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ワールド・オブ・ザ・デスゲーム  作者: 悠城 拓
第2章 「騎士の国『ブレスタ編』」
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魔生物と魔物-8

めちゃくちゃ久しぶりに書きました。完全にお久しぶり状態です。大変、お待たせしました。

「ねぇ、ユウキ君。シアンさん達の話どう思う?」


 走りながら屋敷の外に出る道中、マシルから問いかけられた内容に俺はシアンの話を思い出し、頭の中を整理させる。あの地下室の正体もとい作られた理由。

 そして、地下室からさらに続く道の存在。ユウキとしては色々とまだ問いただしたい事はあったが、その中でも一番まだ腑に落ちていないことが一つあった。

 それは、『この部屋の先に続く場所だけは今も動いてるはずだ』という意味深な言葉だ。一体、何が動いているのか。そして、かつての王族が住んでいた城の跡と言われた場所には何が隠されているのか。


「まだ、何か隠しているような素振りは会ったが、今はあまり気に掛けてる暇はないって感じかな。ただ……」


 ユウキはこの疑問を胸に押し込み、マシルの問いかけに答えた。そして、さらに続けるように言葉を続ける。何か言いたげなユウキの言葉にマシルも気になった様子で言葉を復唱した。


「ただ?」


「あの部屋の先にある城跡には一度行かないとなと思って」


「城跡になんか用事があるの?」


「いや、用事というよりはさっきも言ったようにシアンは隠している。この後の事で面倒が起きるのであれば先に実態を知っておきたい」


 俺の言葉にマシルは「確かに…」と言葉を零した。


「まぁ、今はリンの所に早く戻ろう」


「戻ろうって言うけど『闇扉(ゲート)』は使わないの?」


「使っても大丈夫だとは思うんだけど、一応『闇扉』出てすぐに魔吸梟(ストリゲス)と出会うってなったら、それこそリンにも被害が行くんじゃないかと思ってな」


「確か持っている能力(アビリティ)が『吸魔』と『透化』、それに『帳』だっけ?」


 思い出すようにマシルは魔吸梟の能力を口に出した。その中でも特に厄介なのが『透化』だ。

 その名の通りではあるが、魔吸梟自身が透化されると言うことか一瞬でも気を抜けば簡単にやられてしまうと言うことだ。しかも、相手は空を飛べる。

 陸上戦であれば例え、突発的な攻撃が来たとしても足跡が残ったり、踏み込みで居場所が分かったりするが、空中であれば位置を特定することも難しくなる。


 さらに言えば、相手は空中だ。例え、位置を特定出来たとしてもすぐに空中へと届かない距離に移動される。それほどに厄介な能力だといえる。


「まずは、リンとロニーの安否の確認だが出来れば魔吸梟と一戦を交えるのは避けたいな」


「もし、戦うってなったらどうするつもりなの?」


 マシルの問いにユウキは頭を悩ませる。

 魔吸梟と戦うには出来れば同じ土俵の空中戦が望ましいが、空を飛ぶなんて魔法が使えるわけでも長時間飛行出来るような魔道具を持っている訳でもない。一応、拳銃に魔力を込めて放つ事は出来るが、避けられたら魔力を無駄に消費するだけだ。それも出来れば避けたい所ではある。


「やっぱりなんとかして空中戦から陸上に引き摺り落とすしか無いかなぁ。でも…」


「どうやって引き摺り落とすか、だよねぇ」


 マシルも同じように考えてはいたようで、どうにか戦う方法を考えていた。

 そして、ようやく地上にまで戻り、玄関まで辿り着いた二人は一先ず、魔吸梟との戦闘方法を考えるのは止め、各々武器に手を当て、いつでも動けるように構えを取り始める。

 少しだけ空気がヒリつくような感覚を感じながら、玄関扉の取っ手に手を掛ける。マシルと一度アイコンタクトを取りつつ、ゆっくりと扉を前に押して外の様子を窺うが、特に変化はない。


「特に何かおかしいと言うか何かがいるような気配はない、か…?」


 気を緩めることなく外に出て、辺りを確認する。かなり静かな気もするが、リン達の姿を探すためユウキはさらに一歩、足を踏み出した瞬間――――。


「ユウキ君!避けて!」


「ッ!?」


 マシルの言葉に反応するように後ろへと跳躍する。跳躍すると同時くらいのタイミングで先ほどまでいた場所に何かがぶつかったような衝撃音と一緒に凹みが出来ていた。軽い衝撃波も来たが、それはマシルの従魔である朧のおかげでなんとか免れた。

 衝撃で舞い上がった砂埃が晴れる中、微かに残る魔力痕。魔力の色から観ても完全に闇属性の魔力だ。放たれたのはただの魔力の塊というよりは『闇球(シャドー・ボール)』だろう。


 ユウキはすぐに闇球が飛んできたであろう方向へ視線を向けると、そこには先ほどまで話をしていた魔吸梟が猛禽類のような鋭い瞳でこちらを見つめていた。いや、見つめていると言うよりかは得物を捕らえたような威嚇にも近い鋭い視線だった。


「…最悪だ」


 いつから居たのか。魔力の存在も何も感じられなかった。そして、ユウキが外に出た瞬間に放つ事が出来るほどの魔法を発動するまでの速度と威力。

 人間が放つ魔法の威力でも出来ないことはないが、一瞬でここまでの威力の魔法を発動出来るのは魔吸梟本来の強さ故なのか、それともユウキが来ることを見通した上での準備の賜物なのかは分からないが、とにかくユウキは焦りを感じていた。


 そして、視線を魔吸梟から離すことなく、辺りの気配を探り、リン達の位置を特定しようとするが、上手くいかない。

 出来ればこの場にいないことを願いたい所だが、安否の確認が出来ていない以上戦闘に集中し切る事は出来ない。どこに居るかが分からない以上、魔吸梟の攻撃で屋敷を、辺りの建物を倒壊させるわけにはいかない。


「…マシル、ここ屋敷の裏口からでもいい。こいつの視線から離れたところでリン達を探してくれ」


「でも、それじゃあユウキ君はッ!」


「俺は少しでもこいつの気を引く。さっさとリン達を見つけてこいつが近寄らないようにタイガの所にでも連れて行ってくれ」


 正直、マシルが屋敷の外に出ていないことが救いだ。魔力は感知されていたとしても、姿は見られていないはずだ。かなりきつい状況ではあるが、魔吸梟の気を引きつけておくことが出来ればマシルもリン達の捜索に集中できる。

 それに、屋敷の地下室にいるイヴ達なら例え、何か起きたと分かってもすぐに城跡だとか言うところに避難することも出来るはずだ。


「見つけた後、合図さえくれれば俺もすぐに逃げる!」


「でもッ!」


「どっちかが残ってこいつの相手するなら姿を視認され、得物として目をつけられてる俺が相手した方がいいだろ。だから、マシルは早く見つけてきてくれ!」


「…わ、分かった。早く見つけるからユウキ君も無理はしないでッ!……朧、ユウキ君をさっきみたいに危ないときは守ってあげて」


 マシルはユウキにそう言い放ち、朧にもそう伝える。朧は返事をするように短く鳴いた後、ユウキの元へと駆け寄る。マシルもその様子を見届けた後に屋敷の扉を完全に閉め、裏口へと向かっていった。

これからもゆっくりと続くので忘れずに待って居てくれたら嬉しいです。よろしくお願いします。

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