模擬戦—17
それから2日後、摸擬戦最終日はあっという間に訪れた。
「参加者観客の皆さん、とうとう摸擬戦も最終日となりました!最後まで熱い戦いをお見逃しなく!それでは最後のクラスである神官、魔法使い、銃剣士、ビーストテイマー、アルケミストの方は私の前に集合してください」
ギルドの裏にある訓練所で攻略隊の1人で今回の摸擬戦の司会を行っている女性が訓練場に響くほどの声量で収集を掛け始めた。それにより最後まで待っていた残りの参加者神官20名、魔法使い15名、銃剣士1名(俺)、ビーストテイマー3名、アルケミスト2名が女性の元へと集まる。
「ふむ、やはり人数が少ないのは仕方ありませんね。まず、こちらで呼ばれた方はあちらにいる白い旗を持った男性の元へ、それ以外は私の下へ行ってください」
女性はそう言うと後方の少し離れた所で小さい旗を持った男性の方へと腕を示す。男性は旗を手を振るように振る。
「では、まず神官の方で貴方とそこの貴方、あとそこにいる3名と貴方はあちらの男性の下へどうぞ」
周りにいた神官の8名はぞろぞろと旗を持った男性の元へと歩き出す。そしてそれは銃剣士の俺を除く魔法使い6名、ビーストテイマー1名、アルケミスト1名が旗を持った男性の下へと向かわされた。呼びかけが終ると同時に女性は余った俺たちに人数分のくじを見せつけてくる。
「では、まずはこちらのくじをお引きください。人数差的にチームを組める方が限られてますので公平にチームを決めさせていただきます。また、攻略隊からも足りない分メンバーを出しますので安心してください」
女性はそう言うとくじをまず一番近くにいた俺の前に出してくる。俺が引いたくじは先が赤く塗られただけで他の皆には数字が書いてあった。
「では、まず1、2、3の数字が書かれたくじを引いた方はこちらにどうぞ」
女性がそう言うとサキを含めた魔法使い2名と神官のハヤト、アルケミストの女性、ビーストテイマーのマシルを含めた2名が数字同士でチームを組んだ。ハヤトはアルケミストの女性とサキはビーストテイマーの男性、マシルはもう1人の魔法使いとチームを組んでいた。
他のまだ組めていない者たちは攻略隊のメンバーが引いたくじと同じ数字の者たちおのおのチームを組んでいた。そして俺はというと—————
「あの、俺余っているんですけど……」
「あぁ!申し訳ないんですけど貴方は赤を引いたので1人になります」
女性は申し訳なさそうな表情を浮かべながらそう言うが、俺の耳には「?」が浮いていた。
「え?1人?」
「はい、申し訳ないのですが貴方は1人で摸擬戦に挑戦するかここで辞退するかになります。その、言いにくいのですが少しでも無理だと思うのでしたら辞退した方が賢明かと……」
「え?足りない分はそちらで補填するんじゃ……」
「すみません、先ほど分けた様にあちらのグループにもメンバーを割いておりまして……。人数的にも限界が……」
あ、これ絶対に意見譲らない奴だ。てか、あんな痛い思いしてまで辞退してたまるか。辞退するくらいなら少しでも抗ってやるわ。
「そうですか、じゃあこのまま参加します」
「ユウキ、本当に大丈夫か?」
ハヤトが心配してきてくれたのか不安な表情で近づき、そう声を掛けてくる。
「まぁ、なんとかなるだろ。勝てなくても実力が認められれば攻略隊には参加出来るようだしな」
俺がそういうとハヤトはそうかと言葉を溢し、俯きながら少し考えたあと、顔を上げるなり「がんばれよ」とだけ言い放ちパートナーの下へと帰っていった。まぁ、実際は全然大丈夫じゃないし、勝てる見込みどころか攻略隊に参加を認められるかも不安だが、言ってしまったものはしょうがない。やれるだけやってみると決めたのだ。
こうして俺たちのグループには12のチームとソロの俺が決まり、これから始まる時摸擬戦の間までおのおのがストレッチや素振りなど緊張を解していた。
次回更新は2/27です




