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ワールド・オブ・ザ・デスゲーム  作者: 悠城 拓
第1章 「全ての始まり『エイガルド編』」
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攻略隊の帰還と勧誘—6

「仕方ない、全部隊で行くしかないか」


 タイガはそう小さく言葉を溢した。


「それがいいと思います。ですが、これだけは伝えておこうと思います」


「なんだ?……なっ!それは本当か!」


 サクラはそう言ってタイガの耳元で小さく呟いた。タイガはサクラが耳元で発したある一言に再度絶句した。しかし、それを伝えたサクラは無情にも静かに頭を縦に振る。


 サクラがタイガに伝えたことというのは例え全部隊でリザードマンセイジを倒したところで数名の死者が出ることと、まだ不確かなことではあるが、リザードマンセイジのいる辺りの奥に魔力スポットというものがあるということだった。


 魔力スポットとはダンジョンの中に絶対に1つはあると言われている魔物生産機の様なものだ。ダンジョン内の魔力を吸収し、ダンジョンに適した強さ、個体を生み出す魔法陣の様なものだ。


 魔力スポットを破壊しない限り、魔物は一定時間で生み出され、例えすべての魔物を倒すことが出来ても魔力スポットを破壊しない限りは魔物が生み出されるという攻略隊泣かしみたいなものだった。


「しかし、それがあるとすると今のうちに破壊しといたほうがいい」


「そうですね、正直今のうちに破壊できるのであればしといたほうが得策ではあると思います」


 タイガは最悪死者が出るということを頭に入れておきながら道なりに進む隊員たちに事の詳細と討伐する際の隊列を伝える。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「作戦は以上だ。俺から皆に言えることはただ1つ……絶対に生き残ってエイガルドに帰るぞ!」


 タイガの言葉に隊員たちは「おぉ!」と雄叫びを上げ、おのおのが武器を持つ手を強める。中にはいまだに覚悟が出来ていないのか不安な表情を浮かべる者もいる。


「周りに魔物の気配は?」


「この辺りはリザードマンセイジのおかげなのかまったくいません」


「よし、皆行くぞ!まずは目の前の勝利を掴み取れ!」


 タイガはそう言って隊列の1番前をソウジとともに歩き、リザードマンセイジがいると言われている道を右に曲がる。しかし、運命というのはあまりいい方向には行かず、道行く攻略隊のメンバーの戦う意志を根こそぎ取り除いてしまった。


「っ!これは……」


「おいおい、嘘だろ…こんな事あり得るかよ……」


「え、そんなことあり得るはずが……」


 攻略隊の一番前を歩いていたタイガ、ソウジ、サクラは真っ先に目の前に広がる状況に対し、理解が出来てしまった。その3人の後を追うように着いてきた攻略隊のメンバーたちもこの光景をみた瞬間、先ほどまでのやる気は失われ、目の前の光景に気を失う者もいれば、震えだし1歩も動けない者もいた。


 そして聞こえるのはおのおのが発した、現実を受け入れらないという感情の入った言葉だけだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(おいおい、嘘だろ、嘘ならそう言ってくれ……)


 ソウジは心の中で目の前に広がる光景を見ながらそう思う。


 ソウジたちの目の前にはまずいると言われていたリザードマンセイジの死体が床を埋め尽くしており、その奥にはリザードマンセイジの血を浴び、肉を食らっている全体的に獅子の形をした個体で獅子の頭の上には黒山羊、尻尾は黒蛇という俗にいう”キメラ”。


 そしてその存在はまずダンジョンの最奥でもない限りいないと言われているものだった。


「なんで……こいつがっ!」


 ある1人の言葉にキメラは攻略隊の方に視線を変えた。その瞬間、攻略隊全員の身体が氷のように塊、動くことすらできなかった。そして無情にもその存在はゆっくりとこちらに歩いてくる。


 その時、皆死を覚悟した。

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