デスゲームの始まり-9
「ん……んんッ……。ここ、は……どこだ?」
神殿にいた時とは違う明るさにユウキは静かに目を開くと、辺りを確認した。辺りを確認すると神殿内にいたハヤトたちの姿はなく、どこまでも続く真っ白い空間が目の間に広がっていた。謎の空間にはユウキしかいなく先ほどまで右手に触れていた紫色に輝く宝玉もどこにもなかった。
「確か神殿にいたはずじゃ……」
突然の出来事にしばらくの間思考してみたが、結局答えは出ることなく一先ず歩くことにした。しかし、このよく分からない何もない空間を見渡したり、歩いたりしてみたが、ただただ真っ白い空間が続くだけで歩き損といったところだ。疲れはしないのだが、心的に疲れたせいかその場にどすりと座り、どうやって出ようかと脱出の方法を考え始める。さらに、暫くの間、思考を繰り返していると横から聞いたことのない声が聞こえてくる。
「お主は誰じゃ。ここで何をしておる」
「……いやお前こそ誰だよ」
ユウキは声のする方に視線をとともに顔を向けると、そこには自分の肩ぐらいまでの身長しかなく、自分の右手に触れていた宝玉の色と同じ腰辺りまで伸びた紫色の髪と瞳という特徴を持った少女が裸足で白いワンピースに身を包んでいた。見た感じ11歳か12歳くらいだろうか。ただ、見た目とは裏腹に年寄りの様な言葉を使ってることに違和感を覚える。
突然現れた謎の少女のことを少なからず警戒しながら見ていると、少女はユウキに向かって口を開き始める。
「儂はシノ。この空間の主とでも言っておくか。それで儂は名乗ったぞ、お主の名は?」
「……桐ノ宮悠輝、ユウキでいい。それで、ここはどこなんだシノ」
突然現れたシノと名乗る少女にユウキは質問を投げると、シノは呆れた様に口を開いた。
「なんじゃ、ここがどこかも知らずに来たのか」
シノはやれやれといったさらに呆れたようにため息を溢しながらそう答え、そのまま話を続けるために口を開く。
「ここはお主が先ほどまで触れていた宝玉の中、とでも言っておこうかの」
「宝玉の中?どうして俺はこんなところにいるんだ?」
「それはこっちが聞きたいわ、アホ。逆にどうやってこの中に入ってきた。ここは普通、誰も入れんはずじゃぞ」
シノも前例がないといった表情でそう答える。それを聞いて最初は誰しもが入れる場所なんだと思っていたユウキも耳を疑った。
「そんなこと俺がわかるわけないだろ。目を開けたらここにいたんだよ」
ユウキの答えを聞いたシノは「そうか」とだけ小さく呟くと、今度はユウキに近づき、まじまじと見つめ始める。
「……ふむふむッ、なるほど、そういうことか」
「な、なんだよッ……俺になんかついてるか?」
突然の行動にユウキは身じろぎをしながらそう訊ねるが、シノは何も答えず今度はユウキの周りを回るように歩き出した始めた。そして、何周かユウキの周りを歩いた後、満足したかのように笑みを浮かべながら口を開いた。
「お主なかなか面白い体質をしておるな」
「…………は?」
シノの意味深な発言にユウキは気の抜けた声を溢した。突然、何言ってんだと思いながらもユウキはシノの口から出た『面白い体質』という言葉の意味を思考し始める。




