攻略隊の帰還と勧誘—8
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キメラに向かって走るタイガは心の中であることを考えていた。
(はぁ、あまりこの力は使いたくないし、まだ……やりたいこともあったんだけどなぁ)
タイガはキメラに近づくたびに今までの思い出を走馬燈のように思い出し、耽っていた。エイガルドに来た頃の事、ソウジと出会い互いに切磋琢磨し合ったこと、攻略隊を結成し複数のダンジョンを攻略したこと、意見の違いで喧嘩したこと、パーティーメンバーを自分のせいで死なせてしまった事、そして……時にはお互いの好きな人の話をしたこともあった。
(ソウジには色々と喧嘩もしたし、笑い合ったりもしたな)
タイガは最後にソウジとの楽しかった思い出に耽りながら、最前で戦うソウジを抜き、静かに笑みを浮かべた。
ソウジは後ろからいきなりタイガが飛び出してきたことに驚いたのか、目を丸くしていたが、それはキメラも同様で一歩後ろに下がって体勢を整えた瞬間、タイガに飛びつくように鋭い爪を持った右前脚を振り下ろそうとした。
「今です!」
キメラが右前脚を振り下ろそうとした瞬間、後方にいたサクラが大声でそう言い放った。サクラの合図とともに後方支援の皆は魔法や矢をキメラの前脚目がけて放った。
キメラは突然の攻撃に反応できず、すべての攻撃を前脚に受け、振り下ろそうとした右前脚もタイガに届くこともなくタイガの目の前に大きな音と振動を立てて転がった。
咄嗟の出来事にソウジを含めた前衛部隊は呆気とした表情を受けべていた。
「いまだ畳みかけ……ぶっ!」
だが、すぐに現状に理解が追い付いたソウジがキメラに畳みかけようと走りだした瞬間、その行動は見えない壁によって妨げられた。
「これ、は……おい!タイガだろこれ!今すぐ解け!」
「全隊員に告ぐ!今すぐダンジョンから離脱せよ!案内は後方支援部隊のサクラが請け負う!サクラに続きダンジョンを離脱せよ!」
「お前!いきなり何言ってんだ!お前1人でそいつを倒せるはずが…!」
「……これは隊長命令だ!異論は認めない!」
訴えかけるソウジを無視し、タイガはキメラの方に身体を向けたままそう言葉を放った。攻略隊の皆はタイガの気迫に気圧され、おのおのが武器を下に下げると、ずっとキメラに視線を向けるタイガに静かに頭を下げ、一礼をしてからその場を離脱し始めた。
だが、ソウジだけは違った。
「なぁ、嘘だろ…頼むからこれを解いてくれ…」
タイガはソウジの言葉に何も返事を返さず、静かにその場に立ち尽くしていた。
「お前は…これからも俺と一緒にダンジョンを、この世界を救おうと話しただろ!なのに、なんで…!」
ソウジの言葉にタイガは一呼吸おいてから振り向きせず口を静かに開いた。
「……悪いな、ソウジ。……お前との約束は守れそうにないわ……」
「今すぐ!これを解いて、俺たちで倒せばいいだけだろ!」
ソウジの訴えは一向にタイガには届かず、タイガは淡々とした声色で言葉を続ける。
「……お前と一緒に過ごした日々は楽しかったぜ。……攻略隊のことは任せた」
「ば、馬鹿言ってんじゃねぇよ!攻略隊はお前が作った組織だろ!お前が責任持って最後まで見ろよ!俺なんかに任せるんじゃ…ねぇ、よ」
ソウジはそう言い切る前に地面に足を付き始めた。いきなりの脱力感にソウジは困惑した。
「……やっと効いてきたのか」
「お前、俺に……何かし、たの…か?」
「悪いな、お前は絶対に言うこと聞かないだろうと思ってお前には魔法使いの1人に頼んで睡眠薬を作ってもらったんだ」
「ふ、ふざけん…じゃ、ねぇ…」
ソウジは徐々に歪む視界の中でそう告げるタイガの顔を睨みつけながらそう答え、意識を離してしまい、床に倒れ込んだ。後ろから走ってきたサクラと護衛の1人が倒れ込んだソウジの姿を見て、なんとも悲しい表情を浮かべる。
サクラは何も言わず泣きそうになる感情を力いっぱい抑え、静かにタイガに一礼するとソウジを連れてその場から離れた。
「……ソウジを……頼む」
タイガは誰にも聞こえないこれでそう呟くと、ようやく起き上がったキメラに自身の武器を突き付け、戦闘態勢に構える。
「お前は…ここで俺が倒す!はぁああ!」
キメラもタイガの掛け声に合わせるようにタイガに飛びつく。




