デスゲームの始まり-3
「それは順を追って話した方がいいかな。ちょっと長くなるけどいいよな?」
「あぁ、構わないさ」
ハヤトはまた咳ばらいをすると話し始めた。
「まずそうだな、この世界には大雑把に人類と魔物の二種類が存在している」
この世界には元々魔物というものは存在せず、人類とは人間と亜人と呼ばれる様々な種族に分けられていた。亜人はもっと細かく分けると見た目が動物や魚などに近い姿形を持ち、その種族によってある一部分のみ秀でた特徴を持つ種族を獣人族と呼び、獣人族のように動物の見た目はしていないが、魔力操作や古代魔法など普通の人間や亜人ではできない特殊な力を持つ、横に尖がるように伸びた長耳が特徴の亜人をエルフ族と呼んでいた。
そして、特に秀でた能力も特徴も持たないが、基本的にオールラウンダーに力を扱える者を人間として分けられていた。しかし、人類の中ではエルフと人間が最もその中でも秀でた能力を持っていた。
だが、この世界にはもう一つ人間、エルフと並ぶ力を持つ種族がいた。それがドラゴン族。ドラゴン族は基本的に人の目のある所に現れることはなく、誰も近づけない山の山頂や深い洞窟などの場所に孤立、または種族で群れて生きている。さらに、ドラゴン族は姿を見せることも極稀なことから人や国によってはドラゴン族は伝説上の生き物や空想上の生き物として扱われ、さらには神と同等に称える国や宗教なども存在していた。
国や宗教の違いから争いが起きることは多々あったが、この世界は基本的には平和で今のように魔物のように何かに支配されていることはなかった。
「もともと魔物はこの世界にはいなかったらしいんだ」
「いなかったてのはどういうことだ?」
ユウキの問いに今まで運ばれていた食事を食べていたカズがハヤトの言葉を遮るように答えた。
「あいつら魔物はもともと地上にはいなく、地下深くにいたんだってよ。人によっちゃ別の世界もとい俺らみたいに誰かが召喚したって説もある」
「地下深く?別世界?」
「もっと簡単に言うとこの世界の地下にもう一つ世界があるらしい」
カズはそう言ってカバンから羊皮紙を一枚取り出し絵を書きながら説明する。
「そうだな、例えばこの世界は人間界、そして地下深くにある世界、別世界……いや魔界っていえばわかるか?で、この二つの世界はこんな感じでくっついているらしい。」
カズはそう言って二つの円を書きながら説明を続ける。
元々、俺たちのいるこの世界ともう一つの魔界と呼ばれる世界はくっついてはいなく平行線上に存在するだけのものだったらしい。だから、魔物がこちらの世界に来ることも、逆に俺たちが魔界に行くこともお互いがお互いの世界に干渉する事はできないようになっていた。しかし、突如二つの世界が繋がる穴が開き、魔物が流れ込んでくるようにこちらの世界へと姿を現し、瞬く間にこちらの世界を支配していったらしい。
「じゃあ、魔物が来る前は基本的に平和だったってことか。」
「まぁ、そうだな」
この二つの世界が繋がった要因には様々な説が流れており、種族間同士での領地争いという名の戦争が多々起こったため神の怒りに触れ、起きたことだとか、誰かの陰謀により魔物が召喚されたなどがあるが、今でもその謎は解明されていない。さらに言ってしまえば魔物が現れたという穴も見つかっていないのだ。
「ただ今では魔物っていう共通の敵ができたから力を合わせて戦っているらしい。まぁ、今でも小さい争いとかはあるらしいけどな。まっ、どの世界でも戦争はあるもんだな」
カズは満足したかのように手元にあるジョッキの液体をゴクゴクッと喉を鳴らしながら一気に飲み干した。
「ほかには聞きたいことはないのか?」
ハヤトがユウキに問いかける。
「あとはそうだなぁ、……そうだ。最初にあったとき俺の腹にできた紋章を見て印持ちって言ってたよな?これってなんなんだ?」
「あぁ、やっぱそれ、気になっちゃうよな。でも、それのことはこの後行く神殿に着いてから説明してやるよ」
「なんでだ?」
「今話しても理解するのが大変だからだよ。てか、話してもいいけどそれの説明はめんどくさいんだ」
面倒だ、とでも言いたげな仕草でそうハヤトは答えると、再度運ばれてきた食事に手を付け始めた。




