Chapter-one 『乾いた地面①』
ずっと憧れていたファンタジー小説。書くだけで楽しいですが、何ヶ月か経った時見返すと恥ずかしかったりするんですよね_( _´ω`)_
僕は自分を、自分自身を本当に見れているのだろうか。
気がつけば、ここにいた。
覚醒は青天霹靂。
自我は曖昧模糊に無知蒙昧。
なんの突拍子もなく、なんの前振りもなく振られる1面だけのサイコロと人生ゲーム。
まるで神の気まぐれで魂でも授けられたかのような。
気づけば暗闇から掻き分け、部屋の真ん中に立っていた。
不思議にも違和感は無い。
自分が、自分達がここにいるのは必然なのだ。当然なのだ。運命なのだ。と肌が促してくる。
けれど、時間が経つにつれ意識の歯車がズレていく。
だっておかしいじゃないか。
上手く言葉に出来ない、けれど。
自身の無を感じる。突如、自分の意識の皮が剥がされ、意識と体を分離されたような。
けれど、やはり言葉には出来ない。させてくれない。自分でも意味がわからない。意味を持たせたくない。持たせると何もかもが壊れそうで、怖い。とても怖い。分からない事はとてもとても怖い。
僕は、自分自身を見ることはできるのだろうか。
結論。そんなことどうでもよかった。
『おらァァァァァァァァァァァ!!!』
「ひでぶっ!!」
いかにも荒くれ者、と言わんばかりの男が大剣を振り抜き、僕の体に炸裂させた。僕は妙な呻き声を吐き出し、勢いのまま壁に激突する。
レンガ造りの壁は衝撃を殺せず、ガラガラと崩れ、レンガ山と化した。
『ぜぇ…ぜぇ……やっとくたばったか。』
「……うぅ」
男は荒い呼吸をし、大剣を地面に突き立て、僕の左手から零れる色とりどりの光の粒を左手で1つ1つ摘み取り、右手の甲の中に入れていく。
『チッ……たったの3つかよ。とんだ徒労だなぁオイ。……何とか言えよザコが!!』
「うがっ!」
男は苛立ちを隠せず顔を歪めながら少年の腹を蹴り上げる。朦朧としていた意識を引き上げられ、2度目の呻き。
(お腹を蹴るとは…酷いことをするものだ)
少年はお腹を擦りながら体を起こす。表情は苦汁を顔にかけられたかのよう。
『はっ、噂通り墜ちたルーキーだなぁ?【有才無才】さんよぉ?いや、元【有才】ってか!?本当にいい気味だよ!!あの話を聞いた時はよぉ、皆で腹抱えて喜んだもんだぜ?なぁオイ。』
「……才能すら持てなかった者の妬みか?」
男は罵倒をするが思わぬ反撃に1度顔を歪める。が、すぐに鼻をスンと鳴らし、開き直る。
『ま、才能に見放されるよりはマシだろ?くくくっ。』
男は少年の悔しそうな顔を嘲笑しながら確認すると、ガニ股気味に大剣を担ぎ、メインストリートへと戻ってフラフラと歩いていく。
それから路地裏はシンと静まり返りってしまった。襲いかかる空虚感とお腹の痛みに屈し、路地裏に仰向けに寝そべる。と、同時に建物の屋根にいた【ミルキーバード】は乳白色の毛で覆われたフサフサのお尻をふりふりと差し出し、排泄。
高速で降下してくる排泄物に反応出来るはずもなく、ベチャッと虚しく顔に炸裂してしまった。
「汚いなぁ……もう」
顔に付着した排泄物を拭う事もせず、そのまま寝そべる。
(こっちのがタチが悪いよ……ならさっきの事はなんて事ない事なのかな?そう考えるとなんだか楽かなぁ)
少年はそんな事を考えながら空をただただ眺めた。
今にも泣きだしそうな空とは正反対に、どうしてか少年は満面の笑みを浮かべていた。
再結論。やっぱりどうでもいい。何もかも、何もかも壊れてしまえ。
僕の心が呟いて消えた。
感想頂けるとこれからの意欲になります(。-人-。)
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これからも楽しく書いていきます!