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ワールド・オブ・ザ・デスゲーム  作者: 悠城 拓
第1章 「全ての始まり『エイガルド編』」
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デスゲームの始まり-8

「手を離しちゃダメってなんで手を離しちゃいけないんだ?なんかあるのか?」


 突然の忠告に意味が分からなく、そう訊ねるとバルザは長い髭を撫でながら口を開いた。


「いや、お主の身体に何かが起こるというわけではない。ただ、クラス決めの最中に一度でも手を離してしまうと、今まで分析していたお主の情報が初期化され、また一からやり直しになってしまうというだけだ」


 バルザの説明になる程といった表情を浮かべ、何度か頷く。


「さっきも説明したが、人によって結果が出る時間は疎らだ。例え、何かの拍子に宝玉から手を離してしまってもそれほど時間の掛からない者なら特に気にする事でもないのだが、一時間とかそれ以上時間が掛かる者となるとな」


「一時間以上……なぁ、それって最悪どのくらい掛かるんだ?」


「そうだな、人にもよるが長くても半日……といったところだな」


「長くても半日、か。……そりゃあ、長いな」


 それなりに時間が掛かると知ったユウキはまだ宝玉を触れてもないのに乾いた笑みを浮かべた。しかし、そんなユウキの事も気にせず、まるで追い打ちをするかのように口を開いた。


「それにクラス決めの最中は大神官の私が見張っていなくちゃならない決まりなんだ。時間が掛かる上、やり直しとなったら最悪家にも帰れん。私もそんなのは嫌だからな。だから、なるべく絶対手を離すなよ」


 バルザは本音を隠すこともせず、正直に言った後、念を押す様にそう言い放つ。だが、その説明を聞いていたユウキ自身も自分が見張る側になったらと想像すると、バルザの気持ちも分からんでもないと心の中で頷いた。


「さて、それじゃあそろそろ宝玉に触れてもらおうとするか。なに、そんな気構え無くても大丈夫だ」


 バルザの言葉にユウキは頷き、宝玉に向かって歩みを進める。宝玉の前に立つと自然と宝玉の大きに圧倒されると同時に、反対側の景色が見えるほどの透明感と表面の傷一つない輝きに目を奪われそうになる。


 ユウキは宝玉に触れる前にバルザの言葉を思い出し、一度深呼吸をして心を落ち着かせる。ユウキ自身それなりに落ち着いてはいるのだが、やはり自分がどんなクラスになるのかという期待とそのクラスになってやり切れるかという不安が少なからずユウキの鼓動を速めていたため、それを落ち着かせるために落ち着くために行ったのだ。


 それなりに身体の力を抜いてから宝玉の表面にやさしく右手の指先から徐々に触れていく。右手を全て宝玉に触れると、宝玉の硬い質感と冷たさを感じながらユウキは静かに目を閉じ、魔力を込めるために右手に意識を向ける。


 ユウキが宝玉に触れ、数秒経ってから宝玉に触れているユウキの右手を覆うように眩しい光が徐々に現れる。そして、その光はさらに大きくなり、ユウキの右手だけでなく宝玉までも覆い始めた。


「よし、順調に始まったな。……そんなに時間が掛からなきゃいいんだが」


「なぁ、爺さん。あいつはどのクラスになると思う?」


 ユウキの分析が始まったことを確認するとバルザは安心するとともに誰にも聞こえない様に本音を呟くと、後ろで二人の会話を聞いていたハヤトがそうバルザに声を掛けた。


「爺さんじゃなく大神官と呼べバカ者」


「まぁまぁそれでどうなると思うよ?」


 ハヤトの問いに呆れるようにため息を溢し、一拍おいてから答える。


「……そうだな。彼なら騎士かガーディアンなどの前衛系のクラスになりそうだな」


「だけど、あいつの近くには魔武石が二つもあったんだぜ。何かあると思わないか。例えば……レアクラスになるとか」


「二つの魔武石が彼の物とは限らんだろ」


 何の確証も無いハヤトの呑気な言葉に再度呆れるようにため息を溢す。だが、バルザ自身も仮に魔武石二つが彼の者だとするのであればかなり珍しいことだと、少なからず期待を抱いていたのも事実だった。


「まぁ、そりゃあそうだけどよ。それでも何かしら起きるとは思わねぇか」


「さぁな。……だが、仮にもし二つの魔武石が彼のだとしても私のやる事は変わらない。彼が一体でも多く魔物を殺してくれることを祈るだけだ」


「はぁ……つまんねぇな、爺さんは」


 ハヤトは自分からバルザに問いかけたにも関わらずそう言い放つと、紫色の宝玉の前でクラス決め中のユウキの後ろ姿に腕を組みながら視線を向ける。

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