表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワールド・オブ・ザ・デスゲーム  作者: 悠城 拓
第1章 「全ての始まり『エイガルド編』」
49/163

模擬戦—8

 摸擬戦2日目、朝早くに目が覚めてしまったユウキは静かに部屋から出てリビングへと向かい、暫くゆっくりとしているとタイセイが眠たそうな顔で目を擦りながらリビングにやってきた。


「あれ……ユウキ君おはよう、今日は早いんだねぇ……」


「おはようタイセイ、ちょっと早く目が覚めちまってな」


 タイセイにそう答えると、タイセイは未だ眠そうな表情でキッチンに立ち、朝食を作るべく作業を始めた。俺も早く起きたし、暇だったのでタイセイの手伝いを名乗り出したところ首を横に振られ、申し訳なさそうに断られてしまった。理由を聞いてみると、摸擬戦までの精神統一らしい。それならと俺も静かに大人しく下がった。


「ご馳走様、じゃあ僕はもう行くね」


「もう行くのか、早くないか?」


「うん、なんかじっとしてられないからさ。みんなが起きたら食事温めて出してあげて。じゃあ行ってきます」


 タイセイは軽く朝食を取り、事前に準備を済ませていたのか装備だけを整えると早々とハウスを出てギルドへと向かっていった。俺はタイセイが出て行った後、黙々と朝食を済ませ自分が使った食器を荒い、またリビングのソファーに横になりながら以前サキから借りた本を読むべく読書に励む。


 本を読み始めて数十分が経った頃、女性陣が眠たそうな足取りでリビングへと降りてきた。そして俺を見るなり、サキが少し寝ぼけた表情で「おはよう」と声を掛けてきた。それに気づいたようにアカネとマシルもおのおの声を掛けてくる。


「あれ?ユウキ君だけ?この時間ならもうタイセイ君が朝食作ってる時間なのに」


「タイセイはもうギルドの方に向かったよ。じっとしてられないんだって」


 サキたちの疑問に答え、起き上がるとキッチンに足を運ぶ。そして時間が経って少し熱が引いてしまったかまどに火を着け、タイセイが作ってくれた朝食を温めなおす。


「今朝食温めなおすから待っててくれ」


 朝食を温め直している間に運べる料理はテーブルの方へと運び、並べていると昨夜一番最初に寝たハヤトが大きく口を開き、欠伸をしながらリビングへと降りて来て、キッチンに立ってる俺を見て不思議そうな表情を浮かべた。


「よぅ、珍しいなユウキがそこに立っているのは……タイセイはどうした?」


「もうギルドに向かったよ」


「そうか」


 ハヤトはタイセイの心情を理解しているのかそれとも単に興味がないのかそれ以上は聞いてこず、料理の並べられたテーブルの前へと座り、まだ眠いのかボーっと呆けている。


☆★☆★☆


「よし、じゃあそろそろ行くか」


 朝食を済ませ、完全に目を覚ましたハヤトがそう言う。時間を見ると確かにそろそろ「摸擬戦が始まる時間だということに気付く。


「俺とユウキはタイセイの応援行くけどお前たちはどうするんだ?」


「もちろん応援に行くよ!」


 ハヤトの問いにサキが明るく元気な声でそう言葉を返す。


「じゃあ準備が出来たらみんなで向かうか」


 ハヤトの言葉を聞き、着替えやら準備やらを済ませるためにおのおのが自室へと戻っていく。すでに準備を終わらせているユウキは皆が使った食器を洗うためキッチンで昨夜同様、汚れと奮闘中である。奮闘中の中、ユウキはふとあることを思い出していた。


(そういえばあの夢のあとシノに起こされたんだよな。あいつならあの夢について何か知っているかもしれない。夜に聞いてみるか)


 ユウキは昨夜見た不思議な夢、そして自分を夢から助けるかのように掛けてきたあの声に不穏な気持ちが湧き、これから嫌なことでもまたは面倒な事でも起こるのではないかと思い、相談してみることにした。


「また面倒なことにならなきゃいいけど……」


「何が面倒なんだ?」


 心の奥からの言葉は声になって静かに零れだし、早々に準備を終えたハヤトに聞かれてしまった。それに吃驚したユウキは声のした方へと顔だけを向ける。


「……いや、またカズみたいな惨状が起きなければなと思ってな。ほら、あの状態は結構酷かったろ?」


 ユウキはなんとか悟られないよう食器を洗う手を止め、焦る気持ちを抑えながら言葉を探す。


「……あぁ、確かにあれは酷かった。あれは流石の俺でもやりすぎだと思ったしな」


「そ、そうだよな!だから、さ!もうあんなことが起きなきゃいいのにな!って思ってな」


 ユウキは微かに作り笑いを含ませながらそう答える。そしてなんとか誤魔化せたことに安堵を覚え、静かに溜息を吐く。そして洗い物が終ると同時に女性陣の支度も済み、ギルドへとみんなで向かう。

次回更新は12/26です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ