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貴族学園を追放された落ちこぼれは覚醒し、革命を起こす―因果律無効の魔眼でダメージを無効化―  作者: ネイン
反撃の狼煙編

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第三三話 反逆者vs王国最強の盾③

 右から左、左から右へと――


「だあああああああああああ!」


 ――俺はファルカオに剣を全力で叩きつけていた。


「ぐぬうっ!」


 ファルカオは反撃しようとするも俺は手を休めず、防御に徹するように仕向けた。筋繊維を余すことなく収縮させて、剣で相手の腕を殴り続ける。たまらず、ファルカオは後退し両拳を繰り出そうとする。


 因果律無効の魔眼を有効活用するなら距離を空けて遠距離の斬撃を繰り出すべきだが。


「お前に隙は与えない!」


 俺はあえて距離を詰めて猛攻を続けた。


「ぬうううっ!」


 ファルカオの体に傷こそ付かないが、拳や腕で俺の剣撃を防御する度に体が大きく左右に揺れていた。


「うおおおおおおおおおお!」「ぬおおおおおおおおお!」


 攻撃する俺と防御するファルカオ。


「どういうことだ!」


 ファルカオは瞠目し口を開いた。


「さっきよりも速く、重いっ!」


 攻撃を受け続けながら俺の変化に気付いていた。


 ――――速く、鋭く、重い攻撃に変化していることに自覚はあった。だからこそ距離を詰めて攻撃を続けた。


「はああああああああっ!」


「――――っ⁉」


 俺が剣を振るう度に轟音が鳴る。剣を受け止めるファルカオは苦虫を嚙み潰したような顔をした。


 心の臓から剣身に正体不明の力が伝わっている気がする。


 魔力ではない全く別の概念の力を感じる。この感覚には覚えがある。剣を木の幹に打ちつけていたときにも似たような感覚があった。そのときの一撃は今までの比にならないぐらい強いのだが、その本領を発揮する前に木の幹は壊れていたので正体不明の力を確認することはなかった。


「なんだこの音は⁉」


「あいつ魔力使えないんだろ? あれは『風属性魔法』じゃないのか⁉」


「多分、違う! あいつから魔力は感じない!」


 兵士達は竜巻を起こしかねない俺の剣撃に驚嘆していた。


「クッ、ハハハハハハ!」


「ぐっ!」


 俺が哄笑しながら横一文字に剣を腕にぶつけるとファルカオは確かに額に汗を浮かべていた。


 直感的にこの力は一心不乱に剣を振り続けたものが辿り着ける領域だと分かった。魔法を主体とした戦闘スタイルを続けていれば身に付かない力だ。


「っ⁉」


 ファルカオはハッとしたような表情を見せる。


 左横一文字の一撃でファルカオの腕の薄皮が切れていた。出血はしていないが確かに僅かな手応えがあった。


「うっそーマジ?」


「ほぅ……美しいね」


「あの野郎……!」


 戦いを傍観していた将軍――ナナ、サムエル、レイズがファルカオの薄皮が切れたことに気付いたようだ。


 俺は剣を折り返して、右横一文字の一撃を食らわそうとすると、剣身には無数の風が収束し、キンキン、と耳鳴りのような音を鳴らし続ける。


 大気中の空気を収束させた一撃、名付けるなら――


「――――『風薙ぎ』!」


 俺はファルカオが縦に構えた両腕を斬る。その瞬間、少し騒がしかった周りに静寂が訪れる。


「「………………」」


 『風薙ぎ』を放った俺はゆっくりと後退しながらファルカオと目を合わせる。


「馬鹿な……信じられん! こんなことが……!」


 ファルカオは俺から斬られた箇所に視線を移したあと、


「ぐぬおおおおおおおおおおお!」


 時間差で両腕に斬られた跡が浮かび上がり、そこからおびただしいほどの血液が噴出していた。


 ファルカオの腕そのものは千切れてはいないが、もはや拳を振るえる状態じゃないほど傷が深い。彼は苦悶の表情で両膝をつき、肩を落とす。


 訪れた静寂はその瞬間、破られる。


「嘘だ、ファルカオ様が血を流すなんて⁉」


「夢だろ夢に違いない、そう言ってくれ!」


「あ、あああ……化け物だ……」


 兵士達はファルカオが斬られたという事実に怯え始めていた。


 俺は魔眼と剣の腕で魔法王国最強の盾を打ち破ったのだった。

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