初戦闘-9
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ユウキはソードゴブリンに小さな傷をつけると、近くで戦っていたカズの合図により一度距離を取り、周りを見渡すとあることに気付く。
「ふーむ、まだまだいるなぁ……ってなんか増えてない?」
「まぁ、増えてはいるな、ざっと20ちょいか?」
ユウキの呟きに横で体制を整え直していたカズが暢気な声色でそう答える。
「いや、なんでそんなに暢気に答えてるんだよ。20ちょいも増えてんだろ?」
「別にそんな不思議なことでもないだろ。大方、あいつらの悲鳴に気付いて来たか、あいつらの誰かが増援を呼んだかだろ?」
「いやいや、なに暢気に分析してんだよ。この量はさすがにまずいんじゃ……」
「いや、特に不味くもないけど?だって……全部俺が殺すし」
カズは笑顔でそう答えると、近づいてきたソードゴブリン2体を一振りで肉塊にした。そのままカズはソードゴブリンの群れに突入して行った。しかも、変な叫びを入れて。
「は、はははっ、ほらもっと来いよ!もっとだ!もっと!俺を楽しませろ!」
「ぐぎゃっ!!」
「ぎゃうっ!!」
「ぴぎゃっ!!」
カズが一回、剣を振るたびに2体、3体のソードゴブリンは血飛沫を上げ、倒れて行く。
「マジかよ……あいつ化け物か?それともなんかやってんのか?」
「いや、あいつはただ単に戦闘狂なだけだ。しかも、ああなっちまうと収まるまで誰も手がつけられねぇ」
タイセイの後ろで待機していたハヤトがユウキのそばまで近づいてそう答える。ハヤトに続いてタイセイやマシルもユウキのもとにやってきてカズの無双状態を見ている。
「ハヤトか、それにみんなも……ってゴブリンアーチャーは?」
「ん?あぁ、それならあそこ見てみ」
ユウキはハヤトに言われた通りゴブリンアーチャーとやり合っていた辺りに視線を移すと、そこではアカネとサキが倒したゴブリンアーチャーの討伐部位である耳を切り取っていた。
「あぁ、いつの間にかもう終わってるのね」
ユウキは小さく呟き、いまだ無双状態に入っているカズの戦いっぷりを眺め始めた。
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「はぁああ、殺った殺った」
最初はソードゴブリン、アーチャーゴブリン合わせて10匹程度しかいなかったはずが、なぜか約30匹以上のゴブリンの亡骸を作り、その近くで大量の血を浴びたカズがスッキリした顔でそう答えながら身体を伸ばす。
「お疲れ、カズ」
「お疲れ様、カズ君これ使いなよ」
各々が戦い終えたカズに向かってタオルやら水やらをひと声かけながら差し出す。カズも渡されたものを感謝をすると同時に受け取り、水を飲みながら顔や手に着いた血を拭う。
「そういえば、なぁユウキ」
カズは何かを思い出したように呟き、ユウキの名前を呼んだ。
「なんだカズ?」
「お前に1つ聞きたいんだけどさ、お前の剣についてるその紫の石ってなんだ?神殿にいた時にはついてなかったよな?」
「あ、それは私も思った。てか、ユウキがゴブリンと戦う直前にズボンのポケットから出してはめ込んでるとこも見たな。」
カズの言葉に続けて、先ほどまでアーチャーゴブリンの耳を取っていたアカネがそう答える。




