初戦闘ー4
ユウキの血液を垂らした2つの魔武石から光が漏れ始め、次第に光は魔武石を包みこみ徐々に形を変えていく。こぶし大の大きさだった魔武石が先に形を成して、拳銃の形をした武器に近づいていき、形成が終わるかなと思ったところで1丁の拳銃は2丁の拳銃に別れ、それぞれ同じ大きさに形成された。
もう1つの魔武石はこぶし大の魔武石とは違い、形成されるのに時間がかかったが、次第に剣の様な形に変わっていき、全体的に魔武石と同じ紫色の両刃の片手直剣になった。両刃の片手直剣の柄の部分にはユウキの持っている魔武石が入りそうな窪みがあった。
「……まさか2つとも形を変えるとは」
「しかも2丁拳銃に1本の片手直剣とか珍しいことこの上ねぇな」
2つの魔武石が形成し終え、バルザとハヤトだけじゃなく神殿にいる者すべてがユウキと形を変えた魔武石を交互に見、驚いた表情を見せる。
そんな中ユウキだけは特に驚いた表情を見せることもなくバルザに傷つけられた指を見せつけながらバルザに声を掛ける。
「驚くのはいいとして早く傷治してくれよ」
なぜユウキが特に驚く表情も見せずに平然としているのかといえばただ単にこの状況が理解できていないのと傷ついた指先が痛いからというだけである。
「あぁ、とりあえずハヤト治してやれ」
「爺さんが治すんじゃねぇのかよ」
ハヤトはバルザの発言にそう突っ込むとユウキに近寄り、ユウキの指先に手をかざすと翠色の光が傷ついたユウキの指先を包み込み、傷を治していく。
「おぉ、すげぇもう治った」
「今のが治癒魔法だ。これくらいの簡単な治癒魔法なら神官じゃなくても使えるようになるからユウキにも後で教えてやるよ」
ユウキはハヤトにお礼を言い終えると、バルザがユウキたちに声を掛けてくる。
「傷を治したならユウキ、武器を持ってみろ」
ユウキはバルザの言う通り、紫色の片手直剣を手に取り、柄の部分を握り軽く力を入れ、振ってみる。
「何気に軽い…いや、持ちやすいなこれ」
「そりゃお主専用の武器だからな。お主の身体能力によって重さは変わっていくぞ」
「そうなのか?まぁ、無理に重いものを持つ必要が無いなら楽だな」
「あとは2丁の拳銃も持ってみろ」
ユウキは片手直剣を台に置き、両手に1丁ずつ拳銃を持ち、構えたり、持ち替えたりしているとあることに気付く。
「これ弾倉がついてない」
ユウキの発言にバルザは頭に?を浮かべる。
「ダンソウ?それはなんだ?」
「弾倉っていうのは弾薬を入れておく入れ物みたいなものだな」
「そのダンソウってのがないとどうなるんだ?」
「まぁ、使えないよな」
ユウキの発言にバルザは驚いている表情を浮かべるが、ユウキは特に気にした様子もなく拳銃を調べる。
(うん、やっぱねぇな)
ユウキは調べるのを諦めたのか台に拳銃を置き、一度息を吐く。そんな様子を見ていたカズが不意に口を開く。
「なぁ、弾倉が無いってことは魔力使うんじゃねぇのか」
「魔力?でも、おれ魔力の使い方なんか知らねぇよ」
「おれは専門外なんでこれ以上は口を出せねぇけど、サキならわかるんじゃねぇのかな」
そう言ってカズはサキに目を向ける。サキは少し困ったような表情をしていたが、何かを考える様子を見せ、ユウキに向けて口を開く。




