておる。力への欲が普通ではないぞ」


 次にバンリーベルは頭を人差し指でトントンと叩く。俺の頭がおかしいと言いたいらしい。失礼な奴だ。


「言われなくても分かっている、鍛練をし続けているうちにこうなっちまったんだ。だが今は過去の俺に感謝している、こうでもしなきゃ世界なんて変えられないからな」


「人のことは言えぬが随分と歪んでおるな。一週間戦ってきて分かったが、お主の力の根源は理解の範疇を超えた精神力だ。迫害されつつも努力をしたことで培われたのだろうが魔眼の覚醒と共に人の範疇を越えてしまったとみた」


「分析どうも」


 そう言いながら、俺は頭を掻き、


「さて、戦いの続きといこうじゃないかバンリー」


 剣の切っ先を彼女に向ける。


「ふん、馴れ馴れしい」


 一見、無愛想なバンリーは相変わらず満更でもなさそうだ。


 この努力が報われる保証なんてない、あっさりと敵に殺されてしまうかもしない。それが戦いだ。だが、それでも俺はこの世界を変えるために剣を振るい続けよう。革命という名の理想を追い求めて。

これにて第一編終了です。当初の予定通り一〇万字に達成したので一旦は完結させていただきます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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