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ワールド・オブ・ザ・デスゲーム  作者: 悠城 拓
第1章 「全ての始まり『エイガルド編』」
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模擬戦-11

「身体能力ですか……」


 タイセイは相手の2人を警戒しながらゴウとどう連携を取るかを思案する。そして決して相手から視線を離さずにゴウに声を掛ける。


「では、いつも通りのスタイルで戦ってもらっていいですか?」


「あ?」


 ゴウはタイセイのいう言葉に拍子抜けたのかそれともただ単にこの摸擬戦を捨てたとでも思ったのか少しだけタイセイの方へと視線をずらし、声のトーンを落として答えた。だが、ゴウの目に映るタイセイの視線の先にはゴウには向けられてはいないが決して策がない訳でもなく、諦めたわけでもなく自身に満ちた目をしていた。無論、タイセイもゴウの視線には気付いていたが、特に気にする様子もなく頭の中で固めた策を淡々と答える。


「ゴウさんはいつも通りの戦闘をしてください。必要なときだけ僕がカバーに入りますので、その隙を突いてを叩いて下さい」


「それで勝てるのか?」


「それは分かりませんが、負けるつもりはないですよ」


 ゴウの脅しの様な問いにタイセイは表情を変えずにそう答えるとゴウは小さく笑いを溢し、武器を相手へと構えなおす。そして————


「面白れぇ……お前の策に乗ってやるよ。だからしっかりカバーしろよ……なっ!」


 ゴウはそう答え切る前に『噴気』を使い、身体能力のうち脚力を大幅に上げると相手に向かって飛びつくように走り出す。タイヘイも出遅れないよう、武器を構えながらゴウの後ろを追い、いつでもカバーできるよう集中力を高める。


「おらぁ!」


「っ!」


 自身の能力である『噴気』で脚力から腕力へと身体能力を上げる部位を慣れた動作で変えたゴウは自分の近くにいた剣士へと巨剣を振りかざす。いきなりの接近に不意を突かれた表情を浮かべた剣士はゴウの攻撃を辛うじて受け止めることは出来たが、ゴウの体重+『噴気』によって上昇した腕力の力に耐えきれず剣士の持つ片手直剣に小さな亀裂が生まれる。


 ゴウの一瞬の攻撃を横で見ていたガーディアンの男が2人を割るように右手に持った木棍を振りかざすが、それはゴウと剣士に届く前にゴウの後ろを追ってきたタイセイに軽々と塞がれてしまう。そしてガーディアンの攻撃を受け止めたタイセイは一瞬の隙を突き、ガーディアンの持つ木棍に気付かれずに指先で触れるとすぐに剣士と離す様に慣れない手つきで危なげに木剣を振り回す。


「ちっ……面倒なっ!」


 ガーディアンは相方の剣士と離されたのを面倒臭そうにそう答えると、いつタイセイが向かってきてもいいように大盾で自信を隠す様に持つ。それは相方の剣士も同様でゴウがまたいつ攻撃をしてきてもいいように片手直剣を両手で持ち、いつでも攻撃を耐えられるように横に構える。


 ゴウとタイセイは警戒を解かず、少しだけ背中を合わせるように下がる。


「中々やるじゃねぇか。タイセイだったか?」


「えぇ、貴方こそ流石です。……ガーディアンの武器には触れることが出来たのであとは時間が経つまで剣士の相手をしてもらっても?」


「オッケーだ……それよりお前の『消耗』だったか?あれはどれくらいで効果が出る?」


「鉄や金属なら一時間はかかりますが、武器が木製なので数分かと」


 2人は相手に聞こえない小さな声でそう話し合い、タイセイの『消耗』の効果時間を聞くなり、ゴウは「ならそれまでに終わらせてやるよ」と小さい声でも闘志が籠った声でそう答えると、それ以上話す事を止め、いつまでも武器を横に構えている剣士へと再度『噴気』で身体能力を上げながら飛びつく。


 タイセイもこれ以上相手を責める必要がないのでなるべくガーディアンの男を剣士の男から離すことだけを目的に防御を最低限にし、ガーディアンの隙を作らない様に攻撃を繰り出す。


「おらおらおらぁ!いつまで防御に徹してるつもりだぁ!」


 巨剣を軽々と振り回し、剣士に圧と攻撃の重みを徐々に植え付けるように攻撃するゴウに対し、剣士の男はそれを防ぐのにいっぱいいっぱいなせいか後ろへと徐々に下がりながら受け流し切る。だが、それも束の間ほぼ全てのゴウの攻撃を受け止めてきた剣士の男が持つ木剣が折れ飛んだ。そして武器を失った剣士の男はゴウの攻撃を受け止める術もなく、『噴気』によって上昇した腕力により、振りかざされた巨剣になす術無く剣士の男の頭部へと落ち、男が被っていたヘルムが凹んでしまうと同時に男は地面へと叩きつけられた。


 そしてゴウが剣士を倒すとほぼ同時にタイセイが相手をしていたガーディアンの男の木棍がタイセイの『消耗』により塵と化した。それを目にしたタイセイは塵と化した木棍を呆然と見つめるガーディアンの男の一瞬の隙を突き、喉元へと剣を突きつけると静かに「降参して下さい」とだけ発する。


「あ、あぁ……降参、する」


「勝者、タイセイとゴウ!勝利により2人には攻略隊への参加が認められる!」


 状況を理解したガーディアンの男の降参の言葉と同時に審判の男が周りにいる観客にも聞こえる大きな声でそう叫ぶと、一瞬静まり返った観客に称賛の声が上がる。

次回更新は1/16です

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