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ワールド・オブ・ザ・デスゲーム  作者: 悠城 拓
第1章 「全ての始まり『エイガルド編』」
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ダンジョン攻略-6

「なる程な、とりあえずお前がその『鑑定』っていう能力を貰ったのはあの神殿にある紫色の宝玉に住むという主のおかげということなんだな」


 今までの経緯を簡潔にだが話すと皆は一度おのおのが頭の中でその話を整理し、数分後にソウジがそう言葉を発した。どうやら理解してくれたようだ。


「これで一応説明は以上だけど理解はしてくれたんだよな?」


「うーん、多分?」


「私も正直半信半疑ですけど……」


「俺らも、だな」


 簡潔な説明に無理があったのかそれともサクラの言うように信じがたいのかソウジやハヤトたちは首を傾げながらも無理やり理解する。だが、やはりあの神殿で起きたシノとの出会いは俺だけのようだ。まさかこんな感じで説明をすることになるとは思っていなかった。判断を早まったかなという考えが脳裏を過ったが、死者を出さなかったので良しとしておこうと思う。


「まぁ、とにかくだ。その話の詳細は街に戻ってからじっくりと聞かせてもらうことにするよ。お前はまだ何か隠してそうだしな」


「ははっまさか」


 ソウジの一言に内心ドキリとしたが、それ以上にまた尋問のように質問の嵐が来るのかと思うと街に戻るのが憂鬱でしかなかった。かと言ってこのままダンジョンにいつまでもいる気に慣れない。どちらにせよ地獄でしかないのはもう目に見えているせいか俺はこれ以上考えるのを放棄し、残された休息の時間を適当に過ごす。


「しかしまぁ、お前が俺たちにまで能力を隠してたとは思わなかったよ」


「それはさっきも謝ったが悪かったって。別に隠してたつもりでもないがな」


 ソウジたちから解放された後、なるべく人目に着かない場所で休息を取っていると、背後から水筒を持ったハヤトが嫌味なのかそう言いながら俺の隣に座り込んだ。俺はというと再度、謝罪の言葉を口にした後、腰と足のホルダーに仕舞っていた二丁の拳銃を取り出すと、魔力を新たに込め、魔法をへと変換する作業を行っていた。ついでにまだ一度も使っていない片手直剣の刃の手入れも行う。と言っても刀身を布で軽く拭うだけだが。


「そういえばお前の魔武石はなぜか二つあったな」


 俺の武器を見て思い出したかのようにハヤトはそう口にする。


「ん?あぁ、そうだな」


「今更とぼけんなよ。もう1つ能力を持っているんだろ。貰ったとかじゃなく印の方の能力を」


 ハヤトは的確に俺の能力の事に関して言葉を掛けてくる。やはりばれているようで俺も言い訳のように言葉を発する事もなく、否定も肯定もせずに自分の作業に集中する。


「無言は肯定と受け取るけど、別に勘違いすんな。誰も責めちゃいねぇよ」


 ハヤトの口から出た言葉に意外にも反応を示してしまった。気付いた時には遅かったのだが、ハヤトは俺の顔を見るや否や、自分の中で整理が出来たのか一度大きく息を吐き出すと静かにその場で立ちあがると口を開いた。


「まぁ、情報ってのはどの世界でも重要だからな。ましてや数ヵ月そこいら一緒の家で生活している奴らにおいそれと自分の情報を全て話す奴の方がやべぇだろ。俺だってお前の立場だったらそうするし、話すことも無いだろうな。だから、お前が俺たちに話さなかったことに関しては別に誰も咎めることもねぇし、責めもしねぇよ。それにお前は人の情報を簡単に手に入れることが出来る立ち位置にいる癖にそれを人に流すようなこともしなかったようだしな」


「ハヤト……」


「それにこのダンジョンの攻略が終わって街に戻ったら話すようだし、別に俺は構わないさ。ただ、その時にはお前が持つ3つ目の能力についても聞かせてくれよ。これ約束な」


 ハヤトはそう言い終えると、歯を見せながらニシシと短く笑った。「そうだな、皆無事に生きて帰れたら話してやるよ」と言葉を返し、不器用にだが笑みを浮かべてみた。それを確認したのかハヤトは身を翻し、俺に背を向けながら「無理はすんなよ」と言葉を掛け、後方部隊の仲間の下へと戻っていった。



☆★☆★☆



「そろそろ次の階層に向かって進む!各自準備を急げ!」


 ハヤトと別れた後、すぐにソウジが攻略隊員と冒険者たちにそう言葉をかけた。俺もソウジのいる場所に戻るため、足を運ぶ。休息の間に治療を施してもらったのか身体の節々に包帯を巻きつけている者もいるが、それは全体の3分の1程度だった。それも軽傷のものだったので神官の魔力もそんなに失うことはなかったようだ。


 そして次に攻略する階層は4層。攻略隊もまだ行ったことのない階層なため、情報は不足しているが地形などはサクラの『広範囲索敵』と俺の『鑑定』を使って攻略していくそうだ。しかし、これは攻略隊と冒険者には説明はされておらず、知っているのはソウジとサクラ、そして俺とハヤトたちだけだ。


「サクラ状況はどうだ」


「5層へと繋がる経路は大体記録は終えていますが、問題は魔物ですね。今までの階層とは魔物の数が多すぎる様にも感じ取れます。しかも、大体の反応が5から10体くらいの群れで形成されているようで魔物同士の連携に注意が必要だと思います」


 4層へと続く階段を降りると、すぐにサクラの『広範囲索敵』により、4層内の確認を行う。4層は多少道が複雑に形成されているようだが、経路に関してはあまり問題ではないらしい。問題なのは異常なまでの魔物の数。サクラの推測だが3層に居座っていた魔物の大半がキメラの出現により4層に逃げ出したものと考えられ、そのせいで4層に魔物の数が増えているのだと考えているようだ。


「魔力の質からして強さ的には4層の中間辺りまでは大したことはないと思いますが中間を超えた辺りからは警戒をした方がいいと思います。正直、今までのダンジョンに潜む魔物の倍以上に質が高いです」


 サクラは困り果てた表情を浮かべながらそう言葉を発する。だが、それはソウジも分かっていたようで「そうか」と短く言葉を返すだけだった。


「まぁ、サクラでも分からない魔物に関してはユウキの『鑑定』で情報を回してもらうつもりだから、逐一魔物の『鑑定』を頼むぞ」


 ソウジは俺に向かってそう言葉を発すると、俺の返事を聞く前に攻略隊員並び冒険者たちに出発の合図を送り、4層へと足を運び始めた。

次回更新は9/11です

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