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ワールド・オブ・ザ・デスゲーム  作者: 悠城 拓
第1章 「全ての始まり『エイガルド編』」
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デスゲームの始まり-12

「俺の……目?」


「正確にはお主の左目じゃな」


 シノは自身の左目に人差し指をあてがいそう答える。それに倣う様にユウキも自分の左目に軽く触れながら意識を向ける。


「左目……、それなら対面した時に誰かが気付いてもおかしくはないんじゃないか?俺は外でハヤトたちと対面した時、お互いに顔をみたけど何も言われなかったぞ」


 ユウキの言うことはもっともだった。自身の左目に印があるなら腹部にある印同様見えるはず。それにここに来るまでハヤトたちや大神官のバルザとも話していたのだから。しかし、シノはユウキの疑問に呆れたような表情を浮かべながら口を開く。


「何を言っておる、お主の左目には印の姿はないんじゃよ」


「……は?どういうことだよ。さっきは俺の左目にあるって……」


「さっきも言ったように印には『視覚可能型』と『視覚不能型』があるんじゃよ。お主の目の印は後者じゃ」


 ユウキはシノの言葉に思い出す様に「あー」と無気力な返事をした。


「心配せずともお主は二つの固有魔法を持っとるし、発動すれば眼に浮かび上がってくるはずじゃ。……だが、一つだけ忠告しておくぞ」


 シノは今まで以上に真剣な表情を浮かべながらユウキを見つめ、一拍おいてから再度口を開いた。


「左目の能力はなるべく他人に話すな」


「は?なんでだよ」


「よく考えてみぃ、お主は珍しいことに印を二つも持っているんじゃぞ。そのうえ、『未来予知』という聞いたこともない能力じゃ。そんなことが他人にバレてみろ、面倒事になるぞ」


「あぁ、それは確かに嫌だな」


 ユウキはシノにそう言われると、頭の中でそう状況を軽く想像し、すぐに嫌気が差したのか表情を歪める。さらには、ユウキ自身、この世界に迷い込んだということ自体がすでに面倒事だというのにこれ以上面倒事が増えてたまるかと考えていた。


 そんなことを考えているとふと、ある事を思い出したのかユウキは再度シノに視線を向け、口を開く。


「そういや、結局俺は何でここにいるんだ?さっきまで俺の体質がどうのこうの言ってたけど……」


「ここに来たのはただの偶然じゃないか?儂が知るわけないじゃろ」


 シノはユウキの疑問に首を傾げながらそう答える。シノ自身、ユウキがどうやってここに来たのか分からなかった。何故ならユウキ以外にこの空間に誰かが訪れるということが無かったのだから例え、シノが空間の主だろうと知るわけがなかった。しかし、シノはそのことまでは伝えることなく笑顔を浮かべると、再度口を開く。


「まぁ、偶然でも良いではないか。そのおかげで普通なら会うことすらもない儂らが出会えたのだからこれも何かの縁とでも考えれば。それに、今思えばお主の体質に関しても他の者と同じように宝玉の表面に映しださずに能力の詳細を知れたんじゃ、儲け物とでも思っておけ」


「……それもそうだな。ありがとよシノ」


「感謝なんかせんでもええわ。……それよりお主に1つだけわがままを聞いてほしいんじゃが良いか?」


 シノは少し言いずらそうに口をもごもごとさせ、俯きながらそう訊ねるとユウキは首を少しだけ傾げ、口を開いた。


「俺にできることなら聞くがわがままってなんだよ?」


 ユウキがそう訊ね返すと、シノは少し恥ずかしそうに—————まるで初めてわがままをいう子供のように目を泳がせながらも言葉をゆっくりと発した。


「その…儂を、儂もお主と一緒に連れて行ってくれはないか?」


 シノの言葉にユウキはさらに首を傾げ、顔を顰めながらシノに問い返す。


「連れてくたってどうやってだよ。それ以前にここから戻る方法だって知らねぇのに」

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