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ワールド・オブ・ザ・デスゲーム  作者: 悠城 拓
第1章 「全ての始まり『エイガルド編』」
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ダンジョン攻略-14

☆★☆★☆


 時は少し遡り、攻略隊がボス部屋で卵を見つけた頃。


「……違う、ここも外れか」


 少量の魔力で覆われた手のひらで壁の表面を撫でる様にゆっくりと滑らす。だが、他の壁面と何ら変わるようなところは無く、あるとすればダンジョン特有なのかザラザラっとした触り心地とツルツルとした触り心地が交互に、なんとも言えない謎の感触が手のひらに伝ってくるだけだった。


「情報だとこの辺りだったはずなんだが、やっぱダンジョンの中が変わって場所も変わっちまったのかな。それかその場所自体が表に出ない場所に移動しちまったかだな」


 この一帯はある程度確認し終えたのか、壁を這わせていた手を壁から離すとウエストポーチから二枚の紙を取り出し、地面に広げると交互に見つめる。二枚の紙に記載されているのは前回、攻略隊がこのダンジョンを攻略したときに記録したダンジョン内の構図と今回のダンジョン攻略のために新たに記録された構図である。


 前回と今回でダンジョンの構造は大幅とは言えないがある程度変わっていることは確認できたが、自分が探しているものはそう簡単に見つかることのない困難なものだと改めて認識した。


「せめて目印になるようなものがちょっとでもあれば何とかなるかと思っていたが、そう簡単には見つからねぇよな。見つけるまでにあいつらが死ななきゃいいけど……」


 ウエストポーチから新たに携帯食料と水筒を取り出し、パパッと口に放り込むと地面に広げた二枚の地図をウエストポーチにしまう。そして、まだ確認していない次の場所に向かおうと立ち上がると、ダンジョン全体を揺らすほどの地響きが通路に響く。突然の揺れに尻もちをついてしまったが、すぐに身体を起こし、腰に差している片手直剣に手を添える。


 謎の地響きは地図上、通路の無い壁の奥でまるで何か大きなものが動いているかのように揺れの強さが徐々に弱くなっていった。完全に揺れが収まると、片手直剣に添えていた手を離すと揺れの正体であろうものの通った方の壁へと近づき、壁を調べる。


 すると、小さなものから人差し指位の大きさの罅や亀裂まで壁の所々に出来ており、それらを魔力で覆った手でなぞる様に這わせていくと次第に手のひらとほぼ変わらないくらいの大きさの亀裂を見つけた。その部分は先ほどの地響きのせいでかなりのダメージを負っているのか少し触れただけで砂埃が落ち、そのあたりを軽くノックするように叩くと中はまるで巨大な空間が出来ているのか微かにだが、音が反響したのを耳にした。


「ちょうどいい、前回のは見つからなかったけど今回のもかなりでかいようだな。とりあえずこれで探しているものは見つかった。後はどうやってあいつらがあの地響きの主を倒すかだな」


 心の奥でガッツポーズをした後、思い出す様に腰と脚のホルダーから拳銃を取り出すと魔力を込め始めた。探していたのを見つけることが出来、喜びを噛み締めたいところだが、まだ完全に安全の確認が出来ていないことを思いだした。まずはこの壁の奥がどうなっているかの確認と魔物がいないかの安全を確認する。そして次にその巨大な空洞はどこにどう繋がっているのか事前に貰った白紙に記載する。その二つが今の自分に与えられた仕事だった。


「よし、こんなもんかな?久しぶりに全属性を込めると疲れるな。ダブル『3色弾(カラーバレッド)』!」


 ある程度の魔力を込め終えると、引き金を一気に引き魔力弾を壁の亀裂が入っている所に向けて発射した。二丁の銃口からは三色の弾が二発、絡まりながら放出された。そして壁に引き込まれるように真っすぐに飛んでいくと、耳を劈くほどの音を出しながら壁は土埃を舞い散らかし、崩れた。


 土埃が収まり、壁の奥へと足を踏み入れるとそこはどこまでも続く闇しかなく先がどうなっているのかも分からない状況だった。両側に『閃光(フラッシュ)』を撃ち込み、この先の通路を確認しようと試みたのだが、魔力が吸い込まれているのかはたまた闇が強すぎて光が弱まってしまったのか3メートル程度先までしか確認する事が出来なかった。


「結局歩くしかねぇか。めんどくせぇ」


 もうすでにいろんな意味で疲れているせいなのか、かなり大きめのため息が無意識に口から零れるとウエストポーチを漁り始めた。取り出したのは火打石と組み立て式の松明だ。松明は大体木の棒に油を染み込ませた布を巻き付ける物だと思っていたがこれは違った。今回出したのは二つの少しだけサイズの違う金属のような棒だ。


 サイズの違う棒を教えてもらった通りに組み立てると、カチリという音を合図かのように両端の形が変形したのだ。持ち手側には押すタイプのボタンとスライド式のボタンが現れただけであり、持ち手ではない方の所は形状がかなり変わりまるで篝火の籠の様なものが出来上がり、籠の中央には何かを噴出させるかのような穴の開いた棒が少しだけ飛び出ていた。


「えっと、確かこっちのボタンが火を起こすときに使って、このスライド式で調節だったか」


 誰が作ったのか借りたサクラからはこの組み立て式の松明の事を一切何も聞かなかったが、少しだけこれの作り方が気になってしまった。だが、今はそんなことを考えている暇ではない。まずは火を起こし、通路の確認が先決だ。持ち手側に着いたボタンを足を押しながら火打石で火を起こす。どういう仕組みなのか松明の籠の中心にある棒が火打石から起きた火花を吸い込んだ。暫くすると火花を吸い込んだ棒の先からまるでライター程度の火が点灯した。


 スライド式のボタンを徐々に上にスライドさせていくと、ライター程度の火がまるで燃料を得たかのように火を膨大させ、手で持っていると少し熱く感じさせる程度まで大きくなった。


「よし、なんとかなったな。まずはこっちから行くか」


 火打石をしまい、松明を片手にまずは地響きがどっちから来たかを思い出しながら地響きが先にしていた方向へと足元を照らしながら歩き出す。

次回更新は11/6です

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