100万回死んだメロス
「なぜだぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「雨漏りを……ってどうした!?」
私はベッドの上でもがいた。
私は何度も何度も同じ3ヶ月を繰り返した。
何度やっても兄とセリヌンティウスが死んでしまう。
何度やっても二人を生かすことができない。
あるとき、兄は王宮に着く直前で両足をつり、ギリギリ間に合わなかった。セリヌンティウスはギリギリ殺された。
あるとき、大枚をはたいて馬を借り兄を乗せたら村を出た瞬間に落馬して兄が死んだ。セリヌンティウスは速攻で殺された。
あるとき、兄は筋肉をつけすぎて途中の川に沈んで死んだ。セリヌンティウスはやっぱり殺された。
最近で一番惜しかったのはたまたま村の近くに居た傭兵を雇って兄に同行させたらその傭兵が凄腕でセリヌンティウスを救出することに成功したが結局金で揉めて二人共殺されてしまった。
「どーしたらいいのー!!」
「ど、どうしよう。妹がおかしくなってしまった……」
もう、徹底的にやるしかない。
兄の行動を徹底的に管理し、これまでの繰り返しで培ってきたすべての知識を活かして鍛えるししかない!!
「やってやる!やってやるぞぉぉぉぉ!!」
それから私と兄の地獄の特訓が始まった。