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ワールド・オブ・ザ・デスゲーム  作者: 悠城 拓
第1章 「全ての始まり『エイガルド編』」
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模擬戦-21

「俺はそんなことさせねぇ!」


 俺は銃口をアキラへと向け、魔力を先ほどより少し多めに込めて引き金を引いたが、それも簡単に躱され、逆にアキラの発動した魔法をその身に受けてしまった。だが、魔法を身に受けたせいかいくらかは冷静になれた気がする。いや、最初から冷静ではあったがアキラの言う通り、いつも通りの動きが出来ていなかったてことは冷静ではなかったのだろう。


 だから俺は一度全身の力を抜くために深く呼吸を吸い、まず何をするべきか、相手の印力の特徴、視線、動きを見て考えることにした。まず、相手の印力については『高速計算』だが、これは依然と謎のままだ。だが、これまでの戦い方を見るとなんとなくだが自分の動きを読まれている感じもある。多分これは第1戦目のサクラ戦の戦いも見ていたことから対策をしていたのかもしれないが、流石に読まれすぎな感じはある。


 まぁ、自分の動きが雑で単調な可能性もあるが、それでもサクラ戦では見せることのなかった『3色弾(カラーバレット)』が通じず、塞がれてしまった理由にはならないだろう。だから、『高速計算』については仮定も含めて相手の行動が読めると考えた方がいいと思える。


 そして相手の視線や動きについては流石攻略隊の魔法支援部隊の指揮を執っているだけある、といったものだった。大体の確認を終え、一旦武器を持つ腕をぶらりと下げるとさらに体の力を抜いた。さらに気合を入れるために自身の頬を両手で挟むように思いっきり叩き脳内をリセットすると再び深く呼吸を吸い、右手に持つ片手直剣をすぐに振りぬけるように首の後ろに回す様に構え、左手に持つ拳銃はすでに魔力を込め終え、アキラへと銃口を向けて、即座に地を蹴った。


「おらぁ!」


 首の後ろに構えていた片手直剣を斜め横に振り下ろしたが、それは簡単にいなさ自分のれた。自分の攻撃を避けたアキラの方へと視線を向けるとアキラはすでに魔法を撃つ準備を終えており、完全に振り向くと同時にアキラは俺に向かって魔法を放っていた。先ほどの冷静ではなかった時と比べ、今はかなり脳内が、視界がクリアになっているため突然の魔法も目に捉えられるほどであり、身体を横に捻って回避した。


「やはり先ほどと変わらず突っ込むことしか頭にないただの馬鹿だな。多分今のも避けれず食らっただろう。おい審判、判定を—————ッ!」


 アキラは先ほどと変わらずユウキのことをただのむやみに突っ込んでくる馬鹿だと過信し、呆れた視線を白煙が上がる方へと向けた後、審判へと視線を変え、言葉を放とうと口を開いた時、白煙の中から出てきたユウキの姿に驚愕した。


 しかも、出てきたのは魔法を食らいボロボロになった姿ではなく一切に傷を受けていない姿に驚愕したのだ。そして、次に瞬間にはアキラ自身が倒れていた。


 倒れたアキラは何が起きたのか理解できずただただ空を眺めていた。顔を左へと向けるとそこにはユウキの持つ剣が地面に深く刺さり、さらに右へと向けると地面にいくつかの穴が開いていた。そこでアキラは何が起きたのか理解した。白煙の中から現れたユウキはアキラの右足と杖を持つ左手に魔力弾が被弾し、体勢を崩した時、瞬時にアキラの背後へと回ったユウキの足払いにより、完全に身体を宙に浮かせたアキラは倒れるように地面に落ちたのだ。


「ごほっ、……なぁ、これでも俺は銃剣士というクラスは宝の持ち腐れか?」


 片手直剣を地面に刺し、アキラが起き上がれないように身体に乗り、押さえつけたユウキがせき込みながら言葉を放った。すべての事を理解したアキラは諦めたように息を軽く吐くと「俺の降参だ」と言葉を溢した。


「アキラさんの降参により勝者はユウキ!」


 審判の合図により、一斉に歓声が上がった。それはもう耳を劈くような雄叫びに近い歓声と控えめな拍手が自身の耳に鳴り響く。俺はゆっくりと身体を起こし、拳銃と片手直剣を仕舞うと地面に横になっているアキラに手を差し伸べた。アキラは無言で俺の手を取り、起き上がると一言—————。


「さっきは勝手なことを言ってすまなかった。あと1戦頑張ってくれ」


「ありがとうございます」


 アキラはそう言葉を発し、頭を軽く下げたのちに人垣の中へと身体を消した。俺は人垣の中へと消えていくアキラの後ろ姿を眺め軽く会釈をした後、自身も人垣を分けて人の少ない場所へと足を運ぶ。ふと、隣の摸擬戦場へと視線を向けると既に最終試合であるソウジとの摸擬戦が始まっており、先ほどまで俺とアキラの試合を見ていた観戦者たちは流れるように最終試合が行われているソウジのいる摸擬戦場へと足を運んでいた。


 あと1戦。しかも順番的に俺は最後だ。ソウジもさすがに連戦の疲労はあるだろうがさっきちらっと見た感じ疲労があるからと言って油断して挑むのは禁物だろう。とにかく少しでも対策を考えないとな。


 俺は休憩スペースとは言い難いベンチがぽつんと置かれただけのスペースへと足を運び、ベンチに腰掛けながら次の最終試合であるソウジとの戦いに備えて色々と考え込む。

次回更新は3/27です

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