探偵と助手と小間使い
私の名前は亜毛治小五郎、私立探偵を生業にしている。
私立探偵と言ってもそこらの探偵屋と違って、浮気調査やペット探しなどのちっこい仕事はしない。
うちの顧客は日本中の警察とお金持ちの上級市民。
最近では、アメリカやヨーロッパの警察や海外の超お金持ちからも依頼が来る。
当然だが、天下の名探偵明智小五郎大先生とは縁もゆかりも無い。
でも、私の助手をしている美少女の小林君は違う。
明智小五郎大先生の助手をしていた小林少年の玄孫が、私の助手をしている美少女小林君なのだ。
「ただいまー」
「おかえりなさい。
買えた? ○○屋の販売個数限定のモンブラン買えた!」
事務所のドアを開け暖かい室内に足を踏み入れた私に、豪華なソファの上に寝そべっていた美少女、小学5年生の小林君が声を掛けて来た。
「買えたよ、3個」
「ヤッター!」
「今、お茶を淹れるから」
「コーヒーが良い」
「はいはい」
「あと、これ。
S県のK署に届けて来て」
美少女の小林君が分厚い書類の束を差し出しながら言って来る。
「そんなのFAXで送れば良いだろ」
「私はK駅の駅前にある●◆堂のお饅頭が食べたいの!」
「分かったよー、行って来るよー」
「コーヒー淹れてからで良いからね」
「分かりました」
これで分かったと思うが、私、亜毛治小五郎探偵と助手の美少女小林君との関係は、世間の目を誤魔化す為の建前。
真実は、小学生の美少女小林君が美味しいものを好きなだけ食べたいと思い、それを実現するお金を得るために作ったのが亜毛治小五郎探偵事務所。
依頼された難事件を解決しているのも私では無く天才美少女小林君、2年前、美少女小林君のスカートの中を覗こうとして3才の頃から空手を習っていた美少女小林君に半殺しにされたロリコンの私は、それから美少女小林君に頭が上がらずこき使われている。
私は探偵事務所の探偵なんかでは無く…………ただの小間使いなんだよ。