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ワールド・オブ・ザ・デスゲーム  作者: 悠城 拓
第1章 「全ての始まり『エイガルド編』」
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閑話 前編

 季節は冬。外は雪が降り始めており、かなり肌寒くなっていた。そのせいかギルドに依頼を受けに来る冒険者も訪れず、ギルド内はいつも以上に静かだった。


「なぁ、知っているか?今日はクリスマスらしいぜ」


 クエストボードで手頃な依頼を探しながらハヤトがそう小さく呟く。その目は死んだ魚の様に光を失っており、声色もどことなくいつもより低い。


「あぁ、らしいな。でも、俺たちには関係ないだろ」


 俺はあまり気にした様子を浮かべるでもなく素っ気なくそう答えると、ハヤトがもの凄い勢いで俺の方へと視線を移す。その目は少しばかり血走っており一言でいえば危ない奴だと思ってしまった。


「関係ないけどよぉ。それでも少しは興味持とうぜユウキよぉ……」


 今にも泣きそうな声でそう答えるハヤトに対し、俺は少しだけ面倒くさいと思いながらも相手をしてやることにした。正直なところ、こいつの相手しているより今日の食費を稼がないとという考えがあるせいか早々に切り上げようという考えが脳裏を過る。


「あぁ、はいはい。お前の言いたいことは何となく理解は出来るからとりあえず依頼を探そうな」


「お前……クリスマスとか興味ないのか?一年に一度のイベントだぞ」


「んー…確かにあまりイベントに対して興味ないのはあるな」


 ハヤトはこの世のものとは思えないものを見たような目で俺を見ながら「マジか……」と言葉を溢す。


「いや、でも恋人と過ごすとかあるだろ?忘れない思い出にもなるしっ!」


「あぁ、特にそういうのもなかったな。こういうイベントの時ってあっちの世界だと大体バイト行ってたしな」


 俺はそう答えると同時にちょうど良さそうな報酬の依頼が記載された紙を剥がすと隣で俺とハヤトと一緒に依頼を探していたサキとアカネに確認を取ると受付嬢のいるカウンターへと持ち込む。カウンターには受付嬢が経ったの1人しかおらず、それもギルド長であるマコが担当していた。


「はい、これで受注完了よ。外は寒いし、この時期になると結構積もるらしいからなるべく早めに帰ってくることをお勧めするわよ」


 マコはそう言って依頼書に受注完了の判子を押す。そして一拍遅れて言葉を溢す。


「クリスマスかぁ……カズ君と……ふふっ……っといけないいけない。じゃあ気を付けて行ってくるのよ」


 マコは頬を赤らめながら恋する乙女のようにカズとクリスマスを過ごす妄想を想い浮かべていると思い出したように仕事モードの表情へと一変させ、そう言って手を振りながら見送ってくれる。


「……あれで良ければカズと一緒にアタックしてみれば?多分忘れられない思い出にもなるぞ」


「そんな思い出は求めてねぇよ!」


 冗談ぽくそう促すとハヤトは嫌気全開で全力で否定する。もちろんクリスマスとかイベントに興味のない俺でもあれは嫌だがな。横目にサキたちを見ると笑いを堪えるのに必死に声を抑えているのが目に見て取れる。


「とりあえずさっさと依頼終らせて、飯作って待ってるタイセイたちの所に戻ろう」



次回更新の1/2に続きます。


そして今年最後の更新になりますが、今年1年『ワールド・オブ・ザ・デスゲーム』をご拝読いただきまして誠にありがとうございます。来年もよろしくお願いします。m(_ _)m


では皆さん良いお年を

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