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貴族学園を追放された落ちこぼれは覚醒し、革命を起こす―因果律無効の魔眼でダメージを無効化―  作者: ネイン
反撃の狼煙編

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第二六話 数々の魔道具と飛空艇

 現在は深夜。俺とセラは王城の離れにある宝物庫に入り込んでいた。


 宝物庫の周りは兵士が見回りしていたが、セラは王都に張り巡らされた地下水路を把握しており、俺達は離れにある水路から宝物庫に侵入した。


 地下水路から宝物庫に繋がるはしごを登った俺は天井を見上げる。


 屋上はガラス張りで月明かりが差し込んでいた。また、周囲には武器、防具、装飾品が種類ごとにまとめて置かれていた。全てが国中から押収した魔道具だ。


「今は周りに誰もいませんわね」


 セラは指を鳴らして、自身と俺の透明状態を解く。それから俺は歩いて、何に使うのか分からないマフラー型の魔道具を手に取る。


「この辺の物、全部根こそぎ持っていきたいな」


 魔道具はあって損することはないので、願望を言ってみた。


「ではそうしましょう」


「半分冗談で言ってみただけだ。物量的に無理だろ」


「持っていけますわよ」


「どういうことだ?」


 セラが出来もしなさそうなことを言うので思わず、彼女の方を向く。


「これを使えばいいのですわ」


 セラは指輪型の魔道具を手に取って俺の方に投げる。俺はパシッと指輪をキャッチし、それをまじまじと確認する。


 何の変哲もない指輪だ。特筆すべきは全体が黒い色ということだろう。


「……物を収納できるタイプの魔法でも込められているのか?」


「さすがファル様、察しがいいですわね。それは生命以外を収納できる異空間が内包されている『異次元の指輪』と呼ばれていますわ」


「ふーん、もらお」


 俺は何食わぬ顔で指輪を懐に入れる。


「わっ、泥棒ですわ」


 セラは口元に手を当てて、揶揄(からか)うような素振り見せる。


「フッ……あんたもな」


 俺はニヤリと笑って言葉を返すと、セラは「アハッ」と笑う。


「で、肝心のものはどこだ」


 本題を切り出す。俺達がここに来たのは王国の手が届かないところへ行くための手段を得るためだ。


「こっちこっち」


 少し前を歩いたセラは赤い扉の前で手招きをするので、後に続いた。


 扉に錠が何重にも施されてるがセラは手持ちの鍵で難無く錠を開く。扉の中に入った俺達の目の前には巨大な物体が現れた。


「なんだこれは……船か?」


 巨大な物体は全長六〇センチで、三角帆が三つ立っており、細長い船首が付いていた。まるで船のようだったが、船にしては底が平らだったので違和感があった。


「これは飛空艇ですわ。王国は『ガレアス艇』と名付けています」


 セラが巨大な物体について説明してくれる。


「飛空艇……王国が開発した新しい乗り物か?」


 俺の言葉にセラはかぶりを振る。


「古代の遺跡から発掘したのですわ。今の技術では再現できない空飛ぶ船と言ったところでしょうか」


「いわゆるロストテクノロジーか。原動力は?」


「魔晶石ですわ。この飛空艇には元々、巨大な魔晶石が組み込まれたまま眠っていたので魔晶石を補給する必要はありませんわ」


 魔晶石――視認できず掴むこともできない魔力が自然環境によって、一か所に溜まり続けて、長い時間かけて結晶化する貴重な鉱物だ。


 ロストテクノロジーの船といい魔晶石といい、この二つだけで何億……何十億ゼニ―するのか分からない。


「確かにこれを扱えれば簡単に国を出れるな」


 俺は懐から『異次元の指輪』を出して、指輪に船を収納しようとするが。


「……反応ないな」


「あ、もしかして――」


「魔力を通して発動するタイプか」


 魔道具は二種類あり、回数制限はあるが魔力を消費せずに使えるものと、無制限に扱えるが魔力を通して発動できるものがある。この魔道具は後者のタイプということになる。


 俺はセラに指輪を投げ返し、セラが実験的に船を指輪を使って収納すると、巨大な飛空艇は影も形も見えなくなった。飛空艇を収納できることが証明されたが、どうやら指輪の中の異空間にも容量があり、飛空艇をしまうので精一杯だった。


兎にも角にも移動手段を確保できそうで良かった。

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