デスゲームの始まり-13
ユウキの問いかけにシノは任せろと言わんばかりの笑みを浮かべながら口を開いた。
「その辺は安心しろ。儂に考えがある」
そう答えるシノにユウキは首を傾げながら聞き返した。
「考えってなんだよ?」
「儂はもともとこの世界の住人だから、普通は外に出ること何ぞ出来ん。だが、一つだけ方法があってな……」
シノはそう言葉を続けてていたが、何故か一度話すのを止めた。そして、一拍おいてから再度口を開いた。
「その方法とは儂の身体の一部をお主の中に取り込み、外で結晶化させることじゃ」
「…………は?言ってる意味が分からねぇんだが?」
シノの言葉にユウキは理解できないといった表情を浮かべ、言葉を溢すが、シノは「まぁ、話はこれからじゃ」とユウキの言葉を遮り、説明を始めた。
「まず、儂自らの一部をお主の中に取り込むというのは儂の血や髪の毛等の儂の体内に有する魔力を秘めている物をお主の体内に宿わせる。そして、儂の一部を取り込んだお主が外に出た後、儂の魔力とお主の魔力を絡ませ、融合させる。それが出来たら儂の魔力が秘められた一部は結晶化し、お主とともに外の世界に出ることが出来る」
シノは後付けするように「まぁ、儂もやったことがない訳で成功するかは五分五分じゃがな」とぼそりと言葉を溢した。しかし、そう説明されてもユウキは完全には理解出来ていなかった。そんな様子を見たシノは呆れた様にため息を溢すと、口を開いた。
「まぁ、実際お主は特にやる事もないんじゃ。その場でじっとしていればよい。すぐに済むから動くなよ」
「いや、動くなって何する気だよ。…………んッ!?」
シノはユウキにそう言いながら自らの唇を歯で軽く切り、赤い血を少し流させる。そして、そのままユウキに近づくなり、動けない様に肩を掴むとユウキの唇に自らの唇を重ね合わせ、唇から出た少量の血をユウキに飲ませる。
ユウキは突然のシノの行動に理解が追い付かなかったのか思考を止まらせ、固まったようにその場に立ち尽くしていた。そして、シノの口から無理やり押し込まれた、シノの血をユウキが飲み込んだ瞬間、ユウキの体内が少しずつ熱くなっていくのが分かった。
身体にシノの血液が入ったことを視認できたのかゆっくりとシノはユウキから唇を離した。お互いの唇が離れてから数秒後、我に返ったユウキは口角から伝うシノの血と唾液を袖で拭うと、頬を少しだけ紅潮させ、シノを睨みつけた。
しかし、そんなユウキの視線など特に気にもせずにシノは同じように口角を伝う血と唾液を腕で拭うと、「これで終わりじゃ」と笑みを浮かべながら淡々と答えた。そんなシノの様子にユウキは呆れた様にため息を溢すと、自身の胸に手を当てた。鼓動が早くなっていくのを感じると同時に、体内に異物が入ったかのように熱くなっているのも感じていた。




