物好き
異能バトルとは…
3話書いても物語に進展ないってヤバくないですかね?
─とんだ物好き─
白月唯が藍神蓮に抱いた第一印象はこうであった。
自分に進んで関わろうとする者など居ない、それが白月唯の15年間で得た一種の結論であった。
ただ"アルビノ"が珍しいから声をかけてきたのならまだわかる。実際、過去に何度かはそういう理由で声をかけてきた者だっていた。
しかし、目の前の藍神と名乗る男は声をかけるだけに留まらず、名前まで教えてくれ、などと言った。
(どうせ、アルビノを初めてみたから興味を持っただけだろう)と唯は結論づけ、藍神の質問には応じなかった。
しかし、余程諦めが悪いのか藍神は肩をすくめながら
「やれやれ、こちらは名乗ったというのに君の名前は教えてくれないのかい?」
なんて一方通行な事を言い切った。
これには、さしもの唯も驚いた。いや、呆れた。
その瞬間に、手元にあったはずのノートの1冊が藍神によって奪われた。
「へぇ〜…白月唯ちゃん…か」
藍神は、唯のノートを手に取りながらノートに刻まれた名前をみて呟いた。
ただ、唯も黙ってないと藍神の手からノートを奪い返し、藍神をキッ!と睨み返す。
それに対して、藍神はおどける様に両手を上げて、降参の意を示す。
「そんなに怖い顔しないでよ、ただ名前を知りたかっただけだってば」
なおも藍神はそう言って唯に話しかける。
流石にこれには唯も黙ってはいられず、思わずここ数年は他者と交わすことの無かった会話を始めた。
「…人を物珍しそうにみて、しかも図々しく『こちらが名乗ったから名乗れ』なんて言う人に、こちらから名乗る義理はありません。」
「物珍しそう?確かに君の髪の色や瞳の色は日本人離れしてるけど珍しいからじゃなくて綺麗だったから声をかけただけだよ?」
「…綺麗…何も知らないからそんな事が言えるんですよ…」
「なら、君の事を教えてくれないかな?」
話がどんどん変な方向へ脱線していく。
いつの間にか教室には2人だけになってしまい、他のクラスメイトは入学式の為に体育館まで行ってしまったようだ。
それに気づいた唯は、話を強引に切り上げ急いで体育館へと向かい、それに続くように藍神も体育館へと向かった。
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入学式での祝辞等が終わり、担任の教師の自己紹介と生徒達の自己紹介を終え、昼休みになった。
大半の生徒は既にグループを形成し、仲良さげに昼食を摂るか、談笑している。
その空気に耐えきれなくなったのか、唯は学食にある購買のサンドイッチと自分の水筒を持ち、誰も居ないであろうと踏んだ屋上に足を運んだ。
賑やかな喧騒とは程遠い静寂に包まれた屋上で、サンドイッチを食べようとした瞬間に耳元で声が聞こえた。
「クラスの皆と食べないの?」
咄嗟の事に反応出来ず、警戒度MAXでその場から飛び退いて声の主を探す。
すると、やはりというかまたもやというか声の主は藍神だった。
唯はとりあえず警戒したまま元いた場所に戻り腰掛け、声の主である藍神に問いただした。
「…さっきまで、確かに屋上には誰の気配もなかったんだけど…どうやって忍び込んだの…?」
「忍び込んだって…僕は忍者やスパイじゃないんだから」
「…じゃあネズミね…」
「『まるで』とかじゃなくて確定申告!?随分手厳しいね!?」
と困惑するように叫ぶ藍神を余所に、サンドイッチを無言で食べる唯。
すると、藍神が無断で唯の隣に腰掛けると、一言。
「ごめん。厚かましい願いだと思うけど、僕は君が何故、そこまで僕を嫌うのか…いや、人を嫌うのか気になって付いてきた」
最初に謝ったのは、藍神なり唯の過去にあった出来事を想像し、それを喋ってくれなどという無神経極まりない発言に対する謝罪だろう。
しかし、当の唯は藍神の言葉には耳を傾けず「答える気は無い」と無言で訴えた。
そして、食べきったサンドイッチのビニール袋を持ち教室へ戻ろうとする。
「…待ってくれ。どうにも、君のその人の避けようはただのイジメからのようには思えない」
沈黙
「僕がそれを知って出来る事なんてないんだろうけど…それでも君のそんな姿はみていられない」
沈黙
「出来る事はなくとも、相談ぐらいは出来る。無責任に、君の気持ちをわかるとも思わない。だけど、困ってる君を見過ごせない。」
ようやく、対話をするためか口を開く唯。
もっとも、その口から発せられた言葉は対話する意思などなく、皮肉な捨て台詞だった。
「…随分なお人好し…」
沈黙
「…私には…関わらない方がいいです…」
沈黙
「…いや…”私に関わらないでください”…」
悲しげで、痛みに堪えてるようでいて、長年隠し通した自らの罪を告白し、懺悔するような表情
そして、唯は屋上を後にした。
屋上取り残された藍神は、酷く悲しげであった彼女の横顔を思い出し
「放ってなんかおけない」
と思いながらも、自分ではどうする事も出来ないのでどうするべきか悩んでいた。
唯も、自分がなぜ、初対面の男にあの様な事を言ったのかよくわかっていなかった。
普段なら、無視をし続けて、あちらから関わらなくしようとするのをひたすら待つだけだった。
しかし、藍神に対しては何故かムキになって、子供が癇癪を起こしたように言い返してしまった。
─なんなの…この胸の奥の痛み…─
唯にとっては初めての、他人から思いやられたが、それを拒絶した事による"罪悪感"が唯を襲う。
そのまま、昼食を取った後は部活動や委員会の説明などを聞いて終わり。
学校が終わり、帰路につこうとしていた。
─そこで、事件は起こった─
書きたいことはいっぱいあるのにそれに繋げる話が思いつかなぁぁぁい!
いい加減次話では異能バトルさせたいです。ハイ…