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時をかける妹 Returns
額に落ちた雨漏りで私は目を覚ました。
泣きつかれて寝てしまったようだ。
ボロボロの天井を直してくれる人はもういな──。
「おーう、やっと起きたかー寝坊助!雨漏り直すから……」
枕元に兄が立っていた。私のたった一人の家族。大好きだった兄が……。
「はぁ!?」
「なんだあ?幽霊でも見たような顔して」
私は兄に飛びついた。
「うわっなんだよ」
「殺されてんじゃないわよ!!」
私は兄のブヨブヨの腹を蹴りながら泣いた。
「イテッ!イテッ!やめろ!」
「ねえおにい……クソ兄貴、今日は何日?」
「あ?今日は……」
私は再び結婚式の3ヶ月前に戻っていた。