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怪物の眠る器

作者: 椎名恭平

失うモノ 去って行くモノ 壊れてくモノ

後悔の念と 悔しさの出会い

やがて幼き心は 強くなろうとして

弱い自分を隠す為に 怪物を宿す



心を満たさぬサイレンが鳴り響き

君は ふと眼を覚ます

慣れ始めた平穏に 感情を剥き出した

恐ろしいと(わめ)き 願いを純粋に

唱えながら 僕の街を破壊するんだ



時計の針が 進む

成長は いつか 後退する願いへと

夢や希望を語れば 過去の過ちを繰り返す

目に映るモノには 諦めを

耳に残るモノには 疑いを

持って生まれた 才能は 上手く誤魔化す


出逢えば いつかの別れが来る事 なんて当たり前

守る勇気なんてない 失う自信が強くなる

寂しさを紛らわす 心に宿した怪物は

哀しくないように 自分の望んだ世界へと

感情を騙して 成長して行く



心を満たさぬサイレンが鳴り響き

君は ふと眼を覚ます

君が無邪気な頃の様に 感情を(あら)わにする

恐ろしいと(なげ)き 願いを純粋に

唱えながら 僕の迷いにトドメを刺した



振り返れば足跡と瓦礫の群れ

傷ついた人よりも 言い訳と理由を作り直す

手に振れるモノには ある程度の弱さを

頭に残るモノには 叶う程度の強さを

持って生まれた 才能は 自分を化かす


寂しさを紛らわす 心に宿した怪物は

哀しくないように 自分の望んだ世界へと

感情を騙して 成長して行く


心を満たさぬサイレンが鳴り響き

君は ふと眼を覚ます

君が無邪気な頃の様に 感情を露わにする

恐ろしいと喚き 願いを純粋に

唱えながら 僕の街を破壊するんだ



聴き慣れた言葉達

「ありがとう」も「さよなら」も

優しい貴方から教わったはずなのに

どれも僕の心を締め付ける


ある程度大人になって

君を抑えれる様になって

最も大切なモノが出来た時に

あの言葉達が また僕の心を締め付けた日に



心を満たさぬサイレンが鳴り響き

君を ふと目醒めさす

慣れ始めた平穏に 感情を想い出す

哀しいと喚き 願いを純粋に

唱えながら 僕は君に救われながら

君は僕の心に トドメを刺した


破壊された街に用は無い

鳴らせ 再出発のサイレンを


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