摸擬戦―2
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「おぉ、やってるやってる」
俺とハヤトはカズとタイセイの摸擬戦を見にギルドの裏にある訓練場に足を運ぶとすでに摸擬戦は始まっているようで中々に盛り上がっていた。訓練場は既に摸擬戦に参加している者と摸擬戦を見に来た者で埋め尽くされており、ハヤトの後ろを着いて行く俺ははぐれない様に気を付けて人混みの中を歩いていた。
訓練場はギルド3件分ほどの広さで摸擬戦に参加する者も多いせいか摸擬戦も3,4戦まとめて行われていた。ギルドの近くには攻略隊の副隊長であるソウジとその部下と思われる者2名が1台の机の前に立ち、摸擬戦の結果を眺めていた。
「お、いたぞ。ちょうどタイセイの番らしいぞ」
ギルドから一番離れた位置で摸擬戦を行っている場所にタイセイを見つけ、ハヤトはさらに進む速度を速めた。俺もハヤトが見ていた方向に視線を向けると確かにタイセイがいるのだと気付き、ハヤト同様歩く足を速める。
☆★☆★☆
摸擬戦を行う闘技場の中でもギルドから一番離れた所にある簡易的な闘技場。そこには攻略隊のメンバーの1人が審判として真ん中に立ち、その審判の左右には攻略隊が事前に決めた対戦者が10メートルほど離れた位置に立っていた。
右側には全身を銀で出来たフルプレートで守り、表情すらも見えない恰好をした少々細身の男が、左側には急所部位である頭、胸、腕、脚のみを守るように作られた鎧を着込んだタイセイがそれぞれ木材で出来た武器を持っていた。
「先ほど改めて説明した通りのルールの下、摸擬戦を始める。両者とも準備はいいか?」
審判は左右にいる2人にそう訊ねると、2人は静かに頷く。2人の反応を見た審判は静かに右腕を空へと掲げ—————
「なぁ、ユウキこの勝負どっちが勝つと思う?」
「んーどうだろうな。でも、タイセイも相手の鎧野郎も基本的に守りに徹するクラスだから長期戦になるんじゃないか?」
2人が話している間に審判の右腕が振り下ろされた。
「始めッ!」
開始の合図と同時に先制で動いたのは細身の男だった。細身の男はフルプレートを着込んでいるにも関わらずもの凄い速度でタイセイに向かって走り出し、一気に距離を詰める。そして右手に持つ木剣を振り降ろすが、タイセイも彼に遅れずと反応し、彼の一撃を左手に持つ大盾で防ぐ。
「くッ!」
だが、細身の男の一撃が意外にも重いのか少し後ろへと後ずさりしながらもタイセイは受け止め、そのまま右手に持つ木剣でカウンターを狙うが容易く避けられてしまい、そのまま距離を取られる。
「私の一撃を止めるとは中々やりますね」
細身の男はいつでも攻撃できるように構えながらタイセイにそう声を掛ける。
「偶然ですけどありがとうございます」
タイセイはまたいつでも対処できるように構えを解かずにそう答える。
「君を倒す前に名乗っておこう、私の名はサニュエル。『銀翼の盾』というパーティーのリーダーをやっている。以後お見知りおきを」
「僕は『常闇の黒猫』のパーティーに所属するタイセイです。どうぞよろしく」
2人はお互いに名乗り終えると、軽く会釈をしてからまたぶつかり合う。しかも、今度はタイセイから攻撃を仕掛ける。
—————が、タイセイの攻撃は先ほどのカウンター同様、いとも容易く躱され攻撃する際に空いた隙を狙われ、タイセイの腹部を逆にサニュエルのカウンターが掠る。
「……ッ!」
「まだまだ休ませませんよッ!」
サニュエルはカウンターだけで終わらずにそのまま攻撃を右、左、上、下、様々な方向から仕掛け、タイセイに息を付かせないように続ける。
次回更新は11/14予定です




